軽井沢からの通信ときどき3D

移住して10年目に入りました、ここでの生活と自然を写真と動画で発信しています

我が家にネコがきた

2020-03-13 00:00:00 | ネコ
正確には、我が家にネコが来ていたということになるが、昨年11月上旬から今年3月上旬まで、4か月ほどの間我が家にネコがいた。名前はルク。このネコ実は東京で一人暮らしをしている娘が手に入れたもので、予てから飼うならこれと思っていた種が、ブリーダーの下でやや大きくなりすぎて売れ残っていたとかで、かわいそうになり衝動的に買ってきてしまったものの、今の住まいではネコを飼うことはできないので、我が家でしばらく預かってほしいということになったのであった。

 私自身はこれまでにネコを飼った経験が全くないが、妻は子供のころから何度もネコを飼ったことがあるらしいので、突然の来訪にも驚く様子がなく上手に対応している。

 3年ほど前に、野良ネコがなついて、少しの間餌を食べに通ってきていたことがあった。ところが、しばらく家を留守にしている間に、来なくなってしまい、その時妻はひどくガッカリしていた様子であったので、今回思いがけずネコがやってくることになり、むしろご機嫌である( 「キャットミントとシャア・アズニャブル」 2017.5.12 公開本ブログ)。

 娘がネコ用の道具一式と共に車で連れて来たこのネコ、真っ白で長毛種の♂である。昨年2月に生まれたということなので、我が家にやってきた11月にはすでに9カ月目になり、もう子猫という雰囲気はなかった。種類はノルウェージャン・フォレスト・キャットといい、ネコの中では大型種だという。目は周囲が薄いブルー色をしていて、光が差し込むと普段は黒い瞳孔部分が赤く見えることがある。ネコの目の瞳孔といえば、明るい場所では縦長のスリット状に細くなるものと思っていたが、このネコの場合は瞳孔の形状はあまり変化せず、丸いままに見えている。

我が家に突然来ることになった白いネコ(2019.12.23 撮影)

眼の色は淡いブルー(2019.12.26 撮影)

光が差し込むと瞳孔が赤く見えることがある(2020.2.29 撮影)

床に寝そべるときはこのようなスタイルが多い(2020.1.9 撮影)

床に寝そべる(2020.1.18 撮影)

床に寝そべる(2020.1.1 ストロボ撮影)

 11月中は、我々はガラスショップの仕事があったので、朝ケージに入れて、夕方帰ってきたらケージから出すという生活であったが、12月になってからはショップが冬期休業期間に入ったので、ケージに入れるのは夜だけで、あとは家の中を自由に歩き回っている。預りものなので、万が一を考えると外に出すことはできない。

 私自身は、これまでに犬を飼ったことはあったが、ネコを飼った経験がなかったので結構戸惑うことが多い。先ずネコには表情というものがほとんど無くて、何を考えているのか全く判らない。しかし、妻は長年の経験で分かるらしく、あれこれと教えてくれる。喜んでいるとか、ふてくされているとか、何かに失敗してバツの悪い様子だとか、餌を欲しがっているとか、ネコ用の砂の掃除をして欲しがっているとかである。

 すでにブリーダーの下で排泄のしつけができていたので、♂ネコ特有というスプレーもしないし、その点では全く心配がいらない。ネコ用の砂の入ったトイレできちんと大小をしてくれる。問題は爪とぎで、柱や壁をガリカリとやってしまう。慌てて爪とぎ用の段ボール板をそれらの場所に貼り付けて教えているが、まだ完全に学習してはいない。

 爪とぎというのは、伸びてきた爪を削る動作かと思っていたのだが、段ボール板の下に落ちている半月状の爪のカケラに気が付いて妻に聞くと、ネコの爪は先から剥がれ落ちていくのだという、研ぐといってもすり減らすのではなくて、ポロポロと剥がれていくのだそうである。飼ったことがなかったので、そんな当たり前のことも知らなかった。どちらにしても、柱やドア、壁がぼろぼろになっては困るので、早く段ボールに馴れてもらいたいものである。

 先端に羽毛を房状につけたものや、ネズミの形をした猫じゃらしというものがあるが、遊んでやると必死になってこれを追いかける。また、ピンポン玉くらいの大きさのフェルト製のボールを妻が用意したので、これを投げてやると大喜びで追いかける。何度か繰り返すうちに、犬のようにこのボールを咥えて持ってくるようになった。もっと投げてほしいという催促のようである。ただ、スプリンターのネコは疲れやすいのか数回繰り返すとすぐにやめてしまう。

ボールを取りに行く(2019.12.22 撮影動画を編集)

ボールで遊ぶ(2020.2.1 撮影)

ボールで遊ぶ(2020.2.1 撮影)

 毎日こうしたことを繰り返していると、だんだん1日の日課が出来上がってくる。朝は私が起きて行って、ルクをケージから出してやり、餌を与え、水を取り替える。その後のネコ砂の掃除は妻が行ってくれる。日中は家の中をうろうろとしていたのであるが、ある時ルクがびっくりする行動に出た。

 我が家の中央部は吹き抜けになっていて、2階部分の周囲には手すりを付けているが、その手すりの隙間から外に出て、外側の狭い縁の部分をルクが歩き始めたのであった。この縁部分はネコの体がようやく乗ることができる程度の幅しかなく、ゆっくりとこの縁を歩き始めたのを下から見上げていて気が付いたので、この時は踏み外して落ちるのではないかと思いこちらが焦ってしまった。しかし、ルクはゆっくりと慎重に渡り切って反対側から出てきた。万が一のことを考えて下に大慌てでマットを敷いたりしたが杞憂であった。

2階の手すりの外側を歩く(2019.12.23 撮影)

 この遊びなのか冒険なのか判らない行動はその後も続き、毎日のように繰り返している。表情がなくて解らないが、なんだか得意げで、我々に「こんなこともできるよ」と言わんばかりに見せているような気がする。一度後脚を踏み外して、危うく片方の前あしの爪先でぶら下がるということがあったが、墜落せず這いあがった。爪とぎをしているネコの爪は非常に鋭いが、こうした時に役立っているようである。

2階の手すりの外側を歩く(2020.1.1 撮影)

2階の手すりの外側を歩く(2020.2.1 撮影)

 ところが、ネコも木から落ちるということわざはないが、すっかり慣れてきた2月下旬になって、ついに続けざまに二度も落ちてしまった。一度は目の前から消えていき、下に落ちたところを見ることはできなかったが、二度目は2階の反対側にいたので、落下する様子をすべて目撃した。ストンと脚から玄関マットの上に落ちて、恥ずかしいのかそのまま走り去った。さすがにしばらくは落ち込んでいるように見えた。

 話は12月下旬に戻るが、この頃から私の行く先々に付きまとうようになって、トイレに行き出て来るとドアの前に座っていたり、風呂に入っているとドアの外でじっと座って待っていたりするようになった。妻にストーカー・ルクと呼ばれていた。こうした行動も最近は少なくなってきた。

浴室の外で待つ(2019.12.26 撮影)

 冬の間、胡蝶蘭の鉢を室内に取り入れてあって、ちょうど花が咲いている鉢もあるが、この花なのか葉なのか、匂いが好きなようで、しばしば鉢のそばに行ってじっと座り込んだり、匂いを嗅いだりしている。

胡蝶蘭の鉢のそばに座る(2019.11.11 撮影)

胡蝶蘭の鉢の匂いをかぐ(2019.12.31 撮影)

 1月になり窓際の棚に座って長い間外を眺めるようになった。窓の外のモミジの大木には、すぐ下の方に野鳥のための餌台があり、よく小鳥がやって来ては枝先に止まっている。これを眺めるのが好きなようである。窓からは隣接地の別荘の森も見えるので、故郷の森林を見たいというようにDNAが教えているのかもしれないと思ったりもする。外に出してやれるといいのだろうが、やはり何かあってはと思い、もっぱら窓から眺めるだけにしてもらっている。

窓の外を飽かず眺めている(2020.1.15 撮影)

雪景色を眺める(2020.1.28 撮影)

朝散歩から帰ってくると窓からこちらを見ていた(2020.2.29 撮影)

 年末年始の休暇で、娘がルクに会いにやってきたが、ちょうどその日に雪が降った。この時は特別にハーネスを付けて初めて娘が雪の上を歩かせた。こわごわで慎重な様子だが、しばらく雪の上の散歩を楽しんだようであった。

ハーネスを付けて準備完了(2019.12.28 撮影)

隣地に降った雪の上を歩く(2019.12.28 撮影)

 ルクの世話をするようになって、ネコ好きの気持ちに火が付いたのか、妻は毎日のようにPCで「保護ネコ」のサイトを検索している。実に数多くの多種多様のネコが新たな飼い主を待っていることが知れる。それらの中には、ルクによく似た真っ白な長毛種もいれば、以前我が家に来ていたシャア似の茶トラ模様の日本ネコもいる。様々な理由で保護されたネコたちであるが、こうした現状を見ると、ネコ好きの人たちが多数のネコを飼って、自宅がネコ屋敷化するのも判るような気がする。

 当初の予定を大幅に超えることになったが、4か月我々と共に生活をしたルクも、娘の引っ越しが済んで受け入れ準備も完了したので、東京に戻る日が迫ってきた。だんだんその日が近くなるに従い、何か感じるところがあるのか、ルクは我々に以前より甘えるようになった。夜になり、それまでのようにケージに入れると、鳴いたり、トイレの砂をかき混ぜる音をさせたりして妻を呼ぶようになった。仕方なく最後の数日間はルクを夜の間も外に出しておくことにした。

 当初娘は新幹線を利用して迎えにきて連れ帰ると言っていたが、持ち帰る荷物の量や、このところの新型コロナウィルス騒動を考え、私たちが車で送り届けることにした。車での長時間の移動にはやや気を遣ったが、心配したようなことも起きず、無事送り届けることができた。

 こうしてネコを身近に見てきたが文句なしに可愛い。しばらくは2人ともルクロス状態が続きそうである。以下、ルクの思い出のポートレイトである。

ルク(2019.12.23 撮影)
ルク(2019.12.28 撮影)
ルク(2019.12.31 撮影)
ルク(2020.1.12 撮影)
ルク(2020.1.12 撮影)

 




コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする