軽井沢からの通信ときどき3D

移住して10年目に入りました、ここでの生活と自然を写真と動画で発信しています

ウインターフェスティバルと氷彫フェスティバル

2024-02-02 00:00:00 | 日記
 軽井沢町では、昨年11月25日からウインターフェスティバル2024が開催されていて、最終日の今年2月29日までの間、様々なイベントが催されているところである。

 期間中、町内各所でイルミネーション装飾が行われる他、白糸の滝ではライトアップが行われている(2月12日まで)。スポーツでは、少年アイスホッケー大会(12月9日、10日)やスケート競技会(12月24日、1月20日、21日)がすでに開催されており、今後オープンカーリング大会(2月17日、18日)も予定されている。

 大賀ホールでは12月17日にクリスマスコンサートが行われた。

 
軽井沢ウインターフェスティバル2024のパンフレット表紙

 そうした中、松本市では氷彫フェスティバル2024が行われることをTVニュースで知り、写真撮影も兼ねて出かけてきた。軽井沢でも、かつては氷彫刻国際展が行われていたと聞くが、いつの間にか中止されているので、少し離れているが久々に松本城を見たかったこともあり出かけたのであった。

 軽井沢から松本まで行くには、上信越自動車道・長野自動車道を経由するルートと、国道18号と254号を通るルートがあるが、所要時間はそれぞれ1時間51分と1時間53分であり大差がない。一方キロ数ではそれぞれ112㎞と74㎞ということなので、迷うことなく一般道を通るルートを選択した。

 このルートは、軽井沢と松本とを、ほぼ最短距離で結ぶもので、三才山トンネルが無料開放されたこともあり、とても便利に使うことができるようになっている。また、冬の今の季節でも安心して通行できる。

 この氷彫フェスティバルは正式には国宝松本城氷彫フェスティバル2024となっていて、主に松本城公園内堀沿いに氷彫刻が展示されるが、他に松本市美術館、大手門枡形跡広場、中町蔵シック館、松本駅前広場にも展示される。松本市に入ってから、妻と私は松本城を目指し駐車場を探したが、城北側の駐車場は12時時点ですでに満車の赤い表示が出ていた。仕方なく、城の西側に回り込むと、幸いにもここに小さめの新しい駐車場があって、1台分だけ空きスペースがあり、停めることができた。


メインの会場となった松本城(2024.1.28 撮影)

 目指す氷彫刻は堀の南側に沿って配置されていた。今回は3D撮影が主目的であり、早速、全国氷彫コンクールチャンピオンシップ参加作品を松本城を背景に入れながら撮影していった。これらの作品は、氷彫師が夜を徹して午前5時までに制作したものというが、いずれも2mほどの高さのある立派なもので、次のようであった。
  


  
松本城と氷彫刻作品の3D写真 1/13・鶴〈夜明け〉(上:平行法、下:交差法 2024.1.28 撮影)
 



松本城と氷彫刻作品の3D写真 2/13・天下の大将軍(上:平行法、下:交差法 2024.1.28 撮影)



松本城と氷彫刻作品の3D写真 3/13・優美【銅賞】(上:平行法、下:交差法 2024.1.28 撮影)


松本城と氷彫刻作品の3D写真 4/13・闘鶏(上:平行法、下:交差法 2024.1.28 撮影)




松本城と氷彫刻作品の3D写真 5/13・天空(上:平行法、下:交差法 2024.1.28 撮影)




松本城と氷彫刻作品の3D写真 6/13・人魚姫と海の仲間達(上:平行法、下:交差法 2024.1.28 撮影)



松本城と氷彫刻作品の3D写真 7/13・深海のうたげ【金賞】(上:平行法、下:交差法 2024.1.28 撮影)




松本城と氷彫刻作品の3D写真 8/13・まだ見ぬ世界へ【銀賞】(上:平行法、下:交差法 2024.1.28 撮影)




松本城と氷彫刻作品の3D写真 9/13・その先へ(上:平行法、下:交差法 2024.1.28 撮影)




松本城と氷彫刻作品の3D写真 10/13・炎翔【特別賞】(上:平行法、下:交差法 2024.1.28 撮影)




松本城と氷彫刻作品の3D写真 11/13・アスクレピオスの杖(上:平行法、下:交差法 2024.1.28 撮影)




松本城と氷彫刻作品の3D写真 12/13・未来に向かって(上:平行法、下:交差法 2024.1.28 撮影)



松本城と氷彫刻作品の3D写真 13/13・ASTERISK(上:平行法、下:交差法 2024.1.28 撮影)

 作品中、No.2の「天下の大将軍」は軽井沢からの参加で、「軽井沢プリンス・万平ホテルチーム」によるものであった。 

 今年のテーマは「未来」「躍動」とされ、金賞に選ばれた作品「No.7 深海のうたげ」はクラゲを彫ったもので、たくさんの細い触手が見事に彫られているものであった。次に再掲する。


チャンピオンシップ金賞作品【深海のうたげ】(2024.1.28 撮影)

 夜間、完成後は赤や青にライトアップされ、プロジェクションマッピングで飾られた松本城と合わせ、さぞかし美しい光景が楽しめたものと思われるが、私たちは2時間ほど鑑賞・撮影の後、昼食をして帰宅した。期間中の松本の最低気温は氷点下6~7度台で、出場者は「良いコンディションだった」と話していたという。

 この祭りは、1980年頃に始まり、今回が37回目である。回数がやや合わないのは、途中で一旦終了が決まったり、コロナ禍で中止になったりしたことがあったためと思われるが詳しいことはわからない。

  ところで、軽井沢ではこの松本市の氷彫祭りに先立つこと十数年、昭和44(1969)年に軽井沢スケートセンターを会場に、第1回氷まつりを開催し、ここで氷像を制作し、人気コンクール投票を行っている。

 次の写真は第2回の軽井沢氷まつりのものであるが、大きな氷像が制作されていたことがわかる。観客数は第1回が3万5千人余、第2回が5万3千人余と記録されている(軽井沢町HP)。


第2回軽井沢氷まつり(幅 北光編「思い出のアルバム軽井沢」1979年 郷土出版発行より)

 この後も氷像制作は続けられ、昭和59(1984)年の開催時には、団体臨時列車「軽井沢氷まつり号」が上野ー軽井沢間に運行されている。

 翌、昭和60(1985 )年の第17回には「第1回氷彫刻」が開催され、第29回では軽井沢氷彫刻国際大会’97として国外13名・国内37名の氷彫刻家が参加、第30回には軽井沢氷彫刻国際大会’98として国外9か国35名・国内50名が参加するイベントに成長している。

 平成10-11(1998-1999)年に、「軽井沢氷まつり(第31回)」から現在まで続く「軽井沢ウィンターフェスティバル(第1回)」へ名称が変更されたが、氷彫刻大会は3本柱の1つとして継続され、平成14-15(2002-2003)年には「軽井沢氷彫刻(国際)大会」から「軽井沢氷彫刻国際展」に名称変更され、この年には町民有志による団体戦も行われた。

 ところが、平成19‐20(2007-2008)年の第10回では「氷彫刻国際展」の開催が見合わせられ、これ以降現在まで氷彫刻祭りも国際展も開催されていない。前年の第9回では、アメリカからナショナルアイスカービングアソシエーション会長のグレン・モトリー氏を招待し、海外選手アメリカ5名、ロシア2名、マレーシア2名、イタリア1名の参加で行われているので、休止には唐突な感じがする。

 理由は温暖化との説があるが、詳しくは判らない。実際、今回の松本城氷彫フェスティバル2024では、1月28日の1日限りの氷彫刻の展示であり、前夜から制作した氷彫刻は午後には一部溶けて崩れるものも出始めていたから、そうした可能性もあり得る話である。

 軽井沢は冬の寒さでは定評があるのだが、実際のところどのように気温が変化してきているのか、データを見ておこうと思う。

 次の図は気象庁のHPに記載されている軽井沢の1983年から2023年までの、10年ごとの年間の気温変化データである。




1983年から2023年までの軽井沢の気温(気象庁HPより) 

 このデータをもとに、8月、12月、1月、2月の10年ごとの平均気温の経年変化を図示すると次の様である。地球温暖化が叫ばれる中、確かに真夏の軽井沢の気温は上昇してきていると体感しているし、実際に8月の気温の上昇はデータからも読み取れるのであるが、冬季の気温はというと1983年から2023年までの40年間の変化は真夏ほどではなく、特に軽井沢で「氷彫刻国際展」の開催が見合わせられた2007年から2008年にかけての12月から2月の気温は、それ以前と比べて上昇は見られないと言えるのではないか。

 仮に温暖化が中止の主な理由でないとすれば、再び軽井沢ウインターフェスティバルで氷彫刻展が復活する可能性はあるのだろうか。期待したいところである。

1983年から2023年までの8月の軽井沢の気温(気象庁HPのデータから筆者作成)


1983年から2023年までの12月の軽井沢の気温(気象庁HPのデータから筆者作成)


1983年から2023年までの1月の軽井沢の気温(気象庁HPのデータから筆者作成)

 
1983年から2023年までの2月の軽井沢の気温(気象庁HPのデータから筆者作成) 

 
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