まさおさまの 何でも倫理学

日々のささいなことから世界平和まで、何でも倫理学的に語ってしまいます。

本 de てつがくカフェ 『犠牲のシステム 福島・沖縄』

2013-05-17 17:36:00 | グローバル・エシックス
明日は、第5回 「本 de てつがくカフェ」サイトウ洋食店で開催されます。

これまでは毎回マンガや小説などストーリーのあるものを取り上げてきましたが、

今回は初めて哲学書、倫理学書と呼ぶべき本を課題図書といたしました。

高橋哲哉 『犠牲のシステム 福島・沖縄』 です。

高橋哲哉氏は言わずと知れた福島高校出身の哲学者です。

福島第一原発事故が発生するやただちにこの書の執筆に取りかかり、

2012年のはじめにはもうこの本は刊行されていました。

私などは震災と原発事故のショックから思考停止状態に陥り、

長らくこの問題について考えることを拒否しているようなところがありましたし、

ようやく重い腰を上げてこの問題に取り組むようになってみても、

問題のあまりの大きさにどこから手をつけていいかわからないといった状態でした。

その巨大な問題に対して異例の早さで哲学的・倫理学的分析を加えてみせ、

しかもたんに原発事故の問題にとどまらず、沖縄の問題とセットで論じることによって、

日本が抱えている大きな闇を抉り出してみせたのが、この 『犠牲のシステム』 でした。

私も遅ればせながら、自分で捉えきれるカツカツの線を、昨年秋になってようやく、

「ポスト3.11 FUKUSHIMAからの提言」 という形でまとめ、

東北哲学会のシンポジウムで発表しましたが、

その議論の根幹的な部分はほとんどこの高橋氏の業績に依存しており、

今さらながらこの本が描出した問題の的確性に感嘆させられたものでした。

さて、そんな本を課題図書に迎えて開催される 「本 de てつがくカフェ」、

はたしてどんな議論が展開されるのでしょうか?

ぢゅんちゃんの采配が今から楽しみです。



先ほど当日用のポスターが完成しました。

ちっちゃくて見にくいかもしれませんが、

高橋氏の写真入りの帯が巻かれた集英社新書の画像の脇に、

フクイチとオスプレイを配してみました。

A1のサイズで見るとなかなかの出来映えですよ。

イベント終了後、懇親会が始まる前にただちに破棄される1回限りの芸術ですので、

ぜひ実物を見にサイトウ洋食店にお越しください。

いや、もちろんポスターなんかどうでもよくて、

ぜひこの名著をめぐって哲学的対話を交わしましょう。


第5回 「本 de てつがくカフェ」

課題図書 : 高橋哲哉 『犠牲のシステム 福島・沖縄』       

日 時 : 2013年5月18日 (土) 16:00~18:00

場 所 : サイトウ洋食店
            福島市栄町9-5 栄町 清水ビル2階・℡024-521-2342

費 用 : ドリンク代 300円 

参加申し込み :事前申し込みは必要ありません。直接会場へお越し下さい。

問い合わせ先 : fukushimacafe@mail.goo.ne.jp

てつがくカフェ@ふくしま世話人 小野原 雅夫 ・ 渡部 純 ・ 杉岡 伸也

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