まさおさまの 何でも倫理学

日々のささいなことから世界平和まで、何でも倫理学的に語ってしまいます。

奥会津金山町の川口高校で講演会

2015-06-23 17:33:20 | お仕事のオキテ
先週の木曜日、奥会津金山町の川口高校で講演をしてきました。
去年、エチカ福島の翌日におじゃましたところですね。
てつカフェ仲間の884さんが御指名で招いてくださいました。
当日は朝から雨模様でしたが、磐越自動車道を下りて国道252号線に入った頃には雨もやみ、
6年前に只見高校に行ったときと同じ、只見川沿岸の雄大な景色を眺めながらのドライブでした。
そういえばあの講演会も884さんが呼んでくれたのでした。

演題も同じく 「人はなぜ学び、なぜ働くのか?」。
今回は 「地域に貢献できる人づくりプロジェクト」 の一環としての講演会でしたが、
お聞きしたところ、実際に地元に残って就職する人はほとんどいないとのことでしたので、
地域の話はかするくらいで、一般論として人はなぜ学び、なぜ働くのかで行くことにしました。
このところ同テーマで話をしたときに、けっきょく結論 (というか問いの答え) は何なのだ、
という質問をいただくことが多かったので、結論をクリアにし、
特に前半のサルから人間への進化の話はできるだけ飛ばして、
人は、非遺伝的適応能力としての文化を後天的に身につけなければ生きていけないのだ、
だから勉強しなければいけないのだ、という点を強調して話したつもりでした。
自分としてはだいぶ話がわかりやすくなったんではないかなあと悦に入っていたのですが、
いつものように感想用紙で満足度をたずねてみると、残念ながら結果は3.97でした。
3.97といえば、福島三中で行ったメガ講演会の満足度と同じじゃないですか。
今回は高校だし、人数も120名ぐらいと適正だったし、全然暑かったわけでもないのに、
うーん、なぜだっ

今思い返してみて思い当たるところとしては、体育館でみんなイスに座っての講演会で、
しかし私は壇上には立たず、彼らと同じフロアに立って講演したので、
たった120名ほどであるにもかかわらず、話しているこちらから、
うしろのほうの生徒さんたちの顔を見ることができませんでした。
こちらから見えないということは生徒の皆さんからも私の顔が見えていなかったはずで、
プロの講師の方から、話者の顔が見えないと聞いてるほうは話に入っていけない、
という注意を受けたことがあったので、ひょっとするとそのせいだったのかもしれません。
話している段階で、うしろのほうの人たちの顔が見えないなあと気づいたのだから、
そのときに何か対処すべきだったのかもしれません。
うーん、難しいなあ。

ただ、私としては話しているときはけっこう楽しく、気分よく話していました。
生徒の皆さんの反応がよかったからで、
それを反映するかのように講演終了後に4つも質問を受けてしまいました。
今まであちこちで講演をしてきましたが、こんなに質問をいただいたのは初めてです。
たぶん川口高校の生徒さんたちには批判精神がちゃんと育っていて、
ただ人の話をありがたがって聞くだけでなく、それを自分なりに捉え返し、
いいものはいい、ダメなものはダメ、わからないことはわからないと、素直にはっきり思えるし、
口に出して聞けるし、主体的に批判できる力が身に付いているのかもしれません。
そういう意味での3.97だったのだとするならば、
とても意味のある低評価だったとも受け止めることができるでしょう。
感想用紙にもびっしりといろいろ書いてくれている人がけっこういました。


●学びに対する考え方が変わりました。これからも学びを通して生きる力を身に付けたいです。

●聞いていてとてもおもしろいなって思った。授業とか受けてみたいなとか思えたが、サイトで見た方が早いからそっちにしようと思いました。

●高校に入って勉強ができるようになったので、この講演会でもっともっと頑張ってみようと思えました。本能に関するところが印象に残りました。本を買って読んでみたいと思いました。

●普通だと思いましたが、文化や本能など言葉の使い方や考え方を教えていただいて納得しました。もう少し、息継ぎして話してほしいです。

●倫理を学ぶために、人類の初めから考え、仮説をつくるところの話がおもしろかったです。私も今、倫理を学んでいますが、授業とつながってくる部分もあり、深く学ぶことができました。文化を吸収し、社会に役立てて先生の言う ”かっこいい大人” になれるよう、今を過ごしたいと思いました。

●今まで自分だけではなかなか答えの出ない、”人はなぜ学ぶのか” という題目について、今回の講演で様々な考えをめぐらせることができました。”文化=生きる力” や、”有り難い” など、印象に残った言葉は多くありましたが、強いて言うならば、”恵まれた者の義務 (ノーブレス・オブリージュ)” という言葉が一番印象に残りました。せっかく学べる環境に生まれることができたのに、それを生かせずにいるのは勿体ないことだと思うので、”義務” の果たせる人になれるように、学んでいきたいと思います。とても面白い講演でした。有り難うございました。

●答えがない世界で生きていけなければならないのだと感じた。でも答えがないからこそ、色々な発想、発見を見つけ出せるのではないか思った。しかし、必ずそれが成功するとは限らない、へたをすれば死を招く事だって十分に有りえると思う。それでもなにかする、もしくは文化をつくっていく人はすごいと思う。でもそれをする人も結局は何かしらプロセス (学び) をしてきたのではないかと思うから、イヤなものであっても、最終的に学ばなければならないと思い、考えた。

●講演の中で、「人間は本能の壊れた動物」 という言葉が強く印象に残っています。本能を頼りに生きていけない人間は、そのために人生で沢山なやみ、苦しみ、悲しんでいくことになるのかなと思いました。人間の生活には全てにおいて 「当たり前」 ではない。本能の替わりに文化を頼りに生きているからこそ、「生きている目的」、「働く意味」、「学ぶ意味」 が分からなくなることがあるんだと感じました。そう考えると、他の動物は感情がないのかなと思いました。人間は本能ではなく感情で生きています。文化をつくり、その中でいろいろなことを感じながら生きています。本能にたよって生きている動物は苦しみも悲しみも幸せも…自然界にはない 「文化」 なのかなと思いました。そして、人間はなんのために学ぶのか、それは、人の作った 「文化」 の中で生きていくため、だから今、私たち学生は、「生きるための方法」 を学んでいるんだと思いました。人間は 「文化」 の中で生き、それを身に付けて、伝えて、生きていく。だから勉強もする。学校に行く。そして、生きるために 「文化」 でできた 「社会」 に出る…。人間の毎日に、今日の話を聞いて理解できた気がします。これから、誰かのために自分の身に付けた 「文化」 で力になれるような生き方を目指していきたいと思えました。

●話してることは、「そうだなぁー!」 と思えることが多くて、「そうなんだ!」 と思うことがありましたが、なんかもっとひきこまれるように話してくれたらねないで聞けたと思います! でも目の前でねててすいませんでした! ほかの話を聞きたいと思いました。いろんな人に質問をしながら話したほうがみんなもねないで聞いてくれると思います! 国語の時間に1分間スピーチというのがあるのですが、みんなの前で話すのは大変なのはわかりますが、みんなをまきこんで、自分の考えだけをずばずば言うよりは話を聞いてもらえますし、みんなが考えてくれると思います。また川口高校に来て話を聞かせてほしいと思います! ありがとうございました。(^^)!!!


ねっ、すごいでしょう。
最後は完全に人前での話し方についてアドバイスもらってしまいました。
また来て別の話題で話してもいいよとお誘いいただきましたので、
ぜひイチから出直して人前での話し方の文化を学び直して再挑戦したいと思います。
感想用紙に質問を書いてくれた人も何人かいらっしゃいました。
そのうちお答えできたらと思います。

講演会後は884さんが泊まりがけで打ち上げの会を準備してくださっていました。
それまで時間があったので、金山町から三島町まで少し戻り、
先生方オススメの 「つるの湯」 に行って、五十肩の湯治をしてまいりました。



雄大な只見川の流れを見ながらの露天風呂はサイコーでした。



懇親会場は去年泊まった民宿 「朝日屋」 さんです。



豪勢なしゃぶしゃぶ鍋つきのコース料理をいただきながらの宴会でした。



校長先生やら教頭先生まで参加してくださって、
学校全体が一丸となって教育に取り組んでいる姿勢がひしひしと伝わってきました。
校長先生は何年か前まで福島東高校にいらっしゃったとのことで、
私の盟友である故加藤国彦先生や、彼の仲間であったF先生やO先生のこともよくご存知で、
いつまでも話は盛り上がりました。
川口高校の生徒の皆さん、教員の皆さん、とても素晴らしい学びの時間をありがとうございました。
I Shall Be Back!


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