暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

清風の茶事へ招かれて・・梅雨の合間に  (その2)

2016年06月20日 | 茶事・茶会(2015年~他会記録)
                          
                                蛍袋  (季節の花300)
(つづき)

点前座は、真塗長板に切掛け風炉と、渦文のある青白磁の六角水指の設えでした。
水指の渦文が長板に映って、一瞬、水が流れているような涼やかな錯覚が・・・。
初炭になり、拝見の香合を古袱紗に乗せ、持ち帰りました。
「きっとご自作でしょうね。外の切箔の文様も雅ですが、中の金箔が豪華ですね」と次客さん。
細身の瓢を乾燥させ、種を取り、胴を切り、漆を重ね、文様を描き・・・10年近く掛けてゆっくり完成させたそうです。
お話を伺って、大事に扱ってヨカッタ!・・・胸をなでおろしました。

主菓子「紫陽花」(とらや製)を頂いて、中立しました。
再び外腰掛に4人で座っていると、林床の緑の中に白い蛍袋が点在して咲いています。
その風情に見惚れていると、さぁ~っと爽やかな清風が吹き抜けていきました。

                          

後座の席へ入ると、
丁子、花筏、蛍袋、未央柳、破れ傘、捻り花などが飴色の掛け花篭に生けられていました。
茶花は御主人の担当で、種から丹精込めて育てているとか(いいなぁ~・・・)。
その花を愛でながら、香りよき濃茶・長松の昔(柳桜園)を黒楽茶碗(大樋年朗作)で美味しく頂戴しました。
続いて薄茶となり、愉しく語らいながら、それぞれ異なる茶碗で二服ずつ頂きました。
私に選んでくださった茶碗は、青、群青、海鼠、茶などのコンプレックス、現代作家さん(名前が・・?)の作品でした。
二服目は、YさんとFさんが代わって点前し、Tさんも輪に入って薄茶を楽しんで頂きました。

お道具ですが、どれもTさんのお目に叶ったステキな御品、伺うと思い出が詰まった宝物でした。
是非またそれらと再会したいので、茶杓のことだけ書いておきます。
ご自作ですが、とても趣のある茶杓で銘が「無事」。
昨今、この銘が心に響くようになりました。
体調不良でドタキャンの恐れがあったのですが、五葉会のお仲間と集えたことが嬉しく、
「無事」にお茶をやっている喜びを皆で噛みしめたのでした。

                          

最後に宿題が・・・茶事の前に次のようなメールを頂いたのです。
 
   さてご案内ですが、少し古い重硯を10客手に入れました。なかなか硯は無いのです。
   以前の桑とは違いますので、使いたくなりまして、皆様にはご迷惑かと思いますが、
   最後に短冊に、何でもしたためて頂きたいなーと思っております。   Tより


・・・山水、松、梅など雅な蒔絵が描かれた重硯がまわされ、墨をすり、筆を取り、
短冊に思い思いに書きましてございます(なんとか和歌を絞り出しました・・・)。

    よひら咲く梅雨の合間のひと休み
           古雅の硯に心合わせて      暁庵


                             

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