暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

謹賀新年 2015年元旦

2015年01月01日 | 京暮らし 日常編
                 伏見稲荷大社へ初詣 2015年元旦


明けまして おめでとうございます


幸多き初春をお迎えのことと お慶び申し上げます


今年1月末で京都暮らしに別れを告げ 横浜へ戻ります

戻りましたら 先ずは 居心地の良い「終の棲家」づくりに取り組む所存です

お茶の世界も新しい展開が待っていそうで 楽しみにしています


京都在中はいろいろお世話になり 誠にありがとうございました

本年も変わらぬお付き合いのほど 宜しくお願い致します

            2015年 元旦   暁庵     


   

追伸)
伏見稲荷へ今年も4人で初詣に出かけました。
往きは青空だったのに 稲荷山で雪がチラつきだし 帰りは吹雪のようでした。
まだ雪が降り続いています。17時で積雪10センチ位、大雪になりそう・・・。
みなさまの処はいかがでしょうか?     


            



御室八十八カ所巡り

2014年10月21日 | 京暮らし 日常編
  
時々、大学時代の友人K氏と京都近郊のハイキングへ出かけます。

9月の貴船神社~鞍馬寺に続いて、10月15日に「御室八十八カ所」巡りへ
K氏夫妻と4人で繰り出しました。
台風18号と19号のため2度中止になり、3度目でやっと快晴に恵まれました。
その日のスケジュールはK氏とまり子夫人にすべてお任せして・・・。

「御室八十八カ所」は御室(おむろ)仁和寺の裏山にあります。

180年前、仁和寺門跡・済仁法親王は久住遠江守に四国八十八カ所を巡拝させ、
各霊場の本堂下の御砂を持ち帰らせ、「諸願成就」より成就山と名付けて
「御室八十八カ所」の霊場をひらきました。
所用時間2時間で手軽に参拝できるので、信仰と体力づくりを兼ねて、
今も人気のコースです。

         

仁和寺の境内を通り西門を抜けると、「お山めぐり」のスタート、第一番霊山寺です。
賽銭の小銭を用意しておくように云われていたので
1ヶ月かけてコイン(1円、5円、10円)を貯めました。
それでも金額も数も足りませんでしたが、各霊場を心をこめてお詣りしました。

私たちにとって、あの辛くもあり、楽しくもあった「四国八十八カ所遍路」
まざまざと思い出させる懐かしい場所でした。
それで、一緒に行ったわけではないけれど、いろいろな思い出を語り合いながら
霊場巡りをしました。

          

          

驚いたのは、各霊場のお堂が立派だったことです。
コースもアップダウンがあって変化に富み、鬱蒼とした四国の遍路道を彷彿させる
趣きがありました。
「この先で展望が開ける場所があるので休憩します」
休憩場所により、東山や京都市内、6月に登った愛宕山、双ヶ丘(ならびがおか、古墳群)が見えて、一息つきながらそれぞれの景色を楽しみました。


               中央に仁和寺、右上が双ヶ丘(ならびがおか)

四十八番西林寺が「成就山頂上(236M)」、これから下りです。
さらに進むと五十三番西明寺は岩の上にあり、なんと鎖場まであります。
御堂の右側の狭い道が次への遍路道でした。

             
             鎖場を登って五十三番へ

最後の方はコースが複雑で、右往左往したり、バックありでしたが、
無事、八十八番「結願所・大窪寺」へ到着。
ここには茶所と書かれたお接待所もあります。

             
                   「結願所」へ着きました

10時にK氏宅を出発して、12時30分頃に戻り、13時予約のステーキ屋さんへ。
古風な町家ですが、奥に庭が見える5名ほど座れるカウンター席があり、
私のお気に入りの場所です。
店主に焼いてもらうステーキの匂いと味をじっくり楽しみ、4人で頬張りました。

「御室八十八カ所巡り」の御利益はまだ続きました・・・。
K氏宅で一休みした後、「天山の湯」という温泉(スーパー銭湯?)へ。
こちらで約1時間半、いろいろな湯舟を巡って汗を流し、気分爽快です。
帰りは、まり子夫人お手製の焼豚、ロールケーキ、栗饅のお土産と共に
車で家まで送って頂きました。

K氏夫妻の厚いお接待にもう~感謝いっぱいです。
「またハイキングクへ行こうね! 今日はありがとう・・・」

                               
                           

大文字山ハイキングへ飛び出す

2014年09月28日 | 京暮らし 日常編
               大文字火床からの大パノラマ

9月半ばを過ぎて、雨も落ち着き、秋晴れの日が続きました。
気持のよい風が吹くと、家から飛び出したくなります。

9月某日、大文字山(465m)へ登りました。
途中のスーパーでおにぎりやおかずを買って、気楽に出かけます。

              
                  銀閣寺近くの哲学の道

銀閣寺口からゆっくり登って約1時間、大文字送り火の火床へ到着。
火床からの雄大な景色が素晴らしく、汗して登る甲斐があります。
京都市街はもちろんのこと、大阪の高僧ビル群やアベノハルカスまでが
見渡せる絶景ポイントです。
ここでゆっくり休憩して、山に囲まれた京都の地形、五山の送り火の山、
グリーンベルト(御所、下鴨神社、植物園、上賀茂神社)などを確認します



ススキが揺れる火床を通過し、20分ほど登ると山頂へ着きました。
山頂からは山科方面の展望がひらけ、火床からの眺めとは違いますが、
景色を楽しみながら木陰のベンチで昼食です。
野外で食べるおにぎりの美味しいこと!(このためのハイクかも?)

             

平日ですが、常連さん、一人旅の若者、私たちみたいな老夫婦、観光客など、
多彩な人たちがお弁当をひろげています。
誰が置いたのでしょうか、温度計が20℃をさしていました。

下山ルートはたくさんありますが、
台風や大雨のせいで道が荒れているのが気がかりです。
木肌がむき出しになっている樹木も多く、鹿の食害が見受けられます。
この日は最短ルートを選び、俊寛僧都ゆかりの鹿ケ谷山荘跡や
桜門の滝を通って霊鑑寺へ下りました。
出発から帰宅まで、昼食・休憩を入れて約4時間の行程でした。

(ルート)
自宅~徒歩1時間~銀閣寺~登り50分~大文字火床(休憩)~登り20分~
大文字山山頂(昼食)~下り30分~霊鑑寺~徒歩40分~自宅

              
              鹿ケ谷山荘跡近くの桜門の滝

汗をたっぷりかいたので、帰りに喫茶店「ライミン」で抹茶ミルク金時を、
「名残りのかき氷ね」と言い訳しながら・・・これが超美味しいの!

京都観光の半日は大文字ハイキングがお勧めです。


石峰寺と伊藤若冲

2014年09月13日 | 京暮らし 日常編

       われもまた落葉のうえに寝ころびて
            羅漢の群に入りぬべきかな    吉井 勇

9月6日、TYさんに誘われて、石峰寺(せきほうじ)を訪ねました。

石峰寺は、江戸時代中期の画家・伊藤若冲(1716-1800)が晩年草庵を
むすんだ寺で、裏山に下絵を描いたという五百羅漢と若冲の墓があります。
禅境を好んだという若冲は、寛政12年9月10日に85歳の生涯を閉じました。
9月10日の若冲忌に合わせ、石峰寺所蔵の絵が特別展示されていたのです。

            

京阪「深草」駅から約5分、伏見街道から少し逸れた山側に
百丈山石峰寺はありました。
汗をぬぐいながら少し上ると、眼下に伏見や鳥羽の街並みが広がります。
山門にある扁額が読めず、お尋ねすると、「高着眼」とあり、
黄檗宗・禅道場として建立された寺なので、山門をくぐる心得を示したとか。

              
                    野趣豊かな石峰寺境内

絵の展示は約10枚、全て水墨画です。
鶏画が3枚あり、記された年齢が違いますが、しっかりとした筆の運びで、
水墨画を勉強中の主人を連れて来れば・・・と思いました。
毎年、同じテーマで正月に描いたのでしょうか、
最後の時まで絵筆をにぎっていた若冲の姿が浮かんでくるようです。

鶏の他にも大津絵の藤娘、意味不明の禅画、寒山拾得図などがあり、
なかでも最小限の筆で書かれたような、素朴な寒山拾得図と大幻賛の漢詩が
若冲の胸中をあらわしているようで、心に響きました。

     寒山巌畔居
     猶有空花落
     三子倦掃除
     坐来雲寂寞

 (読み下し)
     寒山巌畔居  猶 空花(くうげ)の落つる有り
     三子掃除に倦み  坐し来たれば雲寂寞(せきばく) 
   
 (訳・・・石峰寺パンフより)
     寒山の隠棲する巌のほとりにあっても猶、花が咲いては落ちるように
     すべてのものが移ろっていく。
     寒山拾得と豊干禅師の三人は掃除にも疲れて、座り込んでしまえば
     空の雲も寂しく流れていく。

             
                     石峰寺本堂

             
                  

本堂と若冲の墓にお詣りし、裏山へ。

裏山の五百羅漢は風化がすすみ、当初より数も少なっていますが、
仏世の霊境をこの世に表したいと若冲が願った通り、今なお健在で、
釈迦誕生から涅槃にいたる過程や、天上の霊界が菩薩や羅漢を配置して
具現されています。

五百羅漢の趣きや表情は今まで見たどの五百羅漢より親しみと柔かさがあり、
朽ち果てていく石仏はこの世の条理を語っているようでもあります。
思わず亡き母の面影を探していたら・・・
一体、それらしき羅漢と逢えて、嬉しく安堵しました・・・

もう一つ、最近発見された(?)、マリア観音を刻んだ切支丹墓があり、
興味を惹きました。
こちらは写真を掲載しておきます(画と五百羅漢は撮影禁止)。

             
            マリア観音を刻んだ切支丹墓

春・八重桜の頃と若冲忌に行われる「特別展」の時がお勧めです。

   石峰寺  京都市伏見区深草石峰寺山町26             


     

名峰大山 風と霧と -2

2014年08月10日 | 京暮らし 日常編
             頂上近くのお花畑・・・ウソのように風が凪いで
(つづき)
六合目まで登る途中で、下山してくる登山者とすれ違いましたが、
ほとんどの方が八合目で、強風と霧のために登頂をあきらめたそうです。

その中に、山頂まで登ったという夫婦がいました。
同年代のよしみでしょうか、
「突風がきたら身体を斜めにしてやりすごしなさい
 ・・・そうすれば、なんとか行けるものですよ」とエールを頂きました。

息子に先へ行ってもらい、頂上避難小屋で待ってもらうことに・・・。
六合目から八合目は、段差がきつく一番険しい登りでした。
喘ぎながら一歩一歩登って行くと、
シモツケ草、アザミ、フウロ、エーデルワイスに似た花が咲いていて、
目を楽しませてくれますが、写真を撮る余裕などありません。

           

八合目に着くと、そこは別世界でした。
話に聞いた通り、蟻地獄のようなすり鉢形のガレ場があり、
端に木道があるのですが、ロープが無く、突風と深い霧の海でした。

何人もの登山者がここで引き返していきました。
私たちもためらいましたが、息子が頂上で待っているはずです。
「行こう!」
「行きましょう!」
身体を低くして風の抵抗を少なくし、一歩を踏み出しました。
ロープのあるところまで辿りつき、そこからはロープを手繰りながら進みます。

          

風と霧と・・・数メートル先しか見えません。
厳しい自然の真っただ中に身を置いているのですが、
なにか映画のシーンのような、幻想的で、こんな体験は初めて!

後に続く人も、すれ違う人も無く、風の音が何かを試すように聞こえます。
何度も立ち止まり、身体を斜めにして突風をやり過ごしながら進みました。         

その時、先に行く主人が誰かと話しているようです。
下山してきた息子でした。
「ここまで登って来たのなら、絶対山頂まで行くべきだよ!
 六合目で待っているから・・・ガンバッテ」
そのエールで、またまた勇気と元気をもらいました。

           
                    「天国の道」

不思議なことに、ダイセンキャラボク(特別天然記念物)におおわれた木道は
ウソのように風が凪いでいて、クガイソウや小紫陽花が咲き乱れています。
霧の中に木道が天国を目指すように上へ続いていて
私たちだけがそこに居ました。
一瞬、二人で天国を目指しているような気がしました。
「ねぇ~!「天国の道」みたいね・・・サロマ湖のワッカみたい

「このまま天国の道が続くのかしら?」
と思ったら、また突風と霧がひどくなりました。
頂上避難小屋の前を通り、すぐに大山山頂(1709m)に着きました。

「バンザァーイ!」
麓の阿弥陀堂であきらめかけたのがウソのよう・・・、
山頂まで押し上げてくれた、同行の2人に感謝です。

           
                   大山山頂の碑


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