暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

廻り花之式

2022年03月31日 | 暁庵の裏千家茶道教室

        「七事式偈」 (両忘庵拙斎和尚の御筆です)

 

令和4年3月24日(日)に弥生の花月の会をしました。

廻り炭之式、廻り花之式、平花月の順で、Iさん、Kさん、Tさん、NYさん、KTさんが参加しました。

お軸は「七事式偈」、両忘庵拙斎和尚の御筆です。

廻り炭の偈は「端的底看贄」(たんてき ていに にえをみよ)

廻り花の偈は「色即是空凝思量即背」(しきそくぜくう しりょをこらせば すなわちそむく)

そして花月の偈は「互換機鋒看子細」(ごかんのきほう しさいにみよ)

 

それぞれの式の修練の指針を示唆しているのですが、いずれをとっても奥の深い偈で、七事式だけでなく人生の教えのように心に迫ってくるものがあります。

 

    (廻り炭之式・・・亭主が炭台を持ち出したところです)

 

百花繚乱の春になると花がたくさん集まるので、以前はよく花寄之式をしていました。

でも今は・・・・廻り花之式が心に叶うようになりました。

廻り花之式では亭主が花台を持ち出し、1つの花入に正客から順次花を入れていきます。

 

      (花台には持ち寄ってくださった花がいっぱいです)

正客Iさんが花台の花を選んでいます。初めての廻り花之式で迷っているようだったので、

「「七事式の偈」にあるように、あまりあれこれ考えずに選びなさい。花の方から話しかけてくれるかも・・・」と。

すると、さっと選んで萩焼の耳付花入へ生けてくださった花のなんと!ステキで瑞々しいこと!

 

   (馬酔木、伊予ミズキ、アケビ・・・Iさん))

せっかく正客Iさんが生けた花を次客Kさんが上げさせて頂き、次の花を生けました。

こちらも赤い椿が空間を引き締めて、息を呑むように新鮮です。

花が花入に生けられて皆で鑑賞するのはほんの数分ですが、その瞬間を皆で精一杯鑑賞し、花もそれに応えます・・・廻り花之式のなんとも素晴らしい時間です。

このはかなさ、その瞬間を生き切る花の崇高な美が皆の心を揺さぶりました。

 

        (赤い椿と利休梅?・・・Kさん)

      (クリスマスローズ(雪起こし)、椿・・・KTさん)

      (春蘭、伊予ミズキ、利休梅?・・・NYさん)

        (白椿、木瓜?・・・T氏) 

最後に亭主(東)が生け、正客から「どうぞお水を」の声が掛かり、水を注ぎました。 

 

廻り花之式が終わってから平花月を2回しました。

お菓子は空也の最中と、もう一つも最中でした・・・それで、各服点で全員が薄茶を飲めるようにしてもらいました。

4月の花月の会は、炭付花月、香付花月、平花月または濃茶付花月を予定しています。

 

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丘陵の白い花を訪ねて

2022年03月24日 | 暮らし

         (帷子川添いの柳)

 

我が街、横浜市旭区には帷子川が西から東へ流れています。

帷子川の両側には低い丘陵が連なり、3月になると丘陵のあちらこちらに白いかたまりを見ることが出来ます。辛夷(コブシ)や白木蓮の大木が花を咲かせているのです。

 

先ずは辛夷、高く聳え立つ大木が青空に向けて清楚な花を散りばめます。

それから白木蓮、花が大きいので真白な塊のように咲いて、遠くからでも目立ちます。

今年は一気に暖かくなったので辛夷と白木蓮がほぼ同時に咲いています。

 

   (辛夷と白木蓮が咲く秘密の花園・・・今はもうありません 

 

遠目の鑑賞も良し・・ですが、記憶をたどりながらいくつかの辛夷と白木蓮を急ぎ訪ねました。

急がないと白い花の美しさははかなく、あっという間に茶色になってしまうからです。

それに、花が咲いていないと、あの木が辛夷だとはなかなか気が付きませんし・・・。

 

      (辛夷の花が満開です)

 

散歩道の公園のバスケットコート横に見事な辛夷があります。

咲いていました! 丁度満開で、青空に向かってのびのびと花枝を伸ばしていました。

 

   (暖かくなってバスケットコートが賑わっています)

      (バスケットコート横の辛夷の大木)

 

桜のつぼみが一気に膨らんで、もう少しで咲きそうです。

「この先に見せたい紅しだれ桜がある」と言うので行ってみると、もう全身が紅く染まっていて、5輪以上の花が咲いていました。

「開花宣言だね」(1つの木に五輪咲いていたら開花宣言)とツレ。

散歩道の花があちらこちらで咲き出して、訪ねるのが楽しみな季節になりました。

 

 (開花宣言・・・紅しだれ桜  3月21日撮影)

 

21日にベランダの修理が終わりました。

ベランダを設計施工した木下庭園管理さんにお願いしたのでスムースに済みました。

それでも20年近く経っていたので、同じ材や金具は手に入らず、木下さんは調達が大変だったかも・・・。

ほぼ同じ時期にベランダ近くにあった物置を新しくしました。

ふたりの職人さんが次々いらして、久しぶりに職人さんへお茶出しをしました。

実はこのお茶出しが茶の湯のもてなしに通じるところがあって、暁庵は大好きなのです。

10時にイチゴ(練乳添え)とお煎餅と熱い緑茶をお出しし、庭木やベランダが茶事や茶会に役立っていることをお話しました。

3時には練切「桜の苑」と薄茶一服をお出しするつもりでしたが、2時に仕事が完了して帰ってしまい残念です・・・。

 

   (修理が終わったばかりのベランダ)

 

さぁ~!! ベランダ修理が終わったので、いよいよ「さくらの茶事」モードへ突入です。

抹茶や主菓子を注文しなくっちゃ。

それから、頭の中にある茶道具を茶席に並べてみて、取り合わせなどを確認してみましょう・・・。   

 

 


春の花いっぱい

2022年03月17日 | お茶と私

    (1日で満開になった白木蓮・・・・3月16日撮影)

 

散歩道の途中に野菜直売所(無人)があり、ときどき自宅の庭で咲いた花を売っています。

特に3月になると、いろいろな花が次々に登場します。

3月初めに早めの墓参りに行ったとき、ピンク色の馬酔木と赤い藪椿を買いました。

花がたっぷりついていて、墓前が一気に華やかになり、きっと墓の中の人たちも喜んでくれたことでしょう。

 

 

昨日(15日)野菜直売所の前を通ると、黄色い花房を見事につけた土佐ミズキの大枝がありました。ちょうどその家の方がいらしたので

「素敵ですね! 土佐ミズキと彼岸桜をもらいます」

すると、「もう1本の土佐ミズキも差し上げますので、どうぞお持ちください。前はよく華道をされる方がいたのですが、最近はいなくなりましたので・・・」

ありがたく、土佐ミズキ2本(1本はおまけで100円)、彼岸桜2束(1束はおまけで100円)、紫色のビオラ6鉢(200円)と一緒に頂きました。とても良心的なお値段でして・・しめて400円です。

早速、神奈川焼・三代井上良斎造の唐花文飾り壺に土佐ミズキと彼岸桜を生けてみました・・・が、とても大変でした。

枝が大きすぎて、花房も多すぎて、もうもう大格闘です。

大枝を切り、花房をどんどん減らしていって、でも枝が安定しないので彼岸桜を多く入れて根締めにしました。

 

  (土佐ミズキと彼岸桜を唐花文飾り壺に生けました)

 

3月5日にベランダでボヤ(失火)をおこしてしまい、10日ほど稽古をお休みしていました(これについてはもう少し時間が経って、ベランダ修理が完成したら書けるかも・・・)。

今日(16日)から稽古を再開し、N氏とKTさんがいらっしゃいました。それで、春の花いっぱいでお迎えできることが嬉しいです。

 

 

お軸は「柳緑 花紅」(紫野 寛道師の御筆)です。

釣釜で、KTさんは茶通箱、N氏は近々の茶事に備えて続き薄茶を稽古しました。

床のお軸と花、そして釣釜の風情はまさに春爛漫。亭主床なのでお点前する姿が美しく映え、稽古に没頭するお二人に大いに励まされ、元気をもらいました。

 

春の花いっぱいの茶室で

「さぁ~!私も自分の稽古をがんばりましょう」(影の声・・ゆっくりボツボツとね!

4月3日(日)の「さくらの茶事」まで2週間余になりました・・・

 

 


野紺菊の植え替えと株分け

2022年03月14日 | 暮らし

       (昨年11月に咲いた野紺菊です)

 

昨年11月に入った頃、野紺菊と嫁菜がそれはそれはきれいな群青色の花を咲かせました。

早速、写真に撮ったのですが、あの澄んだ紫色の花びらや清楚な佇まいはなかなか写真では表わせません。

野紺菊と嫁菜(その違いが今一つわからないのですが・・・)は、いつも仕覆や古帛紗をお願いしているNYさまから贈っていただいたものです

「野紺菊が咲きました」という報告のメールを差し上げ、野紺菊の増やし方を教えてもらいました。

 

 

 NYさまからのメール

暁庵さま、メールありがとうございます。

我が家もノコンギクがよく咲きました。

さて、株分けその他は以下のようにすればよろしいかと思います。

1)植替え:2月から3月の芽出し直前に植え替えます。

  よくふえてすぐに根詰まりを起こすので、鉢植えの場合は毎年植え替えます。

2)株分け:2月から3月の芽出し直前に行います。

  長い地下茎を半分か1/3ほどに切ってしまっても大丈夫です。

  古い親株には弱い芽しかないので切り捨てて整理すると、自然に株分けした形になります。

3)さし木:5月から6月に、よく伸びている新芽を切り取り、清潔な用土にさします。

4)切り戻し:枝を多くして花数をふやすために、5月から6月に1/3~1/2ほどを残して上部を切り取ります。

       あらかじめ春の間に油かすなどのチッ素肥料を施して、枝が出やすいようにしておきます。

それでは、沢山咲かせてくださいね。

 

    (ベランダには鉢がいっぱいです)

 

気温が20℃まで上がった今日(13日)、NYさまのメールを思い出しながら、根の回った野紺菊と嫁菜の植え替えと株分けをしました。

園芸用の土に鹿沼土を混ぜた鉢を4つ用意し、植え替えと株分けをしました。

小さな芽がいくつか出始めていて、植え替えに丁度好い時期でヨカッタ!

もう少し落ち着いたら、チッソ肥料をあげて日当たりの良い所へ移動します。

 

昨秋は、咲いた数本があまりにも美しくはかなげで、茶花に切ることが出来ませんでした・・・。

今年こそ、たくさん咲かせて茶花として生徒さんに見せたいし、NYさまみたいに苗を分けてあげれるように増やしたいものです。  

 

或る日のベランダの茶席です

  「ベランダで一服差し上げます」・・円座が2つあるのでお客さまは2人かしら?)

 

 


「体験初炭」の稽古

2022年03月12日 | 暁庵の裏千家茶道教室

   (散歩道・・・矢指谷戸の菜の花畑 (横浜市旭区))

 

昨年11月から炉の季節に「体験初炭」の稽古を始めました。

トップバッターはM氏。口切の茶事の亭主だったので、炉の準備中に「体験初炭」をしてもらいました。

毎回炭を使うので、稽古が終わったら炉中に残った炭を十能に取って火消し壺へ入れます(ただし、釜を乾かすのに必要な火種は残しておきます)。それから、湯を開けた釜を再び掛けて、釜を乾かしておきます。

 

     (矢指谷戸・・・日陰に雪が残っています。2月撮影)

 

さて数日後、「体験初炭」はここから始まります。

先ず釜を水屋へ引き、炉縁をはずし、炉の四方に新聞紙を敷きます(どうしても灰が舞うので)。

灰器と灰匙を持ち出し、炉中にある炭の残り、黒ずんでいる灰、枝炭の白片を灰匙ですくって灰器へ入れます。

特に枝炭の小さな白い破片がたくさん混じっているので、頑張って出来るだけ取ってもらいます。それから、火床の高さを決め、火床を整え、四隅を掻き上げ、小山をつくり、筆を使ってきれいに仕上げます。

「先生、これはきりがないし、はまりますね・・・」とM氏。

「そうなの・・・。これで良しというところまでその方まかせですけど、けっこう没頭する(はまる)でしょう。茶事でお客さまをお迎えするための心を整える、とても良い時間だと思うの」と私。

・・・それから下火(丸ぎっちょ3本)を置き、釜に湯水を入れて掛けます(茶事の時は濡れ釜にします)。

 

        (矢指谷戸のカヤ場)

 

1月に「初春の茶事」で訪れた和楽庵での一コマを思い出しました。

初座の席入りの時、ご亭主が釜を掛け忘れてくださったおかげで、なかなか見れない炉中の様子を見ることが叶いました。

美しく見事に調えられた灰、黒っぽい湿し灰の景色が緊張感を高めます。灰はフラットに均されていて四隅が隅切りされていました。火床の中央に細い炭が3本入れられて、小堀遠州流の炉中を堪能できた貴重なひと時でした。

席入りでこのような機会はめったにありませんが、裏千家流では炉の初炭の時に正客から順に炉辺へ寄って、炉中の様子を拝見することが出来ます。

「体験初炭」を実践すると、炉中の見方が変わると思いますし、ご亭主の茶事への心意気を感じる機会にもなると思うのです。

「先生、炉中の拝見の時、湿し灰の撒き方や炭の継ぎ方ばかり気になっていました。でも、炉中の灰の整え方を教わってからは見方が違うようになりました

それを伺って「体験初炭」をしてヨカッタ!と思いながら、まだまだ稽古は続きそうです 

 

  (わが街並み・・・道路の突き当りに横浜ランドマークタワーが見えます)

 

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