暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

水無月の五葉会 in 2018

2018年06月17日 | 暁庵の裏千家茶道教室



6月8日(金)は五葉会(七事式の勉強会)でした。

床には「洗心」の御軸、紫野 寛道和尚の御筆です。
風炉は唐銅面取道安、釜は波文尻張釜で初代畠春斎造です。
棚は煎茶棚、円相から水指が美しく見えるお気に入りですが、なかなか稽古では使えません。
五葉会のメンバーならこの棚でも受け入れてもらえそう・・・と久しぶりに使いました。
小ぶりの水指は京焼の見立、他にも建水や花入などで大活躍してくれています。
棗は香図棗です。



その日の科目は東貴人且座之式、投込花月、唱和之式でした。
風炉になって5月から7月まで且座シリーズを続けて、その違いをきちんと分かるようにしましょう・・・と、5月は且座之式、6月は東貴人且座之式、7月は二人貴人且座之式を修練しています。

東貴人且座之式から始めました。
今回は比較的スムースに進行しましたが、一点だけ疑問が残り、稽古後に皆で確認した箇所がありました。
新しい教本にも間違いがあるようですね。

   東貴人且座之式
            宗智
            宗厚
            宗曉
         東  宗里
         半東 宗真


  その日は、東貴人且座之式と唱和之式と、2回も香を楽しみました

午後に唱和之式をしました。
毎回素敵な茶花を持って来てくださる宗悦さんがお休みなので心配していましたが、皆さま、思い思いの花を持参してくださり、花台が初夏の茶花でいっぱいになりました。
花入を選び、花を生け、短冊に生けた花に因む和歌などを書き、朗々と唱和する唱和之式・・・五葉会ならではの素敵で優雅なひと時に感謝です。

   唱和之式

 半夏生・うつぼ草
  五月雨の音しきりなり闇の中
    半夏生の白増さりける
 
      二 宗曉 三

  

 ホタル袋・すすき
  ひかり飛ぶ夏の夕ぐれそよふかれ
    ほたる袋は草の間にあり
      四 宗真 五

  

 あじさい・小判草
  あじさいの露に濡れおり初夏の庭
    親しき友と茶をくみ交わす
     三 宗里 四

  

 金糸梅
  雨の庭 光を放つ 金糸梅     五、一 宗智 二

  

 百合水仙・小判草
  梅雨晴れや 川辺に咲し百合水仙
    思い遥かに気高く立ちぬ
      主 宗厚 一

  


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三井記念美術館・・・大名茶人 松平不昧 特別展へ

2018年06月13日 | 美術館・博物館



6月10日(日)、三井記念美術館の没後200年特別展「大名茶人 松平不昧」-お殿さまの審美眼へ出かけました。

東京教室のS先生から特別展の様子を4月に伺っていたのですが、会期(6月17日まで)も終わり近くなり、やっと出かけることができました。
雨模様の予報だったので、ランチも楽しく・・・とFさんをお誘いし、久しぶりの三井記念美術館(東京都中央区日本橋室町2-1-1)です。

松平不昧が蔵していた茶道具などの名品を観賞できるのが一番の目的でした。
どれも素晴らしいものばかりで、見るのに3時間以上かかったというS先生のお言葉が頷けます。

茶道具もさることながら、茶人・松平不昧の生き方を伝える「遺偈(ゆいげ)」と「茶の湯の本意」にぐっと胸に来るものがあり、夢中で写してきました。

   遺偈

  喫茶喫飯 六十八年
  末期一句 
  有伝無伝
          不昧


(茶色揉み紙、紺地中廻しの簡素な表装は遺言指示とのことです)
(簡素で言い得ていて・・・イイ遺偈ですね! 久しぶりに正受庵・慧端(正受老人)の遺偈を思い出しました) 


     岡虎の尾

  茶の湯の本意
(不昧による茶の湯の本意を五ヶ条に簡潔に述べたもの)

一、茶の湯はいかにも綺麗に、いさぎよくさびたる中にも、見所あるを本とすべし。

一、時世のうつりゆきをわきまえず、一つ所に足を止めて移行を知らざるものは生涯の下手と申すべき也。

一、先達の仕置きし事は、何れの流にもかぎるべからず。取りようのことを我のちからにすべき事。

一、茶道は手前を専一にして、意を次にせよ。茶の者は意を専一にして、手前を次にせよ。茶道は下手にてもよし。数寄者は下手にてはせんなき事也。

一、手前は飯椀をとりてめしを喰い、しる椀をとりて汁を吸い、箸をとりおきする如くなるを、成就と申すべき也。


(四番目が少々理解しにくいのですが、そのほかはウンウン頷きながら拝読しました。遠い存在だった不昧公が茶の湯を通して身近に感じられた五ヶ条でした)


     泡盛(?)升麻

その他で、特に印象に残っている展示品は
○ 国宝 玳ひ盞 梅花天目  南宋時代・12~13世紀  京都・相国寺
 (小柄な天目で、内側の梅花や外側の模様が珍しく、美しい茶碗でした。天目台は? 添っていた天目台も一緒に展示してほしかった)

○ 錐呉器茶碗 銘 山井(やまのい) 朝鮮時代・16~17世紀
 (呉器茶碗の形が大好きです。錐のように尖った深い見込み、淡い枇杷色の肌にある雨漏りのシミも味わい深くステキでした)

○ 斗々屋茶碗 銘 紅葉々  朝鮮時代・16世紀
 (韓国の旅で購入したミン・ヨンギ造の斗々屋茶碗の本歌(?)を思わせる茶碗に出合うことができました)

○ 燕図  伝牧谿筆  南宋・13世紀  東京・三井記念美術館
 (大好きな伝牧谿筆、蓮の臺に止まっている構図が素晴らしく、今、燕の水墨画に挑戦しているツレに一目見せてあげたい・・・)

○ 重文 赤楽茶碗 加賀光悦 本阿弥光悦作  江戸時代・17世紀  京都・相国寺
 (大ぶりの半筒形の茶碗、しかも高台が小さいので点てにくそうだが、赤楽の寂びた色合いが素晴らしく、赤楽の持つ温かな味わいや風雅な香りを感じる)

○ 帖佐鶴首茶入      江戸時代・19世紀
 (なかなか出合えない帖佐焼の小さな鶴首ですが、有言の黒の世界に魅せられ、虫食い(?)の綻びが一際存在感を放っていました)

○ やみ菊棗  初代小島漆壺斎作  江戸時代・19世紀
(夜桜棗を思わせる、光線の具合で上品な菊がほんのり浮かび上がり、こんな棗があったら・・・と垂涎の逸品)

○ 木枯烏図  狩野伊川院栄信筆・松平不昧賛   江戸時代19世紀
  賛  ひとり猶 行も有りけり 夕からす
        おなじ林のかげをへだてて



いつまでも松平不昧の世界に浸っていたいところですが、夜も更けてきましたのでおしまいにいたします。 

よろしかったら、畠山記念館・・・「雲州蔵帳」の世界へ (1)(2)もご覧ください。


皐月と水無月の教室だより・・・あれこれ思うこと

2018年06月11日 | 暁庵の裏千家茶道教室


  「水上青々翠」
(すいじょう せいせいたるみどり) 足立泰道師の御筆です。
花は柏葉紫陽花、葉が柏に似ていて緑と赤の混じった葉模様がきれいです。
小さな花を選び、秘かに「レースを纏った貴婦人」と呼んでいます。鉄製燈明台(白洲正子氏好み)にいけました。


水曜日と土曜日が暁庵の裏千家茶道教室の稽古日です。
少人数の小さな教室ですが、入門まもない方から中級クラス、さらに数名の茶名や準教授をお持ちの方までバラエティに富んでいて、とても教え甲斐があり楽しいです。

心がけていることは、基本を大切に美しい所作が身に付くように、また、茶事を前提にしたお稽古をしています。
・・・というのも、「お茶の真髄は茶事にあり」と暁庵は思って(思い込んで?)いますので。
いつか生徒さんに茶事をしていただきたい、楽しんでいただきたい・・・と夢見ながら指導しています。



茶事というと身構えてしまいがちですが、お客さまをお招きして美味しい濃茶を一服差し上げ、おもてなしをする・・・というのが本来の目的です。
そのおもてなしのために何を成すべきか・・・「何を」するのかは各自の考えや気持ち、経験、力量などにより千変万化し、それがその人なりの趣向や個性となって茶事を一層楽しく豊かなものにしてくれます。
先ずは、客(正客、詰を含む)水屋、半東、亭主など出来ることから参加して経験を積んでいってくださると嬉しいです。

さて、稽古では炭手前、濃茶点前、薄茶点前の3つが基本です。
それと挨拶や問答の稽古も大事だと思っています。
稽古の時に挨拶や問答が出来ないと、茶事や茶会の本番ですらすら言えることは先ずないからです。

5月からシンプルな風炉になって、心新たに基本からじっくり点前に取り組むように心がけています。
「基本が大事なので、なるべく基本を崩さないように稽古を積み重ねるべし」
お習いしていた先生方から言われていたお言葉ですが、崩さず積み重ねることで基本の美しい所作が身についていくと思います。



入門まもない方には特に気を配り、注意して治してもらいますので
「うるさく注意してごめんなさいね。
 でも今がとても重要な時なので頑張ってね・・・」
と何故注意するかを納得してもらうようにしています。

・・・ただし、例外もあります。
茶名や準教まで進んでいて、その人なりに所作が出来上がっていらっしゃる方・・・一通りの注意はしますし、
「そこをこうしたらもっと点前がきれいに自然体になりますよ」
などと提案しますが、あとはその方に一任します(間違っている訳ではないので・・・)。



こんなことを考えながら皐月から始まった風炉のお稽古ですが、早や水無月に入りました。

「教えることは教わることなり」
を実感し、お茶の神様と生徒さんに感謝する日々です。一緒に


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はつ夏のベランダ茶会・・・(3)

2018年06月08日 | お茶サロン&ご近所さんと茶会

 雨のベランダ・・・・愉しかった茶会が終わり、元のベランダへ戻りました
                      (2018年6月6日撮影)

(つづき)
4人のお客さまから素敵な後礼の手紙やメールを頂き、何度も茶会のあれこれを思い出しながら拝読しました。
ありがとうございます!!
SさまとKさまから頂いたメールを記念にこちらへ掲載させて頂きます。


靫草(うつぼぐさ)または夏枯草(かこそう)とも

 Sさまより
暁庵様

昨日はお招きいただきありがとうございました。
心の通い合うお茶席にただ今も余韻をたのしんでおります。
待合の設えに心静かに、丹精込めたお懐石に胸熱く、そして野趣に富んだお席に驚き
御趣向に感謝の思いでいっぱいでございます。

京都の灑雪庵の茶会へ伺ってから4年が過ぎ、再会が叶いまして本当にうれしく懐かしいおもいです。
天神市で出会った反物を仕立てお伺いできましたことも天神市で出会ったというお火箸につながりました。
山本玄峰師の短冊に私も何年か前に出会い丁度今使わせていただいておりましたので、うれしく思いました。
お柄杓も持たせていただきこの上ない一日となりました。

どうぞお疲れが出ませんようにおすごしくださいませ。
またお会いできますこと心より願っております。
取り急ぎ御礼申し上げます。     Sより





 Kさまより
暁庵様

昨日は素晴らしいお茶会にお招きいただき本当にありがとうございました。
はっきり言って、「暁庵ファンクラブ」のファンミーティングのようでした(笑)。
待合でもどこでもひたすら暁庵さまのお茶に対する姿勢や本日の設えやお料理、おもてなしの数々に対する感想の言い合いっこで、皆様、目をキラキラさせて語る、語る・・・。
私も含めて、ブログのファンであり、今日の日をどんなに楽しみにしていらしたのかなと、皆様の熱い血潮に触れた思いでした。

お天気もそれを受けて暑くなるかと思ったら、さわやかな薫風が手入れされた愛らしい庭の樹々をそよがせ、緑陰の気持ちよい、ベランダ茶会となりましたね。
旅箪笥から繰り出される野趣あふれるお茶碗の数々に歓声があがり、それについてのお話も興味深く、また表千家の方のお点前も新鮮でした。

お料理も私はてっきり簡単な点心だとおもっていたら、いきなり四つ椀で、繰り出される鉢の数々に、これでは茶事じゃないですか~~~とかえって申し訳ないくらいです。
表千家の方や京都出身の私のことも考えてくださって、お料理や器にも細かい配慮が感じられました。
ひとつひとつに驚き、感心して感想を言うからなかなか進みませんでしたね(笑)。
私は京都の夏に、ちょっと暗くて涼しい「はしり」でおばんざいを頂戴しているような感覚になりました。

さらに至れり尽くせりのおもてなしもさることながら、やはり一番のご馳走は「お茶会」だったからこそ、いっぱい暁庵さまとお話ができたことです。
戸外で開かれるアリスのお茶会のように、さわやかなベランダで流派や経験の多少にかかわらず、お茶の話に専心できるのは、まさしく「洗心」「雪月花」の世界でした。
 
いつものように素晴らしい方たちとの出会い、一座建立してくださった暁庵さまに感謝するとともに、この刺激をまた自分の茶道生活に生かしていけるように精進したいと思います。  

暁庵さまのお膝がかなり快方に向かわれているというGOOD NEWSもありました。
これからは暑くなったり、うっとおしい季節になりますので、どうぞご自愛くださいませ。
心から感謝をこめて      Kより




       色紙「茶」   布絵作家・森下隆子作

 暁庵より
皆さま
早速に後礼の嬉しいお手紙を頂き、ありがとうございます。
私もたのしゅうございました!
ご一緒に楽しくゆったり過ごせましたのもベランダ茶会の持つ親しみやすさとお客さまのお蔭と存じます。
お茶の神様の配材は素晴らしく、素敵で刺激的なベランダ茶会になり、心から感謝しております。
本格的な茶事もよろしいですが、気軽な茶会も楽しいですね。
またどうぞお出かけください。 


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はつ夏のベランダ茶会・・・(2)

2018年06月07日 | お茶サロン&ご近所さんと茶会

     ベランダ茶席・・・香合の拝見中かしら?

(つづき)
前述したように昼食はいまいちでしたが、お客さま同士なごやかにお話も食も進んだようで何よりです。
食後に再び待合へ戻って頂き、そちらで主菓子を差し上げました。
「どうぞお菓子をお召し上がりください。
 お菓子をお召し上がりになりましたら、しばしこちらでご休息ください。
 銅鑼にてベランダ席へご案内させて頂きます」
主菓子は「青梅」(石井菓子舗製・旭区都岡)、梅の酸味が程よく最近のお気に入りです。

銅鑼を5つ打ち、それを合図に蹲踞をつかい、ベランダ茶席へ席入りして頂きました。
(反省・・・蹲踞柄杓を出し忘れ、茶会後にやっと気が付いた次第です。
 それでもお客さまは何一つおっしゃらず、流石・・・でございました。深謝です




ベランダ席は三畳半の広さで、隅に金魚が棲む睡蓮鉢があります。
ベンチ2つに4名様の円座、陽射しが強いので緋傘とパラソルを広げ、日陰を作りました。
物置に簾を掛けると涼しげな壁のようになりました。
その壁床に「雪月花」の短冊、臨済正宗・山本玄峰師の御筆で、この短冊を掛けるといつも山本玄峰師の数奇な運命と四国遍路のことを思い出します。
その日は、ご縁のあったお客さまと「雪月花」を愛でるベランダ茶会ができたら、どんなにか愉しいことでしょう・・・と思いながら。

点前座はリサイクルショップで購入した桐の衣装引出を2個重ね、敷板に織部紅鉢を置きました。
釜は京都で大活躍してくれた責紐釜、久しぶりの登場です。
その昔、元は水屋箪笥として使われていたという旅箪笥(利休好み)、動線の都合で点前座の右側に置き、洞庫兼小卓として使いました。
予め、水指、茶碗、棗、柄杓、蓋置などを入れて置き、大変重宝しました。



初炭から始まりました。
「お炭を置かせて頂きます」
紅鉢は夏の茶箱の稽古で使用していますが、電熱使用だったので、今回初めて灰形を作り、炭を使いました。
火床が狭く浅いので小さな炭を選んだのですが、後炭のような初炭になり、今後の課題となりました。
「珍しい火箸ですが・・・」
京都の天神さんで購入した、岡山城大手門の古釘の火箸がお目に留まって嬉しいです。
「お香合は・・・」
昨年6月に南仏のエクス・アン・プロバンスで出会った独楽香合、お客さまはブログの読者さんなのでひとしきり、いろいろな旅のお話が楽しく飛び交いました。

干菓子(「雪りんご」松屋と「こはく」豆政)をお出しし、薄茶点前になりました。
点前座に座り、旅箪笥から備前の水指を取り出し、風炉の横へ置きます。
旅箪笥から仕組んだ茶碗と棗を取り出し水指前に置き合せ、あとはいつものお点前の手順です。
それでも茶杓と茶筅が数回風に飛ばされるというハプニングが・・・。

旅箪笥が小テーブルになり、そちらへ点てた薄茶をお出ししました。
茶碗はいろいろ・・・お一人ずつ旅箪笥から茶碗を出すたびに、歓声が上がったような・・・
「今度はどんな茶碗が出てくるのかしら?」
思い出のある茶碗ばかりなので暁庵も嬉しくお話しさせていただきました。





 見詰めるOさま、Hさま、Sさまの優しいまなざしの中、Kさまが薄茶を・・・

薄茶が一巡し、員茶のように2服目をお客さまに点てて頂き、順服していただきました。
裏千家流だけでなく表千家流と表千家不白流のお点前を拝見でき、薄茶を頂き、貴重なお話もうかがえて、とてもとても楽しいひと時になりました。


    はつ夏のベランダ茶会・・・(3)へつづく    (1)へ戻る  募集記事へ