井沢満ブログ

後進に伝えたい技術論もないわけではなく、「井沢満の脚本講座」をたまに、後はのんびりよしなしごとを綴って行きます。

「わが家」取材記事

2014年12月26日 | ドラマ

毎日新聞 12月25日

 

 

向井理くんからは、面と向かってはあまり言ってもらえないのだが、紙面では随分手放し賛辞で、番宣用に盛ってくれたかなあと思いつつも、私は素直に思っていることを語ったので、向井くんの言葉もそのまま受け取ることにしようかな・・・

そのほうがハッピーだし。

役者と作家として相思相愛でよかった、よかった。

次、何書こうかなあ・・・・ってわずかに腹案はあるのだけど。

年上人妻との一夜の行きずりの恋が発端の、サスペンス調恋愛劇。

たとえば。

まあでも役者とのタッグもご縁のものだし、次があるかどうかは知らない。
ありそうな気はするけれど。

村川絵梨ちゃんもいいし(本当に可愛い、素顔も。芝居の質も好き)、田中裕子さん、長塚京三さんもぜひまたご一緒させて頂きたい。これだけ好きな納得できる俳優さんたちと仕事出来て、冥利に尽きる思い。

ところで、久々にちょっと書いてみたいなあと思う役者さん発見。
BLジャンルのコミックで売れている作品だというので、コミックと映画化作品と両方見てみた。「どうしても触れたくない」という作品である。

なるほど、こりゃ売れるだろうなあ、と思った。
かなり非日常設定なのだが、きれいごとに堕さず、生活感の中で
描いていて、コミックは会話もリアルだ。
映画では、原作の生々しいがリアルな会話をカットしていて、そこは惜しかったが。

ノンケ(普通の男)とゲイの青年のラブストーリーで、ノンケのほうが
演じるのが大変である。異性愛の男がある日突然、同性を愛してしまう、
それは現実にない話ではないにしろ、事例は僅少。それをフィクションで
説得力を持って演じるのは至難。

それを、軽くスラっと演じていた俳優が谷口賢志(たにぐち まさし)さんであった。
ご本人は軽くという如きことではないとは思うのだが、演技の
背後の葛藤を見せず、軽々とやれるのが才能なので。
モデルと舞台俳優と、そして映画に出ていらっしゃるようで
37歳ということだが、しきりにこの人に書いてみたい気がする。
久々に素材に萌え感。
素の喋り方その他も見たくてメーキングのDVDを手に入れてみたが、
やはり感覚が面白く、興味をそそられる。
多面体で、色んな側面を持っている人。
何かを引っ張り出せるぞ? と思わせてくれるのだ。
「素」と言っても、役者がいったんカメラの前に立ったら
「素」を「演じる」に決まっているのだけど、それを差っ引いても
面白い。何かがアンテナにひっかかる・・・・・。
来年は舞台を見に行ってみようと思う。
小舞台ばかりなのも、興味をそそる。要するにまだ業界が
未発見の役者さんなのだ。コアなファンクラブはあるようだが。

私がかつての、一線売れっ子で連ドラと単発をたくさん書いている頃なら、
即ご指名で作品に呼んでもらい、世の中に押し出すお手伝いをさせて
頂けたのだけど、
今や年間1作の寡作状態なので、思うようには行かぬ。
しかし、書いてみたい。書いてみたいと思える俳優に巡りあうことだけでも
幸せである。どういう役なら一番引良さを引き出せるかな? とあれこれ考える楽しさ、時に苦しむけれど。

脚本というのは役者の性別問わず、脚本家がその人宛てに書く恋文であるときが、一番うまく行く。

向井くん、相思相愛でわしゃほんま嬉しいよ。(俳優と作家としてである、念のため。BLの記述の後に、こんなん書くと誤解されるかも、と今ふと脳裏をよぎったので蛇足。よもや誰も思いはしないだろうけどw)


6 コメント

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Unknown (まなみ)
2014-12-26 10:24:01
候補の案は二作とも素敵です。

バラエティでオネエの方々に好きなタイプ・アンケートやってましたが一位は予想外のU字工事の坊主頭の人だった。

あの世界の人が美形、マッチョだけが好みではないんだと。

田中さん、村川さん母子が営む定食屋さんだったら繁盛間違いなしでしょうね。
孤独のグルメや深夜食堂は何となく地味で落ち着いている部分が魅力ですが彼女達の場合は「昼間食堂」みたいな明るく元気なお店の感じ。
田中さんは実に割烹着の似合う女優さんですね。
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 (井沢満)
2014-12-26 11:36:07
★まなみさん

私が向井くんに書いてみようかな(一案に過ぎませんが)と思うのは一作だけですよ? 人妻サスペンスタッチのみ。

BLに出ていた谷口さんに宛てて脚本を書いてみたいというのと、ごっちゃにお読みでは?
谷口さんでBLを書きたいという意味でもなくただ、役者発見というだけの意味です・・・。


ちなみに、

>あの世界の人が美形、マッチョだけが好みではないんだと。

好みが多様に細分化していて、テレビに出るおねえさんたちの好みがそのまま、好みだというわけではありません。

BLはゲイ向けの作品分野ではなく、若い女性用です。

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いつか。 (プースケ)
2015-01-04 22:43:44
はじめまして。
井沢さんがおっしゃるところの、コアな谷口さんファン(…おそらく。笑)のひとりです。

いつか、井沢さんから谷口さんへの恋文を拝見することができたなら、とても幸せだ、と思いながら拝読させていただきました。
舞台をご覧になられたときには、また感想をお聞かせください。

「家族」についてのコメントではなくて、失礼いたしました。
今、あわててチャンネルをあわせました…。
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プースケさん (井沢満)
2015-01-04 23:46:42
こんな辺鄙なところにある文章にたどり着くとは、
よほどのファンさんなんですねえ。

なんでだか、「どうしても触れたくない」の
外川課長にハマってます。
映画を最初に見て、それからコミックの順番だったんですが、よくああいう雰囲気出せてますねえ。
女の子のお尻を追いかけている雰囲気を醸し出しつつ、さらっと青年にキスしてしまう、ある種の男っぽい軽さが本当に上手で、他の役者が思いつきません。
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はじめまして (はな)
2015-01-05 01:49:32
はじめまして。私も谷口さんファン(新参者)の一人です。

「花嫁の父」がとても好きで、「わが家」も楽しみにしておりましたところ、「どうしても触れたくない」をきっかけに知り合った友人から、このブログのことを教えてもらいました。

放送の一時間ほど前、『今日21時からの「わが家」の脚本家・井沢満さんのブログで谷口賢志さんのことが』とtwitterで流れてきました。そこにリンクを貼りつけてくけて下さった方があり、リツイートして下さった方があり、拡散していったと思います。

この時の会話では、井沢さんが谷口さんについて書いて下さって嬉しいということ、井沢さんがBLものもご覧になるんですね!という驚きと、自分が好きな井沢さんの作品について、楽しく盛り上がっておりましたよ。

いつか、井沢さんの脚本で、新しい谷口賢志さんに出逢えたらと願ってやみません。

長々失礼いたしました。どうぞお身体おいとい下さいませ。
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はなさん (井沢満)
2015-01-05 08:53:32
ああ・・・・・そうなんですね。私の作品を知っていて、
谷口ファンでもある人が広めてくださったと。

谷口さんの舞台を拝見しに出かけたら
「ホラ来てるヨ」と言われそうな。(笑)

私は、柔軟なのが唯一の取り柄で何でも読み、見ますよ。
BLだからいいというのでもなく、いい作品だからいいなあ、とそういう読み方見方です、当然と言えば当然ですが。恋愛が自由に手軽になった今、まだしも多少の縛りがあり、切ないのがBLというのもありで、身分差などがあった昔の男女のラブストーリーが今は、いくぶんBLのほうに移行して来てるかなぁ、という気がしなくもありません。

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