マグロチャンピオンの料理道場

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豚肉が牛肉に変わる薬とは?

2011年08月01日 | 中国 食の安全性
前回は「痩肉精」のことを書いたが、何と中国では豚肉を牛肉に変える薬があることを知った。


下記はインターネットの「NEWS」からの記事だが、詳しく書かれているので紹介しよう。

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豚肉が牛肉に変身…「牛肉膏」の過剰摂取でがん誘発の可能性も―中国

2011年4月15日、中国各地で豚肉を牛肉のように見せかける「牛肉膏」の利用が発覚した。食べ過ぎればがんになる可能性もあるという。東南新聞網が伝えた。

安徽省合肥市でこのほど、「豚肉を漬け込むと90分で牛肉に変えてしまう」という謎の食品添加物・牛肉膏の販売が明らかとなった。見た目も味も牛肉そっくりになるという。14日、福建省福州市の市場を訪ねると、ここでもやはり販売されていた。

事情に詳しい関係者によると、小規模外食店などで広く使用されていることは「公然の秘密」だという。牛肉膏だけではなく、羊肉や鴨肉に変える添加物も販売されている。豚肉100g当たり2~5gの牛肉膏を使うだけで、価格が豚肉の倍以上する牛肉になるというのだから驚きだ。

気になる成分だが、包装には各種アミノ酸、イノシン酸、グアニル酸、化学調味料、タンパク加水分解物などと注記されている。一般の食品添加物に使用されている原料と変わらない。専門家によると、牛肉膏は一種の複合食品添加物であり、その用量は制限する必要がある。摂りすぎれば体に有害で、がんを誘発する可能性もあるという。また、実際には注記されていない物質が入れられている可能性も排除できないと見られる。(翻訳・編集/KT)

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この事件の報道は2011年4月15日だが、4月22日の記事では今度は「ホウ砂」が使用されているという。
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ホウ砂漬け豚肉16トン押収、食べれば死亡も、業者を逮捕―広東省

豚肉の味を牛肉の味に変える違法添加物「牛肉膏」問題の余韻冷めやらぬうちに、 これまた信じられない食の安全問題が起こった。広東省佛山市南海検察院の検察官は20日、 ある自営業者が豚肉を牛肉と見せかけて販売しようと、ホウ砂や大豆粉を混ぜて「染色剤」を作り、 豚肉16トンを漬け込んで卸売りを行っていたと明かした。販売額は約23万4千元。
容疑者は、有害食品を生産・販売したとして、すでに逮捕されたという。新華網が伝えた。

譚容疑者(41歳)は昨年7月、南海大瀝鎮から豚肉225キロを仕入れた。
自営の加工工場でスライスした後、豚の血、ホウ砂、大豆粉、糖、塩、水を 混ぜで作った「染色剤」に漬け、牛肉のような色に染め、重さは350キロに増えた。
これらの「ニセ牛肉」を農作物取引所で販売した。
調査員がニセ牛肉を押収した日、すでに48キロが販売されていた。
品質管理部門の検測の結果、ニセ牛肉には1 キロあたり3800ミリグラムのホウ砂が含まれていたことが判明した。

譚容疑者は昨年1月以降、ニセ牛肉約16トンを販売、販売額は23万4千元に達した。
500グラムあたりの豚肉仕入価格と牛肉卸売価格はともに6元だが、染色剤に漬けた後、 重さがぐんと増し、その分が儲けとなった。ニセ牛肉は500グラム10数元で販売されていた。

南海検察院によると、ホウ砂は食品の弾力や保水性を強める効果あり、 一部の業者が肉団子、めん類、ギョーザなどに加えている。
連続して摂取すると消化器を害し急性中毒になる場合がある。
まら、子供や成人が一定量を摂ると死亡する場合があり、 中国では食品への添加が禁じられている。
(編集担当:松本夏穂)

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もう一つ、記事を紹介する。
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「どうすればよいのだ」…食の安全、道徳問題=中国・人民日報

20日付人民日報は、「食の安全の道徳、どうやって救えばよいのだ」と題する論説を掲載した。信用の欠落、坂を転げ落ちるように低落する道徳の問題は、何にもましてひどい問題だと指摘し、解決策を模索したが「罰則と社会的な軽蔑(けいべつ)しかない」と結論づけた。

中国では2008年、たんぱく質含有量を多く見せかけるために有毒物質のメラニンを混入させた乳製品が出回っていることが発覚。分かっているだけでも過去最多の約30万人に健康被害が出た。それ以降も事件/事故が続出し、最近では「染色マントウ」(上海など)、「毒もやし」(遼寧省)の事件が発生するなど、消費者にとっては「何も信じられない」状態が続いている。

人民日報は、「社会の道徳が転落する場合、影響が出やすいのは食の安全だ」、「逆に言えば、食の安全が、道徳を再建するための重要な1歩」と主張した。

現状から判断しても「生産者の良心は、信頼できるとは限らない」、「特に企業は株主の利益を追求する組織であり、大衆の健康は重要な問題ではない」と指摘。制約がなければ、食品生産者は極めて簡単に、利益のために何でもするようになる」と分析した。

市場経済は「信用の経済」でもあり「法治の経済」でもある以上、「企業の道徳心向上を提唱するのはよいが、利益追求という企業の現実を直視せねばならない」、「私たちの大切なものを、企業の良心にすべてゆだねてしまうわけにはいかない」と主張。食の安全に関連する事件の多くは制度の不備にもよるが、「事件を起こした企業がなくなったり、行政側が責任を厳しく追及された例は少ない」と論じた。

これまで米国や欧州、日本で発生した事件をみれば、「良心ある生産者を保護する一貫した制度がある」「食の安全の問題に対しては厳しい法律を設けて、道徳心の低落を阻止している」と指摘。日本の場合には農産物について、生産者までたどれる「身分証」制度を確立していると紹介した。

論説は、「国の指導者は、法律をさらに整え、道徳の破壊者に対しては厳しい処罰と社会の軽蔑を与えるようにせねばならない」と主張。「普通の食卓に、経済発展のすべての状況があらわれる」との言葉を引用し、食の安全問題は、是非とも解決せねばならないと論じた。(編集担当:如月隼人)

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前回書いた「痩肉精」の流通ルートだが下記のようになっているという。
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中国国内メディアの報道によると、河南省孟州市、沁陽市等の養豚農家では、これら問題のある成豚について、一頭あたり2元(約26円)で地元当局が発行する検疫合格証明書を入手し、100元(約1300円)で省境界の検疫所を通過させてもらい、南京市の場に入荷させる。さらに、10元(約130円)で動物製品検疫合格証明書を入手して、一般市場に送り販売するという流れで行っているという。

「中国の危ない食品」著者でジャーンリストの「 周勍氏」の言葉を借りると、

悪質な食品業者は消費者を騙し、また、本来、悪質業者を取り締まるべき地方役人は、中央政府を騙す。中央政府も、こうした事実の報道を統制することによって国民を騙している。

まだまだ、「痩肉精」「牛肉膏」「ホウ砂」のような事件は当分、続くのではないだろうか。


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