prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

フジヤマ・ゲイシャ・ハラキリ(15)

2005年08月07日 | フジヤマ・ゲイシャ・ハラキリ(シナリオ)
181 山本の事務所
フィルムの缶を苛立たしげに指で叩いている山本。

182 前線座・外
まだ誰も来ない。
小人「並ぼう」
秋月「…?」
小人「サクラだよ」
秋月、言われた通りに小人と一緒に切符売り場につく。
じりじりするような時が過ぎる。
一人の客がやってきて、列につく。
また一人やってくる。
また一人やってくる。
ゆっくりと、しかし着実に人が集まってくる。
小人「…(落ちついていられない)」
次第に列は長くなっていく。
小人、ふらりと列を離れる。

183 階段
を下りていく小人。
列はだんだん長くなっていく。

184 前線座・外
小人、興奮しながら戻ってくる。
小人「見てみろ!」
秋月、列から離れる。
最初の客、(もうけもうけ)と一歩前に出る。

185 階段
列はもっと長くなっている。
駆け下りる秋月と小人。
けたたましいその足音。
駆け下りる。
駆け下りる。

186 一階
まで列は続いている。
小人、小踊りして秋月に抱きつこうとするが、軽くすかされる。

187 前線座・外 開場になる。
動き出す列。

188 同・ロビー
集まってくる客また客。
飛び込んでくる小人。
中で立っていた山本に抱きつく。
はっと気がついた小人、今度は山本の首を締めあげる。
かと思うとまた抱きつく。

189 階段
団「上映を中止しなさい」
とわめいている。
野次馬をかき集める団。
清水、プラカートを掲げて上っていく。
団もその後を追う。
何事ならんとその後を追っていく野次馬たち。

190 前線座・前
騒いでいる清水たち。
団、プラカードを持ったまま切符売り場につく。
清水「ちょっと。
何やってるの」
彼らが集めてきた野次馬が、そのまま場内に吸い込まれていく。
清水、呆然とその様子を見ている。

191 山本の事務所
山本「(電話を受けている)…うん、うん」
と、言いながら数字をメモっている。

 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16



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