気仙沼港からやや内陸にあるビジネスホテル
我々以外の宿泊者は復興作業に従事されているらしい様子の人達が多くみられました。
気仙沼から陸前高田まで早朝の三陸自動車道(無料高速)を飛ばしているとさすがにもう寒いくらい
出発の時、ウエアを調整しておいたのは正解でした。
一度来てみたかった「奇跡の一本松」
高速を降りて海に近い県道を走っていると、道路わきに津波が到達した高さを表すプレートが頭上よりはるか上に掲げてあります。
遠くに見える一本松、車やバイクではそばまで行けなくても、遠目に探すだけですぐにそれだとわかる存在感。
周りは未だほとんど何も再建されていなくて、復興が進んでいない印象。
この位置にバイクを置いて徒歩で
残念ながら今はオブジェとなってしまった一本松のもとへ向かいましたが時間が早すぎ…
係の人が出てこられて開門されるまであと1時間近くあるので遠くから眺めるだけに留まりました。
海沿いを走るとこのような様子です
やっぱり来てみないとわからないものですね。
三陸地方を後にして再び山のほう「北上山地」に向けて内陸部
岩手県の奥深い田舎道では早朝から農作業に取り組む人たちの姿がちらほら見えるだけで
静かな東北の農村風景が楽しめました。
さらに気温は下がっていきこれからさらに高いところに昇って行くわけで、いったいどういうことになるのでしょう (>_<)
真冬のバス待ちは厳しいのでしょうけど今はスマホで確認できますから
停留所でバスを待ち続けることなんてないんじゃないかと
温暖な地域でしか生活したことのない軟弱者は思うのですが、バス会社の配慮と遊び心は立派だと思います。
室内も覗いてみましたが障子を閉めると外からは見えない密室感はどうなんでしょうかね (^_^;)
ここは広い広い岩手県のど真ん中、縁もゆかりも無いのは勿論だし
聞いたこともない地名ばかり北上山地に沿って国道を避けながら
地図上で目立っていなくても快走が期待できそうなルートを選んで北上を続けます。
途中の牧場ではなんだかスタイルのいい美脚馬たちが多数放牧されていて
思わず立ち寄りましたが、今でさえ肌寒いのに冬の間はどうしているのだろうと思ったら
ここ東野市は岩手県を代表する乗用馬の馬産地で、冬場は乗用馬市場のある東野市で過ごし春から秋にかけてこの標高約700mから1000m、
そして広さは約2500ヘクタールの広大な「荒川高原」に放牧されているのだそうです。
そんなこととは知らずに、ただ気持ちよく走れそうなルートをアドベンチャーが選んだのですが
東野市内から30分、この広大な高原はツーリング(ドライブ)ルートとして
そして馬好きな人にとっても素晴らしい場所でした。
この後も北上山地の北上は延々と続き
まったく車が走っていないと言っていい山岳ワインディングを飽きることなく走り続け
ようやく岩手県のど真ん中。
ここから盛岡市内を目指しR455「小本街道」は峠越と巨大なダム湖周辺を走る豪快な国道
平日とは言えバイクもチラホラ、盛岡市内からも直通なので地元のライダーさん達の定番ルート的感じ
地元のライダーさんにはすぐに道を譲り、失礼のないように後ろから続きました。
盛岡では食べたいものがいくつかあって、わんこ蕎麦に冷麺にじゃじゃ麺の「盛岡三大麺」
そう言えば今日は朝から何も食べていないので、なんとなくガッツリしている予感のじゃじゃ麺を求めることに。
ここにテーブルに備えているタレや調味料を加えて好みの味に仕上げてお召し上がりくださいとのこと
我々ここで食べるのは一度きりなはず、おいしかったけどできればそこもお任せしたかった (^_^;)
盛岡に泊まる予定はありませんが帰り道でもう一度近付く可能性があるので
旅は始まったばかりなんだし、わんこ蕎麦と冷麺は見送りました。
北上山地の寒さがウソのような暑さの盛岡市内を抜け、東北自動車道を2区間
北へ向かって高速道路を走って行くと
まもなく左手に現れた「岩手山」は岩手県の最高峰で県のシンボルのひとつ
いつの間にかさっきまでの北上山地から奥羽山脈へと移動しているのですね。
岩手山をいろんな方向から見上げながら岩手山パノラマラインで反時計回りに廻りこみ
山岳道路のわりに緩やかなワインディングをこの後「八幡平」へと続く絶景ルートの序章を楽しみました。
続いて「八幡平樹海ライン」から「アスピーテライン」へ岩手県から秋田県への県境
遠く離れた東北の県名を見るとなんだかうれしい。
当然、冬季通行止めのこのルートは春の開通後は雪の回廊…のはず
冬の間は来たくても来れないだけに、こうしてハイシーズンに絶好のコンディションでここを訪れる喜びはひとしおなんじゃないかと
北国のライダーさんの常識を想像し思いを馳せました。
そしていよいよ八幡平
高原状の大火山群やその間に無数の沼や湿原が点在する広大な国立公園
樹海ラインとアスピーテラインから見えているところだけでも素晴らしい景色。
標高1000mを超え、そしてさらに高く昇れば昇るほど道の脇の樹木が高山化してきて視界を遮ることがなくなってきたころ
雲の高さと同じくらいのところにいることを実感します。
樹海ラインとアスピーテラインの合流点「見返峠」
とにかくこの広いエリアには超絶ワインディングが沢山あるようですが
走り倒すには時間が足りません。
縦長い東北地方ですからまた帰りに下ってくるときに再び接近するはずですから
その時に効率よく線が描けるようにルートを組み立てるとして、そのまま北上することなく
本日の宿地「八戸」に向けて大きく東の方へ方向変換です。
やっぱり岩手山はいろんな場所から見えています
見る方向が違ってもすぐにそれだとわかる、さすがにシンボルですね。
八戸に向かうにしては少し(と言うかかなり)遠回りになるのですが
岩手県に行くことがあったらいつか行ってみたいと若い時から願っていた場所に行くことを決断しまして
日没前がかなりのハイペース走行になることを覚悟で向かいました。
七時雨高原(ななしぐれ)
毎年8月下旬の週末2日間にわたり盛大に開催される「出光イーハトーブトライアル」
今年で43回目の開催を終えたこの大会は国内最大規模(いや世界最大でしょう)のツーリングトライアルイベント。
僕はトライアルなんてからっきしで、入り口の手前で早々に挫折したバランス感覚乏しいライダーなので
この大会に憧れはあっても参加したかったわけではありませんが
このイベントの創始者はあのトライカーナを考案した万澤安央氏だということもありまして
当時、万澤さんが国内に発見したトライアルの「理想郷」の情景を一度は訪れて見てみたかったのです。
一週間ほど前に地域とライダーが一体となったイベントで賑わったなんて全く想像できないほど静寂で美しい野山を
しっかりとこの目に焼き付けてきました。
ここから八戸市内まで100km弱
日没の早い東日本ということもあり、すでに陽が傾き始めているので
ここからはかなりのハイペース。
夕日が照らすところがだんだんと高く移っていくのを見ながら
それでも妥協はせず快走&最短を両立できるルートをアドベンチャーが選んで選んで進みます。
そして完全に夜の暗さになる直前にホテルに到着。
まだホントの「いぶりがっこ」は食べてないけど
八幡平のみやげ物屋で買ったいぶりがっこ味で一息。
今日は居酒屋の予約はしておらず、予めリサーチしてくれていた屋台村で適当に一杯やることにします。
あれこれとおすすめの海鮮をいただいて…ニンニクで精を付けます(僕はひとかけ程度しか食べてないけど)
いや~、今日は一日目まぐるしく場面が変わって走る力も相当に出し切りました
早朝の気仙沼に始まり陸前高田、荒川高原、盛岡、岩手山、八幡平、イーハトーブ、八戸までの13時間強
これ今日一日の出来事だったのかな (^_^;)
明日もそうとう楽しめるはずなので、〆は早めできりたんぽのお店へ移動
これまで「ドーミーイン」にはあちこちで泊ったことはありますが
無料で提供される「夜鳴きそば」は食べたことがないと言うかそこに至ることがなかった。
時間も早いし、せっかくだから食べてみることに。
一週間以上のツーリングとなると全日分の着替えを持ってくるとなるとそれだけでかなりの荷物になるので
途中で何度か洗濯機を回すのは当たり前
明日も天気は悪くない
いよいよ北の果て(本州)を目指します。