14台のバイクが基山SAを7時半の出発なんて、それだけでも随分とタフなツーリングなんでしょうと…
我ながら少々ハードなスケジュールだったのではないかと自負(後悔)しておりましたが、
予定通り皆さん10分前には全員ご集合いただきました。
早朝の高速道路は快適で、ここまでそれぞれのペースで気持良くお集まりいただけたものと思っております。
スタート後間もなく鳥栖ジャンクションを長崎方面へ進んで以降は、
さらに交通量も減り14台が適度にクルマを追い越しながらムリなく高速道路を共有し、
良いペースで長距離移動を遂行中。
いつも見ている海とそれほど変わることは無いのだけど、これが「大村湾」だと知ると
その非日常の場所に居ることに、超早起きでここまでやって来て良かったと思い始めるのです。
皆さんもきっと (^_^;)
今回のルート、かなり思い切った長尺行程なのでありまして、
給油や食事に無駄な時間をかけるわけにはいかないのはもちろんですが、
マシントラブルが発生してもメンバー全員おおいに困ることになります。
14台中国内モデルは1台のみの団体行動は皆さんのそつない行動でスムーズに進行していくことになるのです。
諫早をあとにして進むと雲仙は雲がかかっていますが、
これは地形と風向きによるものでしょうから、登ってみないとわかりませんね。
日帰りとは言え「長崎県」まで足を伸ばしているのだからお土産にカステラなど。。。
そしてカステラのラスクが突き刺さったソフトクリーム。
まだお客さんもまばらな広くて涼しい店内で早朝より果敢に走り続けた体をひと休めできる良き空間となりました。
南に下って橘湾から雲仙普賢岳を目指すに手っ取り早く選んだ県道128(ドラゴンロード)
その名のとおり昇って行くほどに曲がりくねったルートでしたが、
日曜日のすでに10時前、さすがに車も多く走っていて無作法に追い越すことは躊躇われ
そこそこのペースで、楽しみは眼下になって行く橘湾を眺めるにとどめましたが
諫早で高速道路を降りて以降、気温の上昇に不快感を感じはじめていたところでしたのでこの急上昇は歓迎です。
かなり上って来たところ「雲仙温泉」で通りすがりに湯けむりと硫黄の匂いを嗅いだ後、
そのまま素直には進まず、少しだけ遠回りでメリハリよく走れるルートで「仁田峠」を目指します。
これだけ登ってきていると木陰ルートはさらに涼しくて快適。
真夏の酷暑ツーリングを覚悟してこられた皆さんもココまではストレスなく楽しでいらっしゃるでしょう (^_^;)
そして雲仙仁田峠循環道路。
すでに無料化されていますが、環境維持協力金として1台あたり任意の100円全員分を一括して僕が支払おうとする直前に
財布の小銭をぶちまけてしまったものだから、窓口のおじさんが「1000円でいいよ」と
ディスカウントしてくれると言うのですけど。。。
これから先の一方通行が素晴らしい絶景ルートであることを知っているので、
その維持に使われるんだったらむしろ払わせてもらうべきでしょうと、
ご好意を遠慮して支払いました。
さっきまで普賢岳にかかっていた雲はいつの間にか消滅していて、
このあとにひらける絶景を皆で眺めることができるのだから、
このツーリングはほぼ成功することになるのでありまして、この日この名所を選んでよかったのだと
主催者も一安心デス。
仁田峠に到着してみると、
さすがに日差しの強さとミンミンゼミの盛大な鳴き声で真夏の山であることには違いありませんがココは普賢岳が目の前、
標高1000mを越える高さですから下界とは明らかに違った空気。
いつも雲で隠れがちな普賢岳を至近距離で眺めると同時に
東に目線を移せば有明海。
遠くに熊本県の天草と阿蘇山なども見えていると言う
なんとも幸運な状況。
もうココで解散してもいいくらいですねと冗談でも出てきてしまうほど (笑)
が、しかし。。。
ライディングを楽しむのはじつはこれからです。
普段走っているエリアとは違う、まったくもってお馴染みではないワインディングを初走行でお楽しみいただけます。
楽しいかどうかは人それぞれなのですが、知らない道をうまく攻略しながらめまぐるしく移り変わる景色を
瞬間で楽しんでいくと言うのがこのツーリングだと思っていますから、
そこを承知でご参加いただいている皆さんにはいつも以上にお楽しみいただけるフレッシュなエリアであることには間違いありませんね。
仁田峠循環自動車道を一周したあとは雲仙を東側に下り「島原まゆやまロード」
僕も初めて走りましたが仁田峠に始まり、緑が映える平成新山をパノラマで望むプラスアルファーの絶景豪快ルートで
大変満足しました。
今度いつ来られるかわからないので、敢えて停まって皆さんに見届けていただきました。
下関から日帰りだとかなりの長距離になるわけでありまして、それには日照時間が長いことと
朝夕の冷え込みが無いことが求められるのでやっぱり季節は夏。
しかし夏がここまで熱いとそんな時期にこの距離を走るなんて気軽にはできませんもんね (^_^;)
今回のランチは島原市街まで降りてきて「姫松屋」さん。
島原と言えば「島原そうめん」
流しそうめんのお店も検討しましたが、なんと言っても今日は8月最後の日曜日。
そちらは暑さ逃れの家族連れなんかで混雑が予想されましたので、
この暑い中どうなんだろうと疑問に思いながらの島原城そばの「お雑煮」専門店。
ところがこれが正解でじつに美味しかった。
予約しておいて通されたのは2階の座敷でしかも椅子とテーブルの席。
クーラーもよく効いているし膝を折ることも無くライディングウエアでも楽な姿勢。
皆さんもそれなりに汗をかいていらっしゃるのでこの出汁の効いた「具雑煮」の汁の塩味とうまみが染みわたったはずではなかっただろうかと、もうココで解散してもいいくらい。
十分な休憩をとったあと、再び雲仙の高いところに駆け上がり、
半時計回りに西へ移動。
市街地から海沿いとひとつ高いところを走る「雲仙グリーンロード」ではたぶん暑さにうだってしまうでしょうからそこは遠慮して
とにかく交通量の少ない涼しそうで変化に富んだルートを繋いで、皆さんに暑さを感じる暇もないほどになればいいなと思いながら
諫早湾を目指します。
頃合いを着て直線的に諫早湾に下って行くとチラチラと見え始める海上の一本道。
クロキライディングのツーリングでは初めての「諫早湾干拓堤防道路」
水門の開閉をめぐって今でも議論が続くなど何かと話題のスポットですが、
別名「ギロチンロード」と呼ばれるこの巨大な建造物を観光&近道&感慨を持って走ってみました。
このあたりが本日暑さのピークだったようです。
対岸に渡ってからどう動くかが重要デス。
すぐさま海沿いを離れて「大村レンボーロード」を交えながら
内陸の少し高いところ伝いに再び大村湾方面に。
このあたりは地元の人もあまり走っていないようで、予想外の快走の連続で進むことができました。
そして長崎自動車「木場スマートIC」
こうして途中からさらりと高速道路に乗れるところがスマートなインターチェンジ
まったく市街地に近付くことなく風を絶やさずに済んだことは大きいですよねこの気温ですから。
午後の大村湾はまさに夏の日差し。
大きくひらけた景色を眺めながらの高速移動。
早起きで高速道路でやって来て、目的エリアを走りまわって午後にはもう同じ道で帰って行っているわけですから、
たまにしかできないとは言え、なんとも贅沢な遊びではないかと。。。(^_^;)
途中休憩でなだれ込んだパーキングエリアでは、年代物のスポーツカーがレッカー移動中。
オーナーさんと思しきシニアな男性が僕に話しかけてこられましたが、なんと仰っているのかわかりません(たぶんネイティブ佐賀弁)
ただわかったのは僕の年齢を聞いて「まだまだ若いの~」みたいなこと…
そう言えば今回の14台中5台のライダーが僕より先輩。
予測できませんでしたが、建物改装中のため日陰の無いパーキングで今日いちばんの暑さを感じながらその健勝さに恐れ入りました。
このまま下関まで帰るわけもなく高速道路を「武雄北方IC」で降り、本日2度目の給油。
これより佐賀県エリアのワインディングを少しだけ楽しんでいきましょう。
多久、厳木、天山、嘉瀬川ダム周辺と立て続けにワインディングをお楽しみいただくことになります。
もう止まると窒息してしまうと言う、まるで回遊魚のような思いで体温コントロールをしているような…つもり (^_^;)
さすがに最高気温のピークを過ぎた時間帯に入っていることと、山間木陰ルートの連続で
随分と涼しく感じます。
その代わりところどころ路面コンディションのよろしくない場所があることも当然。
皆さん初めてでも判断と操作のミスをすることなく一期一会のコーナーリングを楽しみとしてとらえてくれています。。。そのハズ。
暑さを忘れる山越えの後、休憩は「道の駅厳木」
ここで高さのある盛り付け(巻きつけ)で注目のソフトクリームを食べるつもりでしたが、
なんとなんとオーダーストップ。。。
しかもキッカリ4時で。。。
見れば、4時前ギリギリでオーダーが通った人たちがノッポなソフトクリームを渡されるのを待っているではありませんか。
あーこれはプランを練り直してまた来ないといけないことになってしまった本日最大の失策。
そしてそろそろツーリングも終盤。
嘉瀬川ダム周辺ではダム周辺にもかかわらず結構な起伏がありまして、
コーナーリング中に頂点にさしかかることも多く、左右にではなく上下にコーナーの先が見えないブラインドな瞬間などがあり
これがまた実に楽しくて、暑さなどどこへやら。
天山から三瀬村まで、結果これが最後のドライコンディションとなったのですが、
暑い暑い一日の終盤に、この静寂感に満ちた豪快なワインディングを走れたと言う満足感。
もうここで解散してもいいくらい。
ここまで来ると皆さんももうどのくらい走らされているのかわからなくなっているころではないでしょうかね。
天気予報では今日の午後以降は大気の状態が不安定になり山沿いでは激しいにわか雨が降るでしょうとのこと。
雲仙を離れて以降はいる雨が降ってもおかしくないだろうと覚悟しておりまして、
最悪の場合、多久あたりで切り上げて帰って来ることも想定していましたが。
予想を超えた晴れ模様でここまで好条件でツーリングを楽しんでまいりましたが、
最後の脊振山超えに向かう手前で遂にびしょ濡れを確信。
いまさらジタバタしても仕方ないので、本格的に降り出す前に皆さんに呼びかけて雨仕度。
レインウェアを着込むだけでなく、スマホやカメラも片付けて
タイヤのグリップに集中して、バイクの汚れも気にせず久しぶりの雨走行を楽しむ覚悟はできていましたが、
集中豪雨が通り過ぎた直後のようで脊振山は多くの車がノロノロ運転、
いまさら無理をする必要もありませんからこのまま長崎道の東脊振ICを目指します。
予想通り、山を降りてくると雨は降っておらず路面もドライ。
ココでお一方この近隣からお越しのメンバーが離脱。
このあと高速道路に上がり心配された鳥栖ジャンクション周辺の渋滞も無く全員揃って古賀SA
日没前に解散式となりました。
今回の走行距離は620Kmほど。
走行風を絶やさないよう、ルートには拘りましたが
ルート分岐での幸運もありあらかじめ知らされていなければそんなに走っていたとは思えない距離感覚だったのではないでしょうか。
この酷暑の日、これだけの距離を走りとおしたのだから
「今年の夏も走ったよ~」と、
夏は暑いから乗らないと仰る人たちにご報告してください。