伊勢崎市議会議員 多田稔(ただ みのる)の明日へのブログ

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消滅可能性自治体 群馬県の将来像

2024-04-29 16:19:05 | 政治・政策・経済

全国の消滅可能性自治体が発表され

注目されています。

その通りになるかどうかの議論はひとまず置いて、

群馬県の将来像を考えてみました。

 

 

 

(長期人口の見通し)

 

人口学から見れば一説には、

日本の総人口は今後100年間で

現在の3分の1にまで減少すると予測されています

3分の1減るのではなく、7割減です。

 

江戸時代の日本は鎖国政策でしたので、

食料や物資の生産には限界があり、

約3千万人で一定でした。

 

明治維新後は軍隊も、産業も人が多いほど有利なので、

人口は増え始めました。

明治の終わりからわずか100年の間に、

3千万人だった人口が4倍に急上昇。

日本の人口史として異例の増え方でした。

 

今後の100年間は、増えた時の勢いが逆転し

今度は急激に減少すると予測されています。

日本全体の人口が急激に減るのですから

自治体が移住政策にお金や労力を注ぎ込むのは

非常に筋が悪い政策と私は考えてます。

どこかの自治体が増えれば、

どこかの自治体はその分人が減るのですから。

国全体で見れば貴重な税金の無駄遣い。

 

 

 

(消滅可能性自治体)

 

朝日新聞HPにある消滅可能性自治体の予測地図です。

リンク先の地図で自治体にカーソルを合わせれば、

自治体ごとのデータが示されます。

 

この地図では、2050年時点で子どもを産める若い女性について

2020年と比べて減少率が高い自治体ほど濃い色で表しています。

「消滅可能性自治体」は若年女性人口が50%以上減少する自治体。

 

高齢化率全国1位の南牧村と、隣の下仁田町は

一番濃い色となっています。

(参考:消滅可能自治体エクセルデータ

 

 

 

(自治体合併の可能性)

 

高齢化が進み、あまりに人口が少なくなってしまえば、

単独の自治体として存続するのはかなり困難。

水道事業や土木や保健衛生などの専門職は、

ある程度の職員数が確保されなければ配置が困難です。

 

これまでのやり方では、自治体規模拡大のためには

近隣の自治体と合併する手法がとられてきました。

しかし、南牧村のケースでは、

隣の下仁田町も同様に消滅の可能性が非常に高いので、

この二つが合併しても改善になりません。

 

そうであれば、

そのまた隣の富岡市とも合併すれば大丈夫なのか?

この地図では富岡市も消滅可能性自治体なので、

合併しても存続の可能性は低いまま。

藤岡市、安中市も同様に消滅可能性自治体です。

 

そうなると、群馬県の西部地域で最終的に頼れるのは

高崎市しかないと考えられます。

玉村町は高崎市と前橋市に隣接しますが、

役場がある地域が高崎市と同じ利根川右岸にありますので、

高崎市のグループに入れました。

 

同様に群馬県の北部地域と吾妻郡地域を考えると、

前橋市しか長期的に核になれる自治体はありません。

 

群馬県内の残りの地域は、

東毛地区と言われる平野部です。

桐生市の人口減少は激しいので、

太田市と伊勢崎市が核になると予想されます。

伊勢崎市は前橋市と隣接していますので、

前橋市と合併する可能性もありますが、

太田市と伊勢崎市の両市は全国有数の工業都市であり、

平野部に広がる自治体なので、

共通の産業政策や地域振興策が採りやすいと考えました。

 

以上の話を整理しますと、

群馬県の西部地域は高崎市を核に存続を目指し、

北部と吾妻地域は前橋市を核にし、

残りの平野部の東部地域は一つになる、

という長期予測です。

 

100年後に日本の人口3分の1を見据えた

明治維新以来の、自治体再編の大事業になると思います。

なにしろ人口がどんどん減っていくのですから、

隣の自治体と合併するのは気に食わないとか、

新しい市の名前はどうするのか

といったレベルの話ではありません。

 

いかに住民へ必要な行政サービスを

途切れなく、安定的に届け続けるためには

どうしたらいいのかを、

各自治体はもとより、国レベル、県レベルで

真剣に考え、準備し、取り組みを進めていくべきです。

特に県の役割は大きいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

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