きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

生成AI 光と影③ 雇用・個人情報も

2024-03-23 06:59:36 | 経済・産業・中小企業対策など
生成AI 光と影③ 雇用・個人情報も

生成AI(人工知能)は生活にも悪影響を与えます。国際通貨基金(IMF)は1月、AIが雇用に与える影響を発表。先進的な国ぐにでは、最大6割の雇用がAIの影響を受ける可能性があるとしました。
生成AIは言葉を介して文章や画像、動画を生成します。当然、言葉や文章、知識を扱う職業は無関係ではいられません。先進国ほど影響が大きくなるのはホワイトカラーが多いからです。

拡散 粒子や熱、運動量などが広がり、散らばる物理的な現象です。インターネット上の会員制交流サービス(SNS)においては、投稿されたメッセージを多くの人に引用してもらうという意味でも使われます。

格差さらに拡大
またIMFは、「AIが所得と富の格差にも影響を与えうる」と指摘しています。AIを利用できる労働者の賃金が上がる一方で、利用できない労働者は取り残されてしまうからです。
米金融大手ゴールドマン・サックスが2023年3月に発表した、生成AIが雇用に与える影響調査によると、自動化が可能な比率は、オフィス事務46%、法務44%、ビジネス・財務35%(グラフ)。ホワイトカラーの大部分の仕事が生成AIによって奪われる結果となっています。
日本の場合、「一般事務」の有効求人倍率は0・36です(パートを含む)。職を求める3人に1人しか仕事がありません。一方「建設」は5倍超、ケア労働者や運転手も人手不足が深刻です。労働市場でミスマッチが起きている日本では、生成AIがこのミスマッチをさらに拡大します。
AIの雇用への影響を研究している井上智洋(ともひろ)駒沢大学准教授は「(大幅賃上げで)ブルーカラーに労働力を集めないと、日本経済全体は立ち行かなくなる」と述べています。




偽情報がまん延
データさえあれば、生成AIは本物そっくりの動画を作り出せます。
ウクライナでは、解任されたザルジニー総司令官が昨年11月、ゼレンスキー大統領を批判し、軍事蜂起を呼びかける偽動画がネット上で拡散されました。この動画の作成にも生成AIが使用されたと指摘されています。
日本でも能登半島地震の際にNHKなどを装った偽情報・偽投稿が現場に混乱をもたらしました。
バイデン大統領が第3次世界大戦の開始を宣言するフェイク動画が拡散されたこともあります。
今年はアメリカ大統領選挙や欧州連合(EU)など世界各地で重要な選挙が行われ、数十億人の有権者がかかわります。意図的に生成AIを使って作られた偽情報・誤情報によって政治対立を深刻化する恐れが強まっています。
AIによるプライバシーの侵書や個人情報流出も重大です。生成AIは大量のデータを必要とします。これらのデータは、個人の行動、好み、政治信条など、非常に機微な情報を含みます。適切な保護がされない場合、不正アクセスにより個人情報が流出する可能性があります。
また、個人情報が本人の同意もなく、第三者に提供・流通されれば、プライバシーが侵されてしまいます。
AIシステムがサイバー攻撃の対象となる可能性もあります。セキュリティー対策が不十分な場合、攻撃者がシステムを侵害し、機密データを盗むことも可能です。(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2024年3月21日付掲載


米金融大手ゴールドマン・サックスが2023年3月に発表した、生成AIが雇用に与える影響調査によると、自動化が可能な比率は、オフィス事務46%、法務44%、ビジネス・財務35%(グラフ)。ホワイトカラーの大部分の仕事が生成AIによって奪われる結果と。
データさえあれば、生成AIは本物そっくりの動画を作り出せます。日本でも能登半島地震の際にNHKなどを装った偽情報・偽投稿が現場に混乱を。
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