ケン坊のこんな感じ。
キーボーディスト、川村ケンのブログです。




トップの写真は、三日間、全てのサウンドのボトムを支えてくれた、厚見さんが今回の為に購入した、70年代のディープ・パープルと同じ、ラディックのドラム・セットのキック。ロジャーさんのあまりのパワーに、皮を踏み抜かれてしまったのでした。

これが初日のリハーサルでの出来事でした。そして、この事件こそが、ここから始まる三日間の凄まじさを、すでに象徴していたように思います。「これは、何が起こってもおかしくないぞ」と、誰もが感じたのではなかったでしょうか。そしてそれは決して不穏なものではなく、初めて爆音でロックを聴いた日のような、自分の心臓の鼓動が身体をぐらぐらと揺さぶるような興奮に近かったと思います。

そして三日間、本当に素晴らしい体験でした。くたくたになりましたが、安易に言葉にしてしまうのが勿体無いくらい、最高の時間でした

今日は、このライブを支えてくれた、共に戦ってくれた、機材たちを(と言っても、鍵盤関係だけですが。他はてんでわからにゃいので)ご紹介したいと思います。じっくり書いてしまうと絶対に文字数制限で書ききれなくなってしまうのが目に見えていますので、極力、短く、サクっとね(←・・・いつも同じ事を言ってる(笑))。

 

厚見さんのC3。工夫次第で、たった一台のオルガンで、あんなにもカラフルで、緩急のある、多彩なサウンドが出せることを、皆さん、間近で体感されたことと思います。ただし、あれは誰にでもできる事ではない、という事はお伝えしておきたいと思います。厚見さんならではの、驚愕のオルガンサウンドでした。

 

対して上手(僕と田中さんが使った)側には、最新機種でありますPortaB。多列接点を採用した、本格的なクローン機です。今回、約40年以上もの隔たりを経た新旧二台のハモンドが対峙したのでした。いかがでしたでしょうか

 

セットには、合わせて四台ものモーグが設置されました。まずこちらは、僕のミニ・モーグ。

 

今回のライブの為に、二回、改造の為に入院させましたが、結果的には大正解だったと思います。気持ちのよい最高の仕上がりで本番を迎えることができました。

 

こちら、おなじみの厚見さんのミニです。フロント部分には開発者であります、故・ボブ・モーグ博士のサインがあります。

 

今回は、シンセ・ベースとしてのセッティングがされていました。モノラル(単音しか出ない=和音が出せない)なだけでなく、音色のセッティングも記憶が出来ないため、こうしてテープで目盛りに印をつけておくことがよくあります。これがまた、カッコいいんですよね(←マニアだけかな(笑))。

 

三台目のモーグは、宇宙征服の田中さんのミニ・モーグ・ボイジャーです。なんとこちらにもモーグ博士のサインが。生前、最後に日本を訪れた時のものだそうです。このボイジャーは超貴重な一台です。

 

この光るホイールがたまらないんだなー。僕はオリジナル・ミニ派なんですが、このホイールにはやられちゃうんですよね。きれいだなー。いいなー。ちなみに、田中さんは、オリジナル・ミニも持っています。すごい。

 

で、実はこれが四台目のモーグなんです。タウラス、と言って、ベース専用のモーグなんですよ。他の機種では絶対に出せない、唯一無二の強烈な低音が出ます。間違って関係ないところで踏んでしまうと、大変なことに(笑)。こちらも田中さんの所有物。厚見さんもお持ちです。僕は、持っていません。・・・まだ(笑)。

 

そしてメロトロン。こちらは上手側、僕の側にあったものです。ノヴァトロンと書かれたプレートを剥がしたら、したからメロトロンの名前が出てきた、という一台です。これは厚見さんのものですが、鍵盤が恐ろしく重たいのです。まるで「気合の無いやつには弾かせない」といった感じで、本当に指が押し戻されますので、弾くのには物すごく力が必要なんです。でも、厚見さんは「音にも気合が入る気がして、これがいいんだよ」と仰っています。・・・僕もそう思います。

 

そして、こちらが厚見さん側に設置されたノヴァトロンです。これも、このプレートをはぐとメロトロン、と書いてある公算が高い、とはエージさん談。

 

中にはこのように、鍵盤一個あたり、三種類の音が録音された一本のテープが張られています。サンプラーの元祖ですね、テープは7秒ほどで終わってしまうので、音もそれで切れてしまいます。メロトロンとノヴァトロンの違いについては、ご興味のある方はこちらをどうぞ。音や機構はまったく一緒です。

 

PortaBの上に置かれた、ウーリッツァー・エレクトロニック・ピアノです。今回はハード・ロックの中での使用でしたが、実は、あのカーペンターズのヒット曲などでも沢山使われているんですよ。ウーリッツァーはジュークボックスの会社としても有名です。これも厚見さんの愛器です。

 

僕の側のメロトロンの上に置かれた、ホーナー・クラビネットD6です。中には弦が張ってあり、それを弾いた音を、ギターと同じピックアップで拾うのです。そして、今回、ギター・アンプから音を出していました。そう、鍵盤のカタチをした、ギターなのです。ファンキーなプレイには欠かせないマシンです。「クラビネット」の音はシンセにもまず必ず入っていますが、シンセよりもこの本物の方が全然弾き易いです。こちらも、厚見さんのものです。

 

そして、おなじみカワイのMP9000です。僕は、このピアノの音が大好きなんです。今回も、一曲だけの為でしたが、これを持ち込みました

 

最近、安全地帯さんの現場でも活躍しています、ヤマハのMOTIF XSシリーズ。これはMOTIF6です。注目は、ミニ・モーグと同じホイールが二つ、採用されているところです。このホイールはミニ・モーグが世界初だったんです。そして、それがこうして2010年の最新機種にも採用されているなんて、面白いですよね

 

あっちゃこっちゃ飛びますが、こちらはウーリ(ッツァー)の上に設置された、田中さんのNORD WAVEです。コンパクトな躯体から、太く、素晴らしい音がするマシンでした。

 

こちら、アニメ「けいおん!」で、登場キャラの使用機材として採用されてプレミアが付いてしまったという(笑)、コルグのTRITON(トライトン)Extremeです。青く光る真空管がトレードマーク。今回、厚見さんはシンセ・ベースの音を殆どこのマシンで出していました。これは、僕も持っています(こちらの記事をご参照のこと)。

 

厚見さんは、C3の上のローランドのMIDI鍵盤からもTRITONをコントロールできるようにコネクトしていました。こうしてみると、この鍵盤がべース専用の鍵盤に見えてきてカッコいいですね。まるで、ドアーズで使われていたローズのベース・ピアノみたい

 

舞台脇には、本番では鳴らされませんでしたが、一段鍵盤に改造された古いハモンドが。ドローバーに数字が書いていないのが、初期~中期の証です。音、最高ですよ。もう、50年近く前のハモンドです。

 

その上には、最新のハモンド、XK-3cを設置しておりました。ハモンドさんの技術の粋を集めて作られた、現代のコンボ・ハモンドです。僕も方々で使わせていただいています。

 

最新のコンボ・レスリー、2103mk3です。小さいライブハウスの時には、僕はこれを持ち歩いています。実は、小さな身体ですが、あの大きなレスリー147の倍の出力があるんですよ

 

なんと、会場には五台のレスリーがあり、あちことでクルクルしておりました(笑)。これは、最新の3300Wというモデルです。

 

そしてこちら、僕と田中さん側のラック。音源としては、MOTIF XSとES、二台のラックをマウントしておりました。

 

対して、厚見さん側のラック。音源は一つもない(笑)!奥にはベースアンプ、手前には、ヤマハのデジタル・ピアノ、CP300が見えますね。

 

そして、いよいよ、全景です

 

まずは、舞台前(笑)下手(しもて)、厚見さんのセットから。手前左に、ピアノ用に設置されたレスリーがあることにもご注目下さい。

 

そして、こちらが上手(かみて)、僕と田中さんが使った側のセットです。こんなセットを組めることは、もう無いかもしれません。僕はボイジャー以外、全部使いました。

・・・楽しかったなぁ

 

・・・と、かなり駆け足で、見てまいりました。皆様、どうもお疲れ様でした

 

では、最後に冷たいものでも、

 

どうぞ、どうぞ

やっぱり熱いライブのあとは、これですよ(笑)。

 

そうそう、ご心配お掛けしましたが、僕はすっかり元気になりましたー。イエーイ。かんたーん

 

ではー。



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