物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

saveurと

2021-09-29 11:28:49 | 物理学
saveurとは「味と香り」を意味するフランス語である。味と香りとは別物のような気がするが、これが一語であることが不思議である。

今もそうかもしれないが、昔、素粒子の世界では色(color)と香り(flavor)という語が聞かれたころがある。

クォークが素粒子であることが確立していく時代であった。荷電が整数ではない、半端な分数荷電であるクォークを素粒子と認めるという心理的なバリアーをクリアできたのは、いわゆるクォークの閉じ込めの考えが定着してからであった。

要するに、クォークを単独で取り出そうとすると、無限に大きな力が必要で単独では取り出すことができない。その代わりにクォークにきわめて近くに近づくとクォーク間には力が働ない。いわゆる漸近的自由が成り立っている。

そして、そのような場の量子論が成り立っている。いわゆる量子色力学の成立である。これもすでにもう半世紀も前のことになってきた。