直訳すると青いノート。2004年リリースだ。青いノートと言えば、ポール・オースターの「オラクル・ナイト」を思い出す。文章を書けなくなった作家が青いノートを見つけ、そこに文章を書くことで、再起のきっかけとする。そんな話のまさに冒頭部分。
この小説が本国では2003年の発売。
それを知ってか知らずしてか、ほぼ同時期に青いノートというキーワードで小説と音楽が誕生しているのは驚きだ。
さて、音楽の方だが。
バイオリンをメインにピアノで奏でられる曲群。
ノスタルジックで美しい旋律。
マックス・リヒターは自らポストクラシカルと称しているだけに、クラシックが基本にあり、現代風のニュアンスを含む。
決して電子楽器を使用しているからではない。
少しずれれば安っぽいクロスオーバーに陥るところを、クラシック寄りに引き戻している。
構成的にはミニマルミュージックのような、例えばフィリップス・グラスのような、繰り返しが印象的ではある。しかしそこまで無機質ではなく、抒情性がある。
また、坂本龍一のアルバム「out of noise」(の、特に2曲目「hwit」)や「async」に通じる空気感がある。日本的な抒情性。
宇宙的でもある。
映画のサウンドトラックにピッタリかもしれない。というと、ちょっと安易かもしれないが。
マックス・リヒターといい、フィリップ・グラスといい、現代バレエの音楽に使われることが多い。
実は今日のNHKでバレエ特集で流れていたのが、マックス・リヒターの「four seasons」だ。そこで知り、調べてこの「The Blue Notebooks」にたどり着いた。
因みにフィリップ・グラスは海外ドラマ「Dr.HOUSE」シーズン5の23話「消えないアンバー」で、やはりバレエの伴奏で初めて知った。