ビールを飲むぞ

酒の感想ばかり

宗玄純米吟醸百万石乃白

2022-11-30 22:44:04 | 日本酒

宗玄の蔵元で購入。

仕事で珠洲市から能登町に向かっていると、ナビに宗玄という地名が出てきた。まさか宗玄酒造の宗玄かと思って調べると、まさにその通りだった。

蔵元に直売所があり、せっかくなのでここでしか売ってないものをと(とは言うもののなかなか直売所限定というものはなく、金沢に戻ったら普通にスーパーに置いているということが多いが)、これは本当に直売所限定のようだ。

注ぐやや琥珀。

香りは吟醸香。少し米の香りもある。

飲む。

能登らしい、濃醇なフルーティーさ。

リンゴ酸は感じられないので飲みやすい。

全体的に苦味が多いか。

濃いので、あまりグイグイとは飲めないかもしれない。

箱がしゃれている。


サントリー金麦深煎りのコク2022

2022-11-27 19:02:19 | ビール以外

デザインは前回を踏襲。

木目調の茶色いデザイン。Alc6%のところが違うか。

注ぐと色は濃い茶色。そして前回同様、赤みがかっている。

飲む。

焦げ臭さがあるかと思ったが、そこまでではない。

マイルドな焦げ感。

なので、チョコレートのように感じる。

と、2021年版でも書いた。

ただチョコレートと言っても砂糖満載の甘いチョコではなく、程よい甘さ。カカオ100%のような、全く甘味がないわけではない。適度の甘さ。


菊姫鶴乃里2014BY

2022-11-25 21:26:16 | 日本酒

かほくの酒のこんちきたいで購入。

菊姫の鶴乃里だが、ラベルに書いてあるとおり、2014年醸造である。今は2022年。

蔵元で1年寝かしているらしいので、実際は2015年に店頭に並んだものだろう。

それにしても醸造してから8年熟成させたものだ。

ワインではあるまいし、日本酒でこれだけ熟成させるのはすごいことだ。

驚いたことに琥珀色は想像したほど濃くない。しっかり厳格に管理されていたからだろうか。

香りは注いだときから、吟醸香のような香りが漂う。

ただ近づくと、濃厚な日本酒の香り。辛口で濃そうだ。

飲む。

えっ?信じられないほど飲みやすい。老香など全くない。

実は中身は今年のバージョンで、2014年のラベルに貼り替えただけなのではないかと思いくらい。

確実にまろやかになっている。

フルーティーさすら感じ、日本酒感はない。それを低音寄りにぎゅっと濃くした感じ。

大手メーカーの普通酒路線でありながら、当然ではあるが、遥かに完成されている。いや比較するのも愚かだ。

飲み進めると後味にやはりカラメル風の風味を感じないではない。

なのだが、飲むほどに、そしてつまみと合わせるほどに風格を感じる。

風格なのだ。

8年も寝かさないと我々はこの味を味わいことができないのか。

鶴乃里のポテンシャルに感服するとともに、これほどうまく熟成させた酒店にも感服する。

いやもう、心地よくて、ずっと飲み続けていたい。

実は中身は最新の2021年物だったりして。

いやしかし、2021年物はもっと荒々しく刺激感があったと思うので、こちらは、まさにまろやかになっている。

20221202追記。若干琥珀色が増した感じが無くはない。

飲むと、やはりパワフルという感想。カラメル感はあるし、吟醸感もある。老香感は全くない。いい感じでカラメル感が力強さを印象付ける。決して濃厚甘めのものではない。吟醸感とマッチ。

ただ、吟醸感と言っても華やかなとか、フルーティーなとか、酸味っぽさという印象には感じないのがカラメル感との絶妙なバランスだ。


「スクイズ・プレー」ポール・ベンジャミン

2022-11-22 00:15:56 | 読書
長年ポールオースターを読んでいるならば、推察のとおり、ポールオースターの、ポールオースターになる前のペンネーム時代の作品。
作家デビューできるという条件に、大衆的な小説、すなわちハードボイルド小説を嫌々書いたという。読んでみるとまさにハードボイルド。読んだ数少ないハードボイルド小説のなかで言うと、チャンドラーというよりは、ブコウスキーに近い。しかし好みはこちらだ。相手の話しかけたことにいちいちいちゃもんをつける。そんな雰囲気。ただ、さすがにオースター、それが小気味良い。
これがハードボイルドというものなのだろうか。状況描写がほとんどで、実際の中身は少ない。マックス・クラインが、ジョージ・チャップマンを怪我させ野球人生を終わらせたトラック運転手のブルーノ・ピグナートに会いに行き話を聞き出そうとして失敗して帰る。それだけの場面で1章分使う。冗長とも言えるが、情景描写がまたくどい。しかしさすがオースターのストーリーテリングで小気味良い。
キャシーと離婚したが、今の仕事である探偵になった時から、関係性が回復した。そんなときにキャシーと結婚したいという男性が現れ、その男性と結婚するか、マックスと復縁するか迷う。マックスはキャシーが望むものは何一つ与えられないだろうと答える。このあたりは悲しく、ハードボールドではなく純文学風。
ジョージ・チャップマンの所属する球団のオーナーであるチャールズ・ライトを訪ねる。チャールズとしてはチャップマンが怪我をして選手としては活躍できなくなった。しかし8年の契約上、報酬を払い続けなければならない。そんな中恩義を忘れ政治家になろうとしていることが気にくわない。
マックスがチャップマンを訪ねると殺害されていた。殺人課のグライムス警部補に疑われる。
次にピグナートを訪ねるとこれまた殺害されていた。ゴリンスキという捜査官がやってくるがそいつにも疑われる。
ジュディを訪ねる。そこには弁護士のバーリンソンとアソシエイトがいた。いけすかなそうな弁護士。マックスと二人にしてれと頼むジュディ。二人きりになった途端ジュディはマックスを求める。モテるやつだ。
ジョージは死亡するわけだが、その殺人容疑がジュディにかかっている。
マックスは背後を調査していると、関係のうまく行っていなかった所属する球団のオーナーや、マフィアなど、いかにも怪しい人間関係が出てくる。
その過程で、マックスはヒットマンから命を狙われたりする。
結末はそれぞれの登場人物の全く違った顔が判明する。
ジョージの死因は自殺。自分の才能を多額の金を賭けて賭けをすることにしか意味を見いだすことができない。
そしてジュディはいわゆる魔性の女だったのだ。チャップマン、教授と関係を持ち、自分の手を汚すことなく、それどころか暗殺者を使うことなく自殺させてしまうのだ。マックスも言ってみればそれに巻き込まれたわけだが、ジュディと別れでもって逃れた感じになる。言ってみればジュディに関わったばかりに暗殺者から命を狙われることになったわけだが、全くとばっちりだ。
マックスには妻子がいた。妻とは関係が覚めきっており、妻は子供をつれて家を出て行こうとしている。結婚を続けるどうか決める最後の機会に、なにも知らない息子と、初めて生の野球観戦に二人きりで行く。すごくいい思い出だ。息子を妻の元に送り届ける。そこで妻から最後のチャンス、結婚を続けるか終わらせるかの決断を迫られる。マックスはもう決めていたのだ。妻にとって最善の人生を選ぶことを望むと。そして去る。それから背後で聞こえる息子の泣き叫ぶ声が悲しい。
結局この章があまりに文学的で、ハードボイルド小説のエンタメ的なオースターではなく、その後の文学作家オースターが垣間見れる。
ハードボイルドらしく最後は悪女が思わせぶりに、しかしあっさりと去っていく。
ある意味ルパン三世っぽい。というのか、ルパン三世がハードボイルドを醸しだしたのかは現時点ではよくわからない。
 
20221021読み始め
20221122読了

トゥーランドット

2022-11-21 23:11:58 | ビジュアル

この週末はトゥーランドットを再認識。

配役を改めて見てみる。

買った当初は知らないキャストばかりで何の興味もなかった。しかし。

リウ役のバルバラ・フリットーリ。はじめはちょっと顎の肉付きのいい地味なオバサンなどと思っていた。今Googleで検索すると、かなり美形の歌い手だ。多分この衣装がよくないのだろう。

カラフ役のセルゲイ・ラーリン。はじめはずんぐりしてて、それでいて目は少女的な。これまた全くルックス的にさほど興味はなかった。だが、改めて「誰も寝てはならぬ」をじっくり聴いてみる。パヴァロッティの声を聴いた後だ。すると、なんといい声なのか。見直した。他に出演している作品はないかと調べていると、なんと2008年に急逝しているとのこと。どうりで活躍の情報がないわけだ。なんとも惜しい。

このオペラは合唱が多い。

いかにもファンタジーという雰囲気や構成。

 

2015年版ブレゲンツ音楽祭のもの。つまりボーデン湖畔での公演。この舞台がやはりいい。湖の上という自然の舞台のため、演者はヘッドセットをして歌う。そして屋外なので(湖の上というのもあるからか)風が若干強く、着物が時たまそよぐ。

トゥーランドットをのせた船が目隠しされて流れてくる。ペルシアの皇子処刑の場面。カラフは怒りを覚え顔を見せろという。船上から顔を見せるトゥーランドットに一目惚れ。トゥーランドットは一瞬だけ顔を見せ、カラフに背を向ける。つまる画面のこちらに顔を向ける。カラフにピントに合うのでトゥーランドットはピンボケというカメラワーク。