かほくの酒のこんちきたいで購入。
菊姫の鶴乃里だが、ラベルに書いてあるとおり、2014年醸造である。今は2022年。
蔵元で1年寝かしているらしいので、実際は2015年に店頭に並んだものだろう。
それにしても醸造してから8年熟成させたものだ。
ワインではあるまいし、日本酒でこれだけ熟成させるのはすごいことだ。
驚いたことに琥珀色は想像したほど濃くない。しっかり厳格に管理されていたからだろうか。
香りは注いだときから、吟醸香のような香りが漂う。
ただ近づくと、濃厚な日本酒の香り。辛口で濃そうだ。
飲む。
えっ?信じられないほど飲みやすい。老香など全くない。
実は中身は今年のバージョンで、2014年のラベルに貼り替えただけなのではないかと思いくらい。
確実にまろやかになっている。
フルーティーさすら感じ、日本酒感はない。それを低音寄りにぎゅっと濃くした感じ。
大手メーカーの普通酒路線でありながら、当然ではあるが、遥かに完成されている。いや比較するのも愚かだ。
飲み進めると後味にやはりカラメル風の風味を感じないではない。
なのだが、飲むほどに、そしてつまみと合わせるほどに風格を感じる。
風格なのだ。
8年も寝かさないと我々はこの味を味わいことができないのか。
鶴乃里のポテンシャルに感服するとともに、これほどうまく熟成させた酒店にも感服する。
いやもう、心地よくて、ずっと飲み続けていたい。
実は中身は最新の2021年物だったりして。
いやしかし、2021年物はもっと荒々しく刺激感があったと思うので、こちらは、まさにまろやかになっている。
20221202追記。若干琥珀色が増した感じが無くはない。
飲むと、やはりパワフルという感想。カラメル感はあるし、吟醸感もある。老香感は全くない。いい感じでカラメル感が力強さを印象付ける。決して濃厚甘めのものではない。吟醸感とマッチ。
ただ、吟醸感と言っても華やかなとか、フルーティーなとか、酸味っぽさという印象には感じないのがカラメル感との絶妙なバランスだ。
この週末はトゥーランドットを再認識。
配役を改めて見てみる。
買った当初は知らないキャストばかりで何の興味もなかった。しかし。
リウ役のバルバラ・フリットーリ。はじめはちょっと顎の肉付きのいい地味なオバサンなどと思っていた。今Googleで検索すると、かなり美形の歌い手だ。多分この衣装がよくないのだろう。
カラフ役のセルゲイ・ラーリン。はじめはずんぐりしてて、それでいて目は少女的な。これまた全くルックス的にさほど興味はなかった。だが、改めて「誰も寝てはならぬ」をじっくり聴いてみる。パヴァロッティの声を聴いた後だ。すると、なんといい声なのか。見直した。他に出演している作品はないかと調べていると、なんと2008年に急逝しているとのこと。どうりで活躍の情報がないわけだ。なんとも惜しい。
このオペラは合唱が多い。
いかにもファンタジーという雰囲気や構成。
2015年版ブレゲンツ音楽祭のもの。つまりボーデン湖畔での公演。この舞台がやはりいい。湖の上という自然の舞台のため、演者はヘッドセットをして歌う。そして屋外なので(湖の上というのもあるからか)風が若干強く、着物が時たまそよぐ。
トゥーランドットをのせた船が目隠しされて流れてくる。ペルシアの皇子処刑の場面。カラフは怒りを覚え顔を見せろという。船上から顔を見せるトゥーランドットに一目惚れ。トゥーランドットは一瞬だけ顔を見せ、カラフに背を向ける。つまる画面のこちらに顔を向ける。カラフにピントに合うのでトゥーランドットはピンボケというカメラワーク。