ビールを飲むぞ

酒の感想ばかり

「神曲崩壊」山田風太郎

2020-07-31 23:31:33 | 読書
主人公が雪がちらほらする中、夢見心地にダンテの「神曲」を読んでいるときに、突然異世界に飛んでいく。
こういった小説にありがちな、夢オチ、これはないと、初めに宣言されている。
なにやら、主人公が読書しているその瞬間、核爆弾が複数多発爆発し、地球は粉々になった。それと同時に天国地獄も吹きとんだ。
師はダンテだ。霊柩車を車に引く馬車という和洋折衷の乗り物で移動する。馭者はフランスの箴言で有名なラ・ロシュフコーそして、ラスプーチン。どちらも山田風太郎のお気に入りの人物。
飢餓の地獄(はらぺこのインヘルノ)。
正岡子規。病床にあっても食欲が旺盛だ。夏目漱石。栄養浣腸の場面。正岡と夏目は親友だったが共に最後まで食い気に執着して死んだ。石川啄木。金田一京助が枕元にいる。貧困の石川で、明日の100円より今日の10円が欲しい。夏目から石川に見舞金を託された芥川龍之介。途中で永井荷風を見かける。夏目の見舞金が10円であることを聞いた永井はボストンバッグに入った2千3百万石をチラリと見せる。が、見せただけでバッグの口を閉じる嫌味な行動。尾崎放哉という俳人。自ら餓死するという、生きるためのあらゆる努力を放棄するという最弱の人間であると共に最強の人間。辻潤という大正ダダイズムの思想家。スットコドッコイの啖呵で有名。水と雑草だけで生きている。乃木将軍と妻の静子。自分は粗食で生活していた。殉死の真相は?最後だからと自分の馬にカステラと饅頭を食べさせようとするが、馬はちょろっと嘗めただけで興味を示さなかった。乃木は馬が食べなかったら河上にでも食わせろという。その河上肇だが饅頭に執着したのか饅頭の句ばかり読んでいる。難波大助というテロリストの父である難波作之進。それを取り調べに来た山口良忠という判事。山口は戦後のヤミ米を拒否し栄養失調で死んだ。他にコルベ神父、ガンジー、沢庵、俊寛という僧が簡単に登場する。
飽食の地獄(くいすぎのインヘルノ)。
小島政二郎、壇一雄、吉田健一、山本嘉次郎がテーブルを囲んで食事を注文しようとしている。みんな下痢で尻の下に下痢を一時溜めておく組織が椅子のように出来ている。獅子文六と子母澤寛。冷飯に水をかけ沢庵で食べる。久保田万太郎。行った先はグルメ番組のタレントたち。梅原龍三郎、谷崎潤一郎、松山善三、高峰秀子。梅原はうなぎの蒲焼き、谷崎は牡丹ハモ。松山高峰夫妻は梅原や谷崎のお気に入りの女優ということで相伴させられている。近藤日出造、林芙美子、大宅壮一いずれも食事が遠因で死んだ人たち。徳川家康と佐藤栄作。汚食の間。北大路魯山人も肝臓ジストマという寄生虫で死んでいたとは知らなかった。自分の排泄物から鴨料理を作る。まさに汚食。
酩酊の地獄(へべれけのインヘルノ)。
ロシアやアメリカの禁酒法時代に対して、日本にも戦時中国民酒場と言ってよく似た時期があった。戦後は粗悪な酒が溢逸していた。小栗虫太郎が黒死館の道を尋ねながら歩いている。メチルアルコールで命を落としたらしい。若山牧水。若山の句をバカにする稲垣足穂。そしてその稲垣の詩をバカにする種田山頭火。梶山季之、香港へ不倫旅行をしながら旅先で死ぬ。江利チエミと離婚した相手の高倉健。田中角栄。その来賓に黒田清隆と田沼意次が来ている。中座して2人はそばやに行くと、田沼の息子意知と平賀源内がいた。平賀は酒乱で、酔うと刀を抜く癖がある。酔った勢いで田沼意知を切り殺す。となると思い出すのは黒田清隆だ。案の定、屋敷に敵が襲ってきたことを伝えに来た夫人を泥酔した黒田は斬ってしまう。すでに出来上がっていた2人は、岩崎弥太郎と山岡鉄舟だった。どちらも酒好きだったようだ。無数の酔っぱらい運転の加害者が、かつての被害者から車で轢かれるという酸鼻な光景が挟まれる。エドガー・アラン・ポーがヴェルレーヌに声をかけられ、ロートレック城に行こうと誘われる。城にはゴッホとユトリロが居候しており、カントもなかで「純粋酒精批判」を記しているらしい。横山大観と井伏鱒二そして李白の乗る舟、船頭は古今亭志ん生。
愛欲の地獄(おいろけのインヘルノ)。
鹿鳴館で舞踏をしている男女。様々な装束の人物が見られる。まず源義経と静御前。光源氏、といっても架空の人物なのでモデルとなった藤原道長、相手は紫式部らしい人物。そして玄宗皇帝と楊貴妃。女性はいずれも面を被っているが、BGMが運命に変わったら面をとった女性が老婆になっている。しかも紫式部と思われた人物は清少納言だった。長谷川一夫は女が怖くて、踊るのは自分自身といい、怪盗闇太郎と雪乃丞となり1人で踊る。鹿鳴館の地下には浴場があり、モグラタタキのように穴から首だけ出した男女がいる。スエズ運河を掘ったレセップス。マリリンモンロー。ヴィクトルユゴー。クレオパトラ。日本人では小林一茶。電力の鬼、松永安左ェ門。松永は93歳の時、アスペルギルスという奇病で死んだ。初めて読んだときは気付かなかったが今はわかる、アスペルギルス症。第三環は吉原のような景色。男が化粧して紅格子の中にいる。女郎でなく、男だから野郎。浪曲の広沢虎造。柳家金語楼。菊田一夫。川口松太郎。川上宗薫。木村荘平、牛鍋店の創始者。徳川慶喜、その父親の徳川斉昭。11代将軍徳川家斉。いずれも多くの子を作った。太閤秀吉と秦の始皇帝が向かい合って試合をしている。そのジャッジは金瓶梅の西門慶と伊藤博文。西門慶は架空の人物だがあまりに著名なため作者の化身として甦ることがあるらしい。次に心中した男女の地獄。有島武郎と編集者の波多野秋子。心中だけでなく、愛欲の果ての落魄した者もここにいる。オペラ歌手の藤原義江とそれに従う近松門左衛門。鞍馬天狗に扮する嵐寛寿郎。竹久夢二、東郷青児。ジアコーモ・カサノヴァ。太宰治。第五環は言わば性的犯罪者たち。村岡伊平次、小平義雄、大久保清。阿部定によって千日羅刹の刑にかけられる。
嫉妬の地獄(くろこげのインヘルノ)。
ここは愛欲の地獄の中にある。まず岡倉天心。不倫相手の九鬼男爵夫人波津子、岡倉の正夫人の基子。嫉妬に満ちた三角関係。社会主義者の荒畑寒村。荒畑が投獄されている間に同志で恋人同志だった菅野須賀子を幸徳秋水に奪われた。北原白秋は新聞記者の妻と不倫し牢に繋がれ、地位と名声を失ったが、その新聞記者に示談金を払い釈放。そしてそのままその松下俊子を妻にした。しかし、やがて相性が合わず別れた。現在は章子(あやこ)を後妻としている。白秋の新宅、木菟の家の落成式に突然現れた嫉妬に燃える、前妻の松下俊子。また後妻の章子が気に入らない白秋の弟の北原鉄雄。やがて愛想をつかした章子は白秋を世話していた池田という新聞記者をつれて駆け落ちをする。新聞記者の妻を奪った白秋が、新聞記者に妻を奪われたのだった。大杉栄、保子という妻がいながら神近市子という新聞記者に手を出し、さらに伊藤野枝にも手をつけた。神近と伊藤の嫉妬に燃える争いの後、大杉と伊藤、そして甥の少年の前に、甘粕正彦が現れる。自分は清貧なのに主義主張や女性関係の華々しい大杉に嫉妬してたのである。そして大杉と伊藤はおろか、少年まで殺害する。少年まで殺した後ろめたさに生涯ずっと苦しめられていた。それから簡単に松井須磨子、島村抱月、抱月夫人、芸術座の座員たちが触れられる。三角関係は結局同じ構造だという。名も知れぬ人々が多く犇めいている。人間誰しも嫉妬を持っている。何かしらに嫉妬している。空に浮かぶ雲が人の顔を形作る。その度に人々は嫉妬する。雲が形作った人物は、長嶋茂雄、美空ひばり、田中角栄氏、松下幸之助氏、吉川英治、三島由紀夫、大鵬氏、森進一氏、タモリ氏、原節子さん、吉永小百合さん、山口百恵さん。作者がどういうセレクトをしたのかはわからないが、書かれたのは1986~1987年辺りで2020年7月時点で存命の方もいる。
憤激の地獄(むかっぱらのインヘルノ)
戦時中の煽動者の演説の場面。平清盛が話だけ出てくる。三田村鳶魚という江戸考証の大家。石川達三は怒りっぽい。それは思想から来たものでなく性格から来ていると推測される。三田村が吉川英治の「宮本武蔵」を読んで、歴史的事実が全くなってないと文句をいう。石川は大衆小説にいちいち腹を立てるなと諌めるが、自分の小説家としての人生に虚しさを感じ怒り始める。共産主義者の徳田球一が、二・二六事件の首謀者の1人である磯部浅一に肩車されている。太平洋戦争時の人物たちの言い争い。外相東郷茂徳、海軍参謀長宇垣纏、井上成美大将、新聞記者の桐生悠々。戦争を始めるべきだったか否かで口論している。日本を一時的に滅亡させたのは、日本人の大憤激がもとだからね。日本歴史上最大の悲劇的むかっぱらと言っていいんだから、というラ・ロシュフコーの言葉が沁みる。座頭市の格好をした勝新太郎と黒澤明が言い争っている。溝口健二が忠臣蔵を撮影している。浅野内匠頭と吉良上野介は本人が演じている。そして二人の演技が下手だからと田中絹代に見本を見せるよう指示する。次には様々な怒れる人や人々が入り乱れる。赤穂浪士、水戸天狗党、彦根藩士、西南戦争の薩軍と警視庁の抜刀隊、大塩平八郎、田中正造、織田信長、明智光秀。
最終章。冒頭の宣言通り夢オチにはしなかった。地獄は無数にある泡のようなもので、この地獄はその一つにすぎない。自分のいるこの世界、訪れた地獄は、無数にある地獄の1つにすぎない。マルチバース理論を先取りしている。
飢餓にせよ憤激にせよ、太平洋戦争に絡める辺り、作者の太平洋戦争に対する強い思い、皮肉というのだろうか、それが表れている。
 
20200722読み始め
20200729読了

「鍵のかかった部屋」 ポール・オースター

2020-07-23 11:33:43 | 読書
これもまた2008年3月24日にジュンク堂京都店で購入したまま読まずに(202007)12年の間積読状態だった。幼馴染みのファンショー。その妻から手紙が届く。ファンショーは死んだと。ここでも出てくる。オースターならではのシチュエーション。長年会ってなかった幼馴染みの関係者から死んだという知らせを聞く。
ここでもクィンという探偵が出てくる。
2章はファンショーとの少年時代の思出話。リヴァイアサンの主人公と丸々の関係のような話。かれは自分より一歩(いや数歩)進んでいて、自分は羨望の眼差しといった表現。
3章。ファンショーの創作ノートをスーツケースにいれて持ち帰る。それを開けることで運命を背負う。こんな表現もオースターにありがちだ。主人公はそんなことよりソフィーと親しくなることの方に関心がある。食事に誘う。高級レストラン。そうすることで自分はファンショーの作品に大きな期待を抱いているということを暗に示す。それに答えるように迎えられたソフィーはドレスアップしてやってくる。ソフィーはベンが生まれてから初めて外出したという。ベンとは?オースター得意のベンジャミンか?ソフィーが来るまでカウンターで待つ。そしてソフィーが来てカウンターでしばし会話をする。それからテーブルに移り食事を始めるようだ。話と関係ないが会食の際にこういったワンクッションはいいなと思った。日本ではあまりない。いきなりテーブルで相方を待ち、来なかったら1人寂しくそして食事をするのか?カウンターで待機するならいいかも。
ソフィーはファンショーの創作に関する一切を主人公に対して全幅の信頼を寄せている。好きなようにしてくれと。こんなシチュエーションは他の作品で見た感じがしないでもない。
スチュアートという編集者に作品を持っていく。彼の弟ロジャーは自分とファンショーの同級生で、スチュアート自身もファンショーのことを多少なりと知っているとおもったのだ。実際記憶は曖昧だったが、作品自体はいいと判断した。何かポテンシャルを感じるというのだ。このようなトントン拍子的な展開は、かつて日本のバブル時代のトレンディドラマでもありがちな展開で今思えば恥ずかしいくらいの予定調和的でもある。だがオースター的といえばそういえる。実際最初の出版は大ヒットし、主人公は、これまたオースター的だが、多額の利益を得るのだ。何だか既視感がある。オースターの別作品なのか、この作品をかつて読んでいて忘れただけなのか?そして主人公はファンショーの作品を世に送り出すことで多額の報酬を得る。ソフィーとも結婚を考えるようになる。普通ならここでハッピーエンド。しかしまだ物語の3分の2が終わったにすぎない。
ある日ポストに手紙が届く。署名はなかったが、明らかにファンショーからの手紙であることがわかる。自分は望んで身を隠した。自分の作品を世に出してくれたことに感謝している。それで得た報酬に関して請求するつもりはない。ソフィーと結婚して幸せに暮らしてくれと言うような内容だった。しかし内容は明らかに主人公にしかわからない内容であるが、だれかが例えばソフィーとかがファンショーに成り代わって書いたものなのかもしれないので、実際のファンショー自身の生死も曖昧だ。ファンショーは手紙にそう書いたが、主人公は日々不安でならないだろう。しかし不安の裏返しか主人公はすぐソフィーに結婚を申し込み、ソフィーも当然のように受ける。
5章。主人公が生活保護の対象者を調査する仕事の経験。真面目に取り組んでいたが、対象者は全く相手にしてくれない調査票など書けなかった。それを上司に報告すると、中身より数が大事と、暗に調査票を創作することを示唆された。そこから、あたかも小説の登場人物を作り出すかのような日々を過ごす。調査に出掛けることはなく、机の上で仕事ができたのだった。また実在の人物の数奇な人生がいくつも出てくる。最後はファンショーの創作中に、北極探検家のペーター・フロイヒェンの吹雪に閉じ込められたエピソードがあり、寒さをしのぐため氷のブロックでイグルーを造ってその中に隠れた。ある時、壁がどんどん自分に迫ってきていることに気づく。自分のはいた息が壁に氷として重なっていき、自らを圧迫し始めていたのだった。呼吸という生きるための行為によって、自らの命を危険に及ぼすという矛盾が語られる。
6章。これは複雑な感情だ。ファンショーの母親、ミセス・ファンショーと関係を持つ。主人公は実はファンショーに憎しみの感情を持っていたことに気付く。
7章。大学をやめてさまざまな職を転々とする。船員になる。額があるので重宝がられるが、ほかの船員と同じようになれるか?そうすれば自分の特異性から脱却できる。他人から自由になれることであり、自分からも自由になれるということ。妹のエレンに対しては葉書や手紙を送りコミュニケーションをとり続けていた。母親のミセス・ファンショーのことは無視。しかし、その手賀には母親の検閲を通ったものしかエレンに渡ることはなかった。従ってエレンはほぼ兄からの手紙を読むことはなかった。ファンショーはそれを知っていたに違いない。エレンの方便として使い母にとコミュニケートしているのだ。ファンショーは実際には母親に語り掛けていながら、表向きは母親を無視しているように装っているのだ。これも複雑な感情だ。
ファンショーの過去を調べ、関係者への聞き取りを続けるが一向に見えてこない。その間にソフィーとの関係がぎくしゃくしてくる。ソフィーはファンショーが(生きているにせよ、死んでいるにせよ)死ななければ、自分と主人公の関係は終わるだろうと考え始める。それなのに主人公は伝記を書くための調査をすることによってファンショーを生き返らせようとしていると考える。主人公は最後の調査ということでパリに行くことにする。ソフィーはそのまま帰ってこないのではないかと不安を覚える。もし、帰ってきたら、そのときはソフィーが必要だという証拠なので、安心すると考える。
8章。ピーター・スティルマンという人物が出てくる。主人公がパリの酒場で出会ったアメリカ人の若者だ。「写字室の旅」に出てきた気がするが思い出せない。主人公はパリに行くがどんどん壊れ始める。自分と他人(ファンショー)の境目がなくなっていく感覚。ファンショーは存在しているのか。そして自分自身さえ存在しているのか。ファンショーは鍵のかかった部屋に閉じ込められている。そしてその部屋は自分の頭の中にある。これも一種の実存主義なのか。パリへ出発する前ソフィーは主人公が帰ってくるか疑っていた。それがこのような展開になるという意味だとは思わなかった。このパリにおける主人公の存在についての思考の彷徨は1か月以上に及び、その様子は読んでいるこちらも息苦しくなるほどだった。恐らくこの話はオースター自身の思考を表しているのだろうし、自分だ体験してきたことでもあろう。オースターのその後の作品における気楽な人情味のある話のオースターとは異なる、こんな苦悩を味わってきたのかということが伝わってきて胸が苦しい。
9章。幸いパリからアメリカに戻ることができた。しかし、ソフィーとは1年近く不仲な関係が続いた。しかし、ソフィーや子供たちとはハッピーエンドになることが示唆されている。それと並行して、ファンショーから話がしたいという手紙を受け取り、ソフィーにも知らせず密かに会うことになる。ただ、鍵のかかった暑い扉越しでの対話だ(面会ではない)。頑なに対面することを拒むファンショー。ファンショーは自分の作品が出版されてベストセラーになっていることは知っている。自分が失踪した後、自分の創作の扱いについては主人公に任せたはずだが、創作に関しては自分自身気にっておらず、また出版されることも望んでいなかったのだった。主人公ならきっと出版せず捨ててしまうだろうと期待していたのだ。自分の思いは向かいの階段の下のクローゼットにある赤いノートに書きつくしたのでそれを読んでほしいと頼まれる。ただそれを読むだけが望み。それが自分の考えていることの真実ですべて。扉の向こうでファンショーは拳銃を構えている。主人公が扉を開けたら撃つと脅されるが、そんなことはできないと考える。そして説得を試みる。だが、ファンショーは既に毒を飲んだというし、警察を呼んで助けようとしたら、その時点で拳銃で自分の頭を打ちぬくと言って、為すすべがない。それからの記憶はないが、多分ファンショーは死んだと思われる。帰りの列車を待つ間に、赤いノートを読むが、もはや何の意味もない文字が並んでいるだけだった。それは初めから意味のない文章だったのか、主人公の心理がただの文字の羅列としか認識できなくなっていたのか。恐らく後者だと思われる。そして列車が来るまでの残りの時間、1ページ1ページ破ってはホームに捨てていく。そして出発するその瞬間に最後の1ページを捨てた。
すごい緊迫感から解放されたような読後感。
 
20200712読み始め
20200719読了

サッポロビアサプライズ「至福の苦み」

2020-07-16 22:01:46 | ビール

ファミリーマート限定。

「鮮烈な苦み、上質な味わい」

香りはホップの青々しさ。

飲むと青々し差を感じる。しかし直後から後口にかけて苦みが増加する。

その苦みは香りのある苦みというよりは、味のない苦みだ。おもしろい。

因みに前回はブルーを基調とした缶のデザインだったが、むしろ2019年4月の「至福の香り」のデザインに似ている。


こんにゃく餅

2020-07-15 23:08:30 | つまみ

わらび餅のマイブームが高じてこんなものを見つけた。

製造者:株式会社伏見屋。京都府南丹市園部町高屋車田6

販売車:兵庫県明石市大久保町江井島264

製造者はあの男前豆腐?

こんにゃくベースの餅だ。要はこんにゃくのわらび餅ということだ。

歯ごたえ、食感はわらび餅だ。こんにゃくほど弾力はない。そこはうまく作っている。つまり、やわらかい(けれどもっちりとはしていない)。

味は、わらび餅ではないが、こんにゃくということもない。

もっちりというより歯切れ良いという感じ。

わらび餅にもっちり感を求めるなら異なるだろう。しかしこれはこれで悪くない。

少なくともこんにゃくの土臭さが感じられないので食べやすい。

パッケージ↓

出したところ↓