ちわきの俳句の部屋

メカ音痴おばさんの一念発起のブログです。
人生の後半を俳句にどっぷりと浸かって、…今がある。

「菜種梅雨」それとも「花菜雨」?

2018年03月08日 | 俳句

 今日も雨…これは菜種梅雨ですかね~でも降り続くんじゃあなくて、一日置きという感じなんですが、やはりそう言うんでしょうか?

 しかし、菜の花の頃に雨が降らないわけではありませんので、調べてみるとその頃の雨を「花菜雨」として、「菜の花」の傍題になっています。「菜種梅雨」は「梅雨」と言う以上「長雨」のことですから、まあ4,5日は降り続かないとねえ~。そこで次の2句を比べてみました。

  能面の目の奥くらし菜種梅雨  木村里風子

  旅に買ふ菓子のかるさよ花菜雨  鷲谷七菜子

 「菜種梅雨」の句は、「能面」との取り合せ、それも「目の奥」ですから、あの能面の目にある小さな丸い穴のことでしょう。私が思うに、この能面は〝小面〟という若い女面では…だとすると顔の白さと目の奥の暗さが響き合って、より一層能面の陰翳ある妖しげな美しさが浮かび上がってきます。それが更に季語「菜種梅雨」によって、明るさの中にも陰鬱さの混じった何とも幽遠な感じの景となるのではないでしょうか?

 「花菜雨」の句は、旅に出て立ち寄ったどこかの小さなお土産屋さんでしょうか、それとも自分が食べるおやつかしら…どっちにしろ荷物になるのだから軽いものをと思うのが当然ですよね。菜の花の咲き乱れている田舎道でしょうか?雨も降りしきるようなイヤな感じではなく、サアーッと通り過ぎる春雨のようなとても軽い感じの雨でしょう。この二句を並べてみると本当に対照的ですね。

 読みから考えても、「なたね」と「はなな」の音の響き、更に「づゆ」という濁音の重さと「あめ」という軽さ、それらが季語の特徴とよく通じ合っています。そういう季語の本意を知った上で季語を選択して欲しいものですね。

 我家の豊後梅がやっと咲き始めました。今年はびっしりと花を付けています。去年枝を短く切ったからかしら?

 


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