ちわきの俳句の部屋

メカ音痴おばさんの一念発起のブログです。
人生の後半を俳句にどっぷりと浸かって、…今がある。

足摺野路菊

2017年11月07日 | 俳句

 昨日は朝から会議があって出掛けましたので、テンちゃんの病院は旦那に連れて行ってもらいました。戻って「どうだった?」と聞くと、「もしかすると腎臓が悪くなっているかもと言われ、血液検査をした」と。結果は大丈夫でしたし、傷も化膿が進んでいないと…。ぐったりとして、寝てばかりだったテンに、今朝はやっと元気が戻ったようです。朝から大好きな〝マタタビ〟をくれといったり、外に出してと鳴いては入口をうろうろしています。もちろん出しませんけどね。

 今日は「立冬」です。二十四節気の一つで、陰暦10月節。暦の上ではこの日から冬に入るので、季語としては、「冬に入る」「冬来る」「今朝の冬」などと使います。

   塩甕に塩ぎつしりと冬に入る    福永耕二

 作者の福永耕二については、以前ブログにも紹介しましたが、馬醉木の編集長をされ、若くして亡くなられた方です。ここに描かれているのは、ぎっしりと塩の詰った塩甕…「甕」の字が使ってあるということは、「大きなかめ」ということ。だとすると普通の家庭にある塩壺ではなく、塩をたっぷりと使うような仕事場での…例えば漬け物工場とか、そういうところでの嘱目なのではと思います。きっと粗塩のような粒の大きい結晶の塩が見えてきます。そのきらっと光る塩の白さと「ぎつしり」という量感、それが〝冬に入る〟という実感に結び付いたのでしょう。〝もので詠む〟という俳句の作り方を教えてくれるよいお手本になる句ですね。

 今日は午後句会でした。兼題は〝残る虫〟で、晩秋の季語です。「すがる虫」「すがれ虫」とも言いますが、この「すがれる」という語は、「盛りが過ぎて衰える」という意味ですから、「残る虫」の傍題になっているのです。

   残る虫しづかに窯を休めあり    水原秋櫻子

 これは窯場での景。今は一作業終って、次の焼き入れまで窯を休めている時なのでしょう。その静けさの中で残る虫が、間の延びた細々とした声で鳴いている…そんなちょっと淋しいけれど、でも心安らぐ晩秋のひととき…そんな感じですね。

 この花は、高知県の海岸に生える「シオギク」といってもらったのです。確かにはじめはそうでしたが、だんだん花びらの様子が変ってきて、図鑑で調べてみると、いつの間にか「アシズリノジギク」になっていました。どういうことでしょうか?不思議!

 

 


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