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白い巨塔・第四夜・感想その3・大河内教授・岸部一徳の名演技

2019年05月26日 | 白い巨塔
第三夜までで「大河内教授・岸部一徳はミスキャスト」と書きましたが、前言撤回です。第四夜ではいい味だしてました。

そもそも「悪人ばっかり、善人の里見は弱い」というこのドラマにあって「強い善人」は大河内教授だけです。「救い」みたいな存在です。

ただ「善人」とも言い難いのです。研究者として医者として「ひたすら客観的」なわけです。

裁判で大学側に不利な証言をするのは里見も大河内も同じですが、大河内は責められません。教授だからでもありますが、大河内に「作為」がないからです。

証言はひたすら客観的で「わからないことはわからない。しかし財前が術前の全身状態に疑いがあるにもかかわらず、全身検査をしないで局所だけを手術したのであれば、注意義務を怠ったと言わざるを得ない」というのが主旨です。

過失とも言わず、注意義務怠りと言っています。

どっちにも偏らず、真実だけを追求しようという大河内を、あのクセが強い岸部一徳さんが、堂々と演じてなんの違和感もありませんでした。あの何考えているか分からない無表情が活きていました。

そして解剖を研究目的だという弁護士を、きっぱりと斬り捨て、医学を何もわかっていないと叱りつけます。

ミスキャストではなかった。岸部一徳はやはり名優でした。


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