散文的で抒情的な、わたくしの意見

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みんなエスパーだよ・超能力者の運命・夏帆の魅力的な演技

2020年01月06日 | 超能力
「みんなエスパーだよ」は6年前にテレビ東京から放送されました。配信で初めて見ました。「エロ学園超能力青春もの」です。相当「お下劣」「お下品」です。

驚いた。今の日本の地上波で「ここまでやっていいのか」と驚きました。内容をよく知らなかったので、夏帆のパンチラの連発にも驚きましたし、安田顕が急に助手役の女性の胸を触り始めた時も、何が起きたのかと思いました。

本当に地上波放送なのかと、ネットで確かめたほどです。

「エロくて、下らなくて、面白いドラマ」ということなのでしょう。でも私の感想はちょっと違います。「ちょっと」です。「エロくて、下らなくて、面白い」ことは全く否定しません。

一つは夏帆がよくここまでやったなという感動です。昔の女優さんはよく「根性あるならヌードになれ」とか言われていましたが、ヌードより恥ずかしいかも知れない。それをよく演じています。

実年齢は22歳ぐらいでしょうが、ヤンキー高校生の役です。ただし表情がかわいいので、ヤンキー感は段々なくなっていきます。ただし言葉遣いは最後まで悪い。役についてはあまり説明しません。説明するだけで下ネタになってしまいます。

夏帆さんは、天然コケッコーで「すごく可愛い少女だな」と思いました。その後いくつかの映画で主演をしたはずです。全部かわいい少女、女性でした。「白い巨塔」でも金持ちの娘。「いつまで清純少女、清楚女性」ばかりやっているのだろう、ぐらいに思っていました。正直、出演作を多くは見ていない。清楚女性しかしていないと思っていました。

それがこんなすごい役をやっています。調べてみると2017年には「東京ヴァンパイアホテル」で「ヴァンパイア」役をしています。配信にあったので、ちょっと見てみましたが、あまりに「血まみれ残虐、暴力」シーンが多く、簡単に見られる感じがしないので、こんど覚悟を決めてから見ようかなと思います。


もう一つは「エロくて、下らなくて、面白い」作品、本当にエロ満載で、下らないのに、ちゃんと「青春もの」「超能力者もの」として成立していることです。「性に背を向けたり、無視したりして、青春ものが成立するものか」という監督の声が伝わってきそうです。ちなみに登場人物たちが性を解放してフリーセックスを行うとかいう作品ではありません。例えば透視能力を使って、あらゆる能力を使って、主人公が片思いしている女性が「処女かどうかを確かめようとする」という感じの作品なのです。結果処女だと判定しますが、いろいろあって、主人公は処女だと確信し、叫びます。「これで世界は救われた」。

主人公、染谷将太くんの中にも他の人物の中にも「性欲と純情が心の中で等しく共存」しているのです。それは夏帆さんも同じ設定です。だから彼女の「純情な表情」が活きてくるのです。

染谷将太くんは東京から来た「かわいい子」が好きでたまらないのですが、ドラマの進行の中で、明らかに夏帆に接近していくし、夏帆も染谷くんを好きになります。お互いに超能力で心が読めるのに、その思いがすれ違う。そんなシーンもあります。

素晴らしい作品とは言わないけれど、面白い作品です。でも子供はみないほうがいい。子供には分かりません。


話変わって、

超能力者が超能力で「自己実現をし、連帯を強め、イキイキと生きていく」というのもこの作品の特徴です。

実に珍しいのです。アメリカの「ヒーローズ」でも「七瀬シリーズ」でも映画「モンスターズ」でも、超能力者たちは「超能力があることによって不幸」になります。超能力者狩りなんて言葉もある。

超能力者ものでもっと楽天的な作品はないものか、といつも思っていました。「みんなエスパーだよ」はその楽天的な作品です。

繰り返しますが、子供と「第3話まで最後までみても、この作品が画期的だと思わない、いくら面白くても下品すぎると思う方」は見ない方がいい。そういう人にとってはただの「エロくてくだらないだけの作品」です。それは感性の問題で、そう感じる方が「劣っている」という意味ではありません。もしかすると「エロくて下らないだけの作品」なのかも知れません。