シャンテ サラのたわ言・戯れ言・ウンチクつれづれ記

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格差拡大と若者失業は不可避か

2011年11月13日 | 経済あーだこーだ
写真上左から 社長/部長/課長/係長/平社員/研修生の "顔" だそうです (らばQから)。
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よくもこんなにピッタリ顔の犬の写真を集めたもんです __ 崩壊前のソ連を始めとする旧社会主義国の産品が自由主義国に入ってきてはいたが、微々たる量だった。 ところが 多くの旧社会主義国が崩壊した後、(崩壊前から市場経済を取り入れていた) 中国が "世界の工場" と化してからは 先進国で製造されていた多くの品々が、安価な中国産品に取って代わられ、先進国での製造はコスト高のため減りつつある。 おおまかにいうと、それが先進国の失業率高どまりか 賃金低下に繋がったというのが先進国製造業の現状だろう。
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「グローバル化でなぜ格差は拡大するのか __ 世界は平等化するが先進国の雇用は二極化する」(11月9日 池田 信夫/JBpress) _ ※追加1へ

「高齢者の資産は若者の 47倍、格差急拡大 米調査」(11月10日 CNNMoney/ニューヨーク) _ ※追加2へ

Jinkawiki から __ ワークシェアリングとは、一つの仕事を多くの人数で分け合うという考え方や政策のことである (※追加3)。 
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今では ロシアのバイヤーまで中国に出かけて安価な中国製日用品を仕込み、ロシアに担いで帰って商売するという具合で、中国は “世界の工場” の名を欲しいままにしている。

記事 ※ 追加1の内容通り、今後もこの状態が続くとすれば、今後 100年は この先進国の失業率高どまり状況も変わらないことになる。 それは避けられないのか?

但し 賃金低下といっても、サービス産業は中国と同一賃金になる訳ではない。 同じスタバ喫茶店でウェイトレスの仕事内容が同じでも、中国と日本・米国の賃金は同じにはならない。 物価が違うから、恐らく 10倍ほどの開きがあるだろう。
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そして 若者世代と中高年世代間の格差の問題は、もっと複雑で解消には時間がかかるだろう。 経営者は景気が悪くなる、つまり売上が減ると 熟練労働者 (中高年世代) を残し、非熟練労働者 (若者世代) を解雇するのは世界共通の現象だ。

経営者側は、より少ない社員で同じ仕事量をこなせる社員を残したいと考えるのが普通だ。 逆にそうしないと生産性が悪くなり、会社そのものが維持できなくなる。 また中高年世代は養うべき家族がいるが、若者世代は独身が多いから、労働組合も家族を養う中高年世代を残すよう主張する。

若者世代であっても "才能豊かな人たち" は、この世代間格差に関係なく高収入を得ることができるが、そういう人たちというのはほんの一握りで、殆どは並の才能の人だから、殆どの若者世代は高い失業率のまま、低賃金というダブルパンチ状態が続くだろう (いや、就職できても解雇され易いことを加えると トリプルパンチかも)。

こういう若者世代の万年低賃金 かつ高失業率状態を解消するのは、経営者や起業家よりは「政治家の役割」かもしれない。 健康で働く意欲のある多くの若者たちを長い間 ムダに時間を過ごさせて、不満な状況にすることは社会不安に繋がりかねないからだ。

欧州随一の経済大国 ドイツの労働状況が比較的良く、失業率が低いのは、組合側と経営側とがうまく妥協したためだ。 解雇したい経営側に対し、賃金を大きく下げない代わりに 労働時間を短縮するという組合側との妥協案が一致し、労働者は解雇を免れ 賃金は大きく下がらなかったと聞く。 正確には下記文章にある。
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「基礎からわかる "ワークシェアリング"」~ ドイツでは労使協約に基づく自主的な取り組みでワークシェアリングが進んだ。 中でも有名なのが、自動車大手フォルクスワーゲンが94年に実施した事例だ。 業績不振に陥った同社が打ち出した約3万人の削減計画を巡り、反発した組合側が経営者側と交渉。 週 35時間労働を 28.8時間 に短縮して給与を減らす代わり、95年まで人員削減を回避するという協定を締結した (09年1月22日  読売)
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お疲れ気味の平社員 "犬" は横になってへばっていることが多いのかも __ 若者世代はストックがない分 購買力があり、ストックのある中高年世代は購買力がありませんから、若者世代の失業率を下げることは市場の購買を高めることにも繋がります。

一方 中高年世代は子供の教育にカネがかかる人たちが多いですから、彼らの購買力が低いからといって、若者に仕事を譲れというのも無理な話しです。

政治家は、その辺りをよく考慮して社会全体に平等に仕事が行き渡るよう環境を整え 政策を立案・実行しなくてはなりません。 (不透明なカネを受け取るためではなく)「税金の有効な使い道」を考えるために、政治家が選ばれてるのですから。

今日はここまでです。


※追加1_ ウォール街を占拠していたデモ隊は、さすがに撤退し始めたようだが、欧州では財政危機による緊縮財政に反対して、ギリシャやイタリアでデモ隊と警官隊の衝突が続いている。 ところが日本だけは、格差反対デモが盛り上がらない。

それはそうだろう。 日本の所得格差を表すジニ係数は、0.28 程度。 最近やや上がっているが、トップのアメリカ (0.37) よりはるかに小さく、OECD (経済協力開発機構) 諸国の平均程度である。

アメリカではここ30年、中位の労働者の実質賃金が下がる一方、経営者や金融部門に富が集中し、上位 1% の富裕層が富の 23% を独占する極端な格差が生じている。 この点でウォール街を占拠するデモ隊の主張は正しいが、彼らは敵を間違えている。 金融機関が利潤を上げるのは格差の原因ではなく、その結果にすぎないからだ。

● 成長する新興国が先進国の雇用を奪う ●
格差や貧困の直接の原因が長期化する世界不況だが、今回の不況の特徴は財政・金融政策がほとんど効かないことだ。

企業業績は持ち直したが雇用は回復せず、アメリカの失業率は 9% を超えた。 この原因は一過性の景気循環ではなく、構造的な自然失業率が上がったからだ。 アメリカの自然失業率は 7.5% と推定されており、景気対策でこれ以下に下げることはできない。

構造的な失業が常に生みだされる1つの原因は、新興国との競争が激化したことだ。 特に製造業は新興国に生産拠点を移し、米国内の雇用は減っている。 1990年以降、アメリカで創造された 2700万人 の雇用のうち、実に 98% が非貿易財 (国内のサービス業) によるものと推定されている。

製造業で職を失った労働者は、流通や外食のような海外と競合しないサービス業に移る。サービス業は、労働集約的で労働生産性が低いので賃金も低い。 GM (ゼネラル・モーターズ) で働いていた労働者が失業し、ウォルマートに再就職して賃金が半分になる、といった形で平均賃金が下がったのだ。

他方 新興国では賃金が上がり、先進国との格差が縮小する。 多国籍企業の海外子会社からの収益が還流するので、先進国の株主や経営者は豊かになり、新興国からの資金流入で金融機関が高い収益を上げる。 この結果、先進国の格差が拡大するのだ。

●「大収斂」は今後100年は続く ●
このように 先進国と新興国の格差が縮小する現象は、大収斂と呼ばれる。 経済学では、生産要素 (労働や土地など) の価格に国ごとに差がある場合、高い国から安い国に資本が移動し、これは世界全体で同じ価格になるまで続くと考えられている。 水面に高い部分と低い部分があると、水平になるまで水が流れるのと同じである。

これは生産要素が国際的に移動できなくても起こる。 中国で安い賃金で生産したジーンズの価格は安くなるので、それを中国から輸入するのは低賃金労働者を輸入するのと同じだ。 結果的には 日本の高いジーンズは駆逐され、賃金は中国に引っ張られて安くなる。

これは経済学で要素価格の均等化と呼ばれ、理論的には世界全体で同一労働の賃金が同一になるまで進む。

それがかつて起こらなかったのは、新興国の労働生産性が低かったからだ。 新興国の賃金が低くてもトラブルや不良品などが多いと、労働生産性で割ったコスト (単位労働コスト) は高くなる。

ところが1990年代以降、旧社会主義国が世界市場に入り、中国も改革開放で市場経済になったため、生産性も大幅に上がった。 これによって 理論的に起こりうる大収斂が、現実に起こり始めたのだ。

世界には 年収が 3000ドル 以下の BOP (底辺層) と呼ばれる層が 40億人 もいる。 ウォール街をデモして「1% の金持ちが富を独占している」と騒いでいる人々は、世界の中では上位1割以内の富裕層なのだ。

世界の 70億人 すべてが自由経済に入るまで大収斂が続くとすれば、今後 100年は終わらないだろう。 それは止めることはできないし、止めるべきでもない。 BOP の人々の所得が上がるメリットは、先進国の所得が下がる損失よりはるかに大きいからだ。

● コンピューターが雇用を二極化する ●
格差のもう1つの要因は、先進国の中でもコンピューターに代替されやすい単純労働の賃金が下がる一方、ソフトウエアを書いてコンピューターを動かす技術者の賃金が上がる技術進歩の所得分配バイアスがあることだ。 例えば 30人の事務員の仕事を1人の技術者が書いたソフトウエアで代替すれば、技術者に事務員の 20倍の賃金を出しても企業は利益を上げることができる。

世界規模で起こっている大収斂は、こういう技術進歩のバイアスがグローバルに起こっていると考えると分かりやすい。

今までのように 国内で生産したものを輸出するのではなく、高度技術者だけを国内で雇い、コンピューターで代替される単純労働は新興国で調達することによって多国籍企業は収益を上げているのだ。

さらに 賃金の低下は「賃下げ」として起こるのではなく、正社員から契約社員への代替として起こる。 アメリカでは2010年 パートタイム労働者の比率が、19.7% と最高になった。 非正社員が労働者の3分の1を超える日本は、この意味でもトップランナーだ。

このため 中高年の賃金がそれほど下がらないのに対して、若年労働者の雇用や賃金に悪影響が集中する。 2007年に OECD 諸国の若年失業率は 14.2% (全労働者では 4.9%) だったが、今年の第1四半期には 19.7% (同 7.3%) に上がった。 若年失業率は雇用規制の強い国ほど高く、正社員の解雇が不可能なスペインでは 44% に上る。

日本で格差がアメリカほどひどくないのは、企業のグローバル化が遅れているからだ。 しかし 1ドル=70円台 が定着すると、生産拠点の移転が本格化するだろう。 これによって 雇用が二極化し、賃金格差が拡大することは避けられない。

グローバリゼーションはすべての国を豊かにするが、すべての人を豊かにするわけではない。 これによって 貧しくなる人々を救済するには、フルタイムの労働者を過剰に保護する雇用規制や高齢者に有利な福祉制度などを改め、個人を社会で支える仕組みに変える必要がある。
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※追加2_ 米国で高齢世帯と若年世帯の資産格差が急拡大し、高齢世帯の平均資産額は若年世帯の 47倍と過去最高に達したことが、調査機関ピュー・リサーチ・センターの統計で分かった。

それによると、2009年の純資産総額は、世帯主が35歳以下の世帯で平均 3662ドル (約28万円) となり、25年前の同年代に比べて 68% 減少した。 一方、世帯主が65歳以上の世帯は平均 17万494ドル (約 1330万円) で、同 42% 増となった。

資産形成の期間が長い高齢者の方が若者より資産が多いのは当然の傾向だが、1984年の調査では両世代間の資産格差は 10倍 にとどまっていた。

この背景として、景気悪化などの影響で若者の生計自立が遅くなっている傾向が挙げられる。 両親と同居する期間が長くなって就職や結婚、自宅購入などが先延ばしになっているほか、大学進学者が増えて学生ローンを抱える若者も増加。 09年の調査で資産がゼロまたはマイナスの若年世帯は 37% に上り、1984年の 19% から大きく増えた。

また、高齢世代は長期的な不動産の資産価値上昇の恩恵を受けているのに対し、若年世代は不動産価格の変動を乗り切れていないとピューの担当者は解説している。
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※追加3_ 一人あたりの労働時間を短くし、大人数で少しずつ働くことで、雇用確保や失業対策を目的に実施されることが多い。

雇用人数はそのままで労働時間を減らすことで賃金をカットし、リストラを回避するための手段にもなる。 今までは、不況になって人件費を削減しようというと、リストラによって人員削減をしてきたが、人員削減をせずに、各従業員の仕事を減らすことによって賃金を削減すれば、労務費の削減になるという発想である。

世界では、ドイツやオランダ、フランスなどで導入が早く、すでに失業率低下に効果をあらわしつつある地域もある。

ドイツでは、80年代から産業別の労使協約によるワークシェアリングが進められた。 金属産業や自動車メーカーに例がみられ、時短の導入により失業者を出さないことが 主目的であった。 業績悪化に対処する緊急避難策と位置付けられる。

他方 近年では、パートタイム労働者や有期契約雇用者等の一層の拡大により雇用を創出することを目指した法整備がなされ、パートタイム労働及び有期労働契約法が2001年1月から施行された。

これは、パートタイム労働者に対する差別的取扱いを原則として禁止した85年就業促進法の規を拡充したものであり、① 同一労働同一賃金の取扱いを初めて明記、② 労働協約等によっても差別禁止規定を免除できないこと、③ パートタイム労働者とフルタイム労働者との間の相互転換を容易にすること、④ 有期契約雇用者に対する差別禁止等を定めた。

以上

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