
表は実際の請求内訳。
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4月末にガラケーからスマホに機種変したら、料金がそれまでの4~5倍になった。 もっとも4月分には事務手数料 3,000円 なるものが加算されているから、5月以降は 約 3,500~4,000円 になる予定だが。 これで “ソフトバンクの好業績” ぶりの一端が理解できた気分になった。
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「ソフトバンク、営業益 9500億円 15年3月期 国内携帯が好調」(日経 5月9日) _ 追加1へ
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私のガラケー時代の毎月料金は最低の千数百円+従量制だった。 年単位でも 22,540円 (14年)、18,973円(13年)、18,214円 (12年)、22,183円 (11年)、21,762円 (10年)、29,280円 (09年)、19,744円 (08年)、30,758円 (07年)、45,617円 (06年)、38,869円 (05年)、44,942円 (04年) だったから、過去の年平均 で約 2.5万円 だった (277,902÷11=25,263)。 実際の145ヶ月間の月平均は、2,100円 だ。 これがスマホに切り替えて、月 4,000円 前後になるとして、年5万円、つまりガラケーの倍になりそうだ。
料金内訳を詳しく眺めると、差額は ”パケット定額料” が大きい。 インターネットに繋ぐと発生する費用だ。 ガラケー時代はメールや、添付ファイルでしか発生しなかったが、これがスマホでは ネットサーフィンや、様々なダウンロードをするとパケットが発生して積み上がる。 複数の知り合いの iPhone ユーザーの通常の支払いは、月当り 1万円 を越えると聞いていた。
販売店で詳しく聞いて、約 3,500~4,000円 になりそうだと確認して機種変したのだから、通常のユーザー並みの月 1万円 にはならないだろうと予想している。 それらはインターネットにかなり繋いで使っているからではないか。
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1週間ほど使ってみたが、画面上のアイコンなどは全く PC 画面のと同じといっていい。 ただ入力を、せまい4インチ画面で行うのでせせこましく、慣れるのに少し時間がかかりそうだ。
実際 これが携帯電話+カメラ+PC と思うと、よくもこれだけ小さな筐体に詰め込んだものだと感心してしまう。 小型化が得意な日本メーカーはなぜこうしたものを作れなかったのだろうか? 私の独断では、技術陣がいくら画期的な製品を作っても、それを世の中に売り込むアピールがうまい人の手にかからないと、多くのユーザーの関心を魅き付けないのではないかと思う。
iPhone 以前はカナダ Blackberry が携帯電話の下半分に小さなキーボードを付けて、それなりに販売実績があったのだが、iPhone が出現すると 瞬く間に消えてしまった。 日本メーカーも同じようなキーボード付きのガラケーを発売していたらしいが、全くといっていいほど売れなかったらしい。
アップル社の画面全体を入力にも使うという発想が固定されたキーボードを駆逐したのだ。 実は iPhone 以前にも 2000年頃 Windows OS と画面入力を採用したスレート (ノート) PC というものが発表されたが、これは不発に終わった。
そのまた前にも 画面入力デバイス (タッチパネル) はあったのだが、画面が大きなマスメに仕切られた入力しかできなかったため、キーボードよりも使い勝手が悪く、特殊な用途 (例えば 銀行の ATM 画面など) でしか普及していなかった。 キーボードに代わる画面入力は iPhone、次いで iPad でようやく一般に普及したといっていいだろう。
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素材は色々とあったのだが、アップル社はそれら素材を組み合わせて新しいデバイスを創造するのがうまい。 更に それをマスコミの前でアピールするのがうまいジョブズ (故人) だったから、多くの人が飛びついたのではないかと思う。
スマホ付属のカメラも、使い勝手がどうなのかまだ分からないが、多くのユーザーに受け入れられ、デジカメ人気は失速している。 私が思うには、従来のデジカメで写真を撮り、それをメール添付して携帯で友人などに送るのは少し手間がかかったが、従来型携帯電話やスマホで写真を撮れば、手間入らずで すぐに送れるのが受けているのではないだろうか。
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「デジタルカメラに見た、わずか20年の繁栄と終焉」(沼倉 研史/日経テクノロジー 5月1日) _ 追加2へ
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ゲームもソフトをダウンロードすれば、スマホがゲーム機となるから、専用ゲーム機市場も縮小してきているようだ。
スマホ自体が携帯 PC の性能を持っているから、ソフト次第でスマホが何にでも変身してしまう。 専用機器の使い勝手とどう違うか、それが明確でないと スマホで十分というユーザーが益々増えるだろう。
全てのデバイスがインターネットに繋がる、IoT (Internet of Things) の世界がもうそこに来ている。
以上
※追加1_ ソフトバンクの2015年3月期は、連結営業利益 (国際会計基準) が 9500億円 前後になったもようだ。 国内の携帯電話事業が好調で、従来予想の 9000億円 を上回った。 最高益の前の期 (1兆770億円) は、ガンホー・オンライン・エンターテイメントなどの子会社化に伴う一時的な利益 2539億円 を含んでおり、それを除くと実質的には増益基調だった。
売上高は 8兆5000億円 前後と3割近く増えたもよう。 子会社化した米携帯スプリントや米携帯電話卸会社ブライトスターの上乗せに加え、広告収入が伸びている子会社ヤフーの業績拡大も増収に貢献した。
主力の移動通信事業では、ソフトバンクモバイルでスマートフォンの契約数が伸び、販売手数料を抑えた効果も出て採算が改善した。 スマホ向けゲームアプリを手掛けるスーパーセル (フィンランド) も増益に貢献した。
スプリントの不振が響き、昨年11月に営業利益目標を 1兆円 から 9000億円 に引き下げていた。スプリントは再建途上だが、人員削減などの合理化を進め、前の期比では損益が好転した。
会社予想を出していない純利益 (前の期は 5270億円) は 6000億円 を超え、5期連続で最高になったとみられる。 約3割を出資する中国の電子商取引最大手、アリババ集団が14年秋に上場し、会計上の株式評価益が発生した。
16年3月期はスプリントの顧客基盤テコ入れに向けた積極的な投資が続く見通し。 販促費などが膨らめば利益は伸び悩む可能性もある。
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※追加2_ 統計上の数値では、日本メーカーのデジタルカメラの輸出が急速に減少してきています。そこで、市場末端の状況を見るために、米国の量販店へ視察に出かけました。 しかし 売り場のあまりの変わりようにがく然としてしまいました。
まず ディスカウントストア最大手の Walmart では、デジタルカメラのコーナーはありましたが、陳列棚の3分の2以上には製品がありません。 名札と価格表示があるだけです。 日本メーカーの名前がむなしく並んでいます。 現物が展示されている製品の多くは一眼レフタイプの高級機種がほとんどで、コンパクトタイプやハンディータイプのビデオカメラは姿を消しています。
店員に聞いてみたところ、最近は在庫が無いようで、製品が入ってこないとのことでした。
BEST BUY でも状況は似たようなもの
次に向かった家電量販店の BEST BUY でも状況は似たようなものでしたが、こちらは空いた陳列棚はありません。 ただし コンパクトカメラとビデオカメラは2、3機種あるだけで、大部分の陳列スペースは一眼レフタイプと、そのアクセサリーで占められています。 それでも、他の製品の売り場に比べて客の数はまばらで、店員は手持ち無沙汰な感じです。
3番目に見たのは大手事務用品チェーン店の Staples です。 確かこの店では、かなりデジタルカメラを扱っていたはずです。 入り口での案内に従って売り場に行ってみると、看板こそあったものの、デジタルカメラの製品は一つもありません。 替わって陳列されていたのは、全て IP カメラ (ネットワークカメラ) でした。 店員に聞いてみると、デジタルカメラは売れなくなってしまったので、もう扱わないとのことです。
このように米国の末端市場では、特にコンパクトタイプのデジタルカメラは売れなくなっており、ディーラーが販売意欲をなくしているようです。
コンパクト市場は世界的なレベルで縮小
1990年代に出現したデジタルカメラは、いろいろな面で、日本のエレクトロニクス業界に変革を起こしました。 それ以前のフィルムカメラは、様々なエレクトロニクス技術が取り入れられているとはいうものの、あくまでカメラメーカーのもので、電子機器メーカーが参入できる分野ではありませんでした。 市場規模も 2000万台 前後で安定していました。
日本のフレキシブル基板産業にとっては、需要の 30% 以上を占める重要な用途でありました。 ところが デジタルカメラが実用化されると市場は急成長を遂げ、エレクトロニクスメーカーの参入が相次ぎます。 フィルムカメラは、短時日の内に市場から姿を消してしまいます。 2000年代に入って、携帯電話機へカメラが搭載されるようになると、デジタルカメラ市場の先行きに疑問符が付きますが、それをモノともせずに成長を続け、2007年の出荷は 1億台 を突破します。
しかし これがピークでした。 2008年の世界同時不況の影響は、デジタルカメラ市場にも容赦なく襲いかかり、需要が元のレベルに回復することはありませんでした。 このころから普及が始まったカメラ付きスマートフォンが息の根を止めることになったのです。 2010年以降は、毎年 30~40% の縮小が続き、2014年の出荷台数は、ピーク時の3分の1以下にまで小さくなり、日本メーカーの生産は今後さらに減少が続くことでしょう。
出荷台数が減っているのは日本メーカーだけではありません。 日本に次ぐデジタルカメラ生産国である台湾の出荷も、このところ前年比で 30% 以上の減少となっているのです。 代わって 中国メーカーが進出してきているというわけでもありません。 コンパクトタイプのデジタルカメラ市場は世界的なレベルで縮小しているどころか、消えつつあるのです。
振り返ってみれば、わずか20年足らずの歴史だったことになります。 終わったことは仕方がありません。 しかし その経緯をレビューして学ぶべきことはたくさんありそうです。
以上
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4月末にガラケーからスマホに機種変したら、料金がそれまでの4~5倍になった。 もっとも4月分には事務手数料 3,000円 なるものが加算されているから、5月以降は 約 3,500~4,000円 になる予定だが。 これで “ソフトバンクの好業績” ぶりの一端が理解できた気分になった。
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私のガラケー時代の毎月料金は最低の千数百円+従量制だった。 年単位でも 22,540円 (14年)、18,973円(13年)、18,214円 (12年)、22,183円 (11年)、21,762円 (10年)、29,280円 (09年)、19,744円 (08年)、30,758円 (07年)、45,617円 (06年)、38,869円 (05年)、44,942円 (04年) だったから、過去の年平均 で約 2.5万円 だった (277,902÷11=25,263)。 実際の145ヶ月間の月平均は、2,100円 だ。 これがスマホに切り替えて、月 4,000円 前後になるとして、年5万円、つまりガラケーの倍になりそうだ。
料金内訳を詳しく眺めると、差額は ”パケット定額料” が大きい。 インターネットに繋ぐと発生する費用だ。 ガラケー時代はメールや、添付ファイルでしか発生しなかったが、これがスマホでは ネットサーフィンや、様々なダウンロードをするとパケットが発生して積み上がる。 複数の知り合いの iPhone ユーザーの通常の支払いは、月当り 1万円 を越えると聞いていた。
販売店で詳しく聞いて、約 3,500~4,000円 になりそうだと確認して機種変したのだから、通常のユーザー並みの月 1万円 にはならないだろうと予想している。 それらはインターネットにかなり繋いで使っているからではないか。
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1週間ほど使ってみたが、画面上のアイコンなどは全く PC 画面のと同じといっていい。 ただ入力を、せまい4インチ画面で行うのでせせこましく、慣れるのに少し時間がかかりそうだ。
実際 これが携帯電話+カメラ+PC と思うと、よくもこれだけ小さな筐体に詰め込んだものだと感心してしまう。 小型化が得意な日本メーカーはなぜこうしたものを作れなかったのだろうか? 私の独断では、技術陣がいくら画期的な製品を作っても、それを世の中に売り込むアピールがうまい人の手にかからないと、多くのユーザーの関心を魅き付けないのではないかと思う。
iPhone 以前はカナダ Blackberry が携帯電話の下半分に小さなキーボードを付けて、それなりに販売実績があったのだが、iPhone が出現すると 瞬く間に消えてしまった。 日本メーカーも同じようなキーボード付きのガラケーを発売していたらしいが、全くといっていいほど売れなかったらしい。
アップル社の画面全体を入力にも使うという発想が固定されたキーボードを駆逐したのだ。 実は iPhone 以前にも 2000年頃 Windows OS と画面入力を採用したスレート (ノート) PC というものが発表されたが、これは不発に終わった。
そのまた前にも 画面入力デバイス (タッチパネル) はあったのだが、画面が大きなマスメに仕切られた入力しかできなかったため、キーボードよりも使い勝手が悪く、特殊な用途 (例えば 銀行の ATM 画面など) でしか普及していなかった。 キーボードに代わる画面入力は iPhone、次いで iPad でようやく一般に普及したといっていいだろう。
……………………………………………………………
素材は色々とあったのだが、アップル社はそれら素材を組み合わせて新しいデバイスを創造するのがうまい。 更に それをマスコミの前でアピールするのがうまいジョブズ (故人) だったから、多くの人が飛びついたのではないかと思う。
スマホ付属のカメラも、使い勝手がどうなのかまだ分からないが、多くのユーザーに受け入れられ、デジカメ人気は失速している。 私が思うには、従来のデジカメで写真を撮り、それをメール添付して携帯で友人などに送るのは少し手間がかかったが、従来型携帯電話やスマホで写真を撮れば、手間入らずで すぐに送れるのが受けているのではないだろうか。
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「デジタルカメラに見た、わずか20年の繁栄と終焉」(沼倉 研史/日経テクノロジー 5月1日) _ 追加2へ
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ゲームもソフトをダウンロードすれば、スマホがゲーム機となるから、専用ゲーム機市場も縮小してきているようだ。
スマホ自体が携帯 PC の性能を持っているから、ソフト次第でスマホが何にでも変身してしまう。 専用機器の使い勝手とどう違うか、それが明確でないと スマホで十分というユーザーが益々増えるだろう。
全てのデバイスがインターネットに繋がる、IoT (Internet of Things) の世界がもうそこに来ている。
以上
※追加1_ ソフトバンクの2015年3月期は、連結営業利益 (国際会計基準) が 9500億円 前後になったもようだ。 国内の携帯電話事業が好調で、従来予想の 9000億円 を上回った。 最高益の前の期 (1兆770億円) は、ガンホー・オンライン・エンターテイメントなどの子会社化に伴う一時的な利益 2539億円 を含んでおり、それを除くと実質的には増益基調だった。
売上高は 8兆5000億円 前後と3割近く増えたもよう。 子会社化した米携帯スプリントや米携帯電話卸会社ブライトスターの上乗せに加え、広告収入が伸びている子会社ヤフーの業績拡大も増収に貢献した。
主力の移動通信事業では、ソフトバンクモバイルでスマートフォンの契約数が伸び、販売手数料を抑えた効果も出て採算が改善した。 スマホ向けゲームアプリを手掛けるスーパーセル (フィンランド) も増益に貢献した。
スプリントの不振が響き、昨年11月に営業利益目標を 1兆円 から 9000億円 に引き下げていた。スプリントは再建途上だが、人員削減などの合理化を進め、前の期比では損益が好転した。
会社予想を出していない純利益 (前の期は 5270億円) は 6000億円 を超え、5期連続で最高になったとみられる。 約3割を出資する中国の電子商取引最大手、アリババ集団が14年秋に上場し、会計上の株式評価益が発生した。
16年3月期はスプリントの顧客基盤テコ入れに向けた積極的な投資が続く見通し。 販促費などが膨らめば利益は伸び悩む可能性もある。
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※追加2_ 統計上の数値では、日本メーカーのデジタルカメラの輸出が急速に減少してきています。そこで、市場末端の状況を見るために、米国の量販店へ視察に出かけました。 しかし 売り場のあまりの変わりようにがく然としてしまいました。
まず ディスカウントストア最大手の Walmart では、デジタルカメラのコーナーはありましたが、陳列棚の3分の2以上には製品がありません。 名札と価格表示があるだけです。 日本メーカーの名前がむなしく並んでいます。 現物が展示されている製品の多くは一眼レフタイプの高級機種がほとんどで、コンパクトタイプやハンディータイプのビデオカメラは姿を消しています。
店員に聞いてみたところ、最近は在庫が無いようで、製品が入ってこないとのことでした。
BEST BUY でも状況は似たようなもの
次に向かった家電量販店の BEST BUY でも状況は似たようなものでしたが、こちらは空いた陳列棚はありません。 ただし コンパクトカメラとビデオカメラは2、3機種あるだけで、大部分の陳列スペースは一眼レフタイプと、そのアクセサリーで占められています。 それでも、他の製品の売り場に比べて客の数はまばらで、店員は手持ち無沙汰な感じです。
3番目に見たのは大手事務用品チェーン店の Staples です。 確かこの店では、かなりデジタルカメラを扱っていたはずです。 入り口での案内に従って売り場に行ってみると、看板こそあったものの、デジタルカメラの製品は一つもありません。 替わって陳列されていたのは、全て IP カメラ (ネットワークカメラ) でした。 店員に聞いてみると、デジタルカメラは売れなくなってしまったので、もう扱わないとのことです。
このように米国の末端市場では、特にコンパクトタイプのデジタルカメラは売れなくなっており、ディーラーが販売意欲をなくしているようです。
コンパクト市場は世界的なレベルで縮小
1990年代に出現したデジタルカメラは、いろいろな面で、日本のエレクトロニクス業界に変革を起こしました。 それ以前のフィルムカメラは、様々なエレクトロニクス技術が取り入れられているとはいうものの、あくまでカメラメーカーのもので、電子機器メーカーが参入できる分野ではありませんでした。 市場規模も 2000万台 前後で安定していました。
日本のフレキシブル基板産業にとっては、需要の 30% 以上を占める重要な用途でありました。 ところが デジタルカメラが実用化されると市場は急成長を遂げ、エレクトロニクスメーカーの参入が相次ぎます。 フィルムカメラは、短時日の内に市場から姿を消してしまいます。 2000年代に入って、携帯電話機へカメラが搭載されるようになると、デジタルカメラ市場の先行きに疑問符が付きますが、それをモノともせずに成長を続け、2007年の出荷は 1億台 を突破します。
しかし これがピークでした。 2008年の世界同時不況の影響は、デジタルカメラ市場にも容赦なく襲いかかり、需要が元のレベルに回復することはありませんでした。 このころから普及が始まったカメラ付きスマートフォンが息の根を止めることになったのです。 2010年以降は、毎年 30~40% の縮小が続き、2014年の出荷台数は、ピーク時の3分の1以下にまで小さくなり、日本メーカーの生産は今後さらに減少が続くことでしょう。
出荷台数が減っているのは日本メーカーだけではありません。 日本に次ぐデジタルカメラ生産国である台湾の出荷も、このところ前年比で 30% 以上の減少となっているのです。 代わって 中国メーカーが進出してきているというわけでもありません。 コンパクトタイプのデジタルカメラ市場は世界的なレベルで縮小しているどころか、消えつつあるのです。
振り返ってみれば、わずか20年足らずの歴史だったことになります。 終わったことは仕方がありません。 しかし その経緯をレビューして学ぶべきことはたくさんありそうです。
以上