シャンテ サラのたわ言・戯れ言・ウンチクつれづれ記

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好守だから演じられるトリック

2015年05月13日 | スポーツは面白い
<ジャイアンツ対マーリンズ>9回1死一塁、ブランコが頭上を越える長打を放つも (上左)、捕球体勢に入るトリックプレー (上右) を演じるイチロー (サンフランシスコ AT&T パーク 10日)。
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またイチローが見せてくれた。 今度は美技ではなく "フェイク" だ。 イチローはレーザービームで知られる 失敗がまずないほどの好守備の選手で、大リーグでは有名な伝説化した外野手。

そこの守備位置へ打球が上がるが、飛球を追ったイチロー (上左) が楽々で落ちて来る球を待つ姿勢 (上右) を見せたら、1塁走者は走塁ダッシュを渋るだろう。 捕球してしまえば2塁で刺されるか レーザービームで3塁で刺される可能性が高いからだ。

ところが 次の瞬間、イチローは反転して (下左) フェンスに跳ね返る球を捕球に向かうから (下右)、走者はあわてて走塁するが、3塁止まりになってしまう。 ダッシュすれば本塁まで行けた可能性が高いシチュエーションだった。
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「”イチローにやられた” 走者だけでなく、球場全体を幻惑した “トリック”」(Full-Count  5月11日) _ 追加1へ
「イチ “偽捕球” からレーザー!」(デイリースポーツ 13年5月5日) _ 追加1へ

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これが並の外野手だったら、どうだっただろう。 ピンチランナーの1塁走者はすぐに走塁ダッシュして本塁まで全力で走り抜けただろう。 この一瞬の躊躇を狙っての演技がイチローならではだ。 しかもバウンドしてくる球がどこへ転がるかを読み難い壁だから、ヘタしたら球を追いかけて長打にもなりかねなかった。
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伝説が走者を惑わせたケースだった。 これができるのだから イチローはまだまだ大リーグを辞められない。 これからも まだまだ見せ場面はあるだろう。

以上


※追加1_ マーリンズの地元マイアミのメディアも称賛、「彼の仕掛けたおとりに騙された」
マーリンズは10日 (日本時間11日) の敵地ジャイアンツ戦で9回に守護神スティーブ・シシェックの乱調で2点を失い、2-3で逆転負けを喫した。 しかし その直前に同点のランナーを一度は完全に足止めしたイチロー外野手の絶妙なトリックプレーが、マーリンズの地元マイアミのメディアでも称賛されている。

レジェンドは AT&T パーク全体を幻惑した。 2-1の9回1死、スサックがライト前ヒットで出塁すると、ジャイアンツの名将ボウチー監督はすかさずピンチランナーにアリアスを送り込んだ。 本塁まで還れば同点という場面で、続くブランコはフルカウントからライトオーバーの長打。 そこからイチロー劇場が始まる。

地元紙「マイアミ・ヘラルド」は、この場面をこう報じている。

「ブランコはライトに強打を放った。 もしも、イチロー・スズキのわき立つプレーがなければ、この時に同点となっていただろう。 打球が深く、アウトに出来ないと理解するや、スズキは立ち止まり、まるでキャッチできるかのような様子で見上げたのである。 彼の仕掛けたおとりに、ピンチランナーのホアキン・アリアスは騙された。 彼は躊躇したのだった」

ブランコのフェンス直撃のタイムリーヒットは、さすがのイチローでも捕球できない。 だが 一瞬の演技で一塁走者の本塁突入を食い止めた。 その後 乱調のシシェックは逆転を許したが、絶妙なトリックプレーは敗戦の中でも輝きを放った。

マイアミの実況アナウンサーも騙される、「イチローが打球を見失った」

試合を中継した敵地サンフランシスコの地元テレビ局「コムキャスト・スポーツネット・ベイエリア」では、解説者が「ベテラン外野手が魅せる “通” のプレー」と絶賛していたが、マイアミで試合を放送した「FOX スポーツ・フロリダ」の実況は、ランナーのアリアスと同様にイチローの妙技に完全に騙されている。

「イチローが下がるが、打球を見失った。 壁に当たる。 拾う間にアリアスがサードに向かう。 アリアス、サードで止まった。 イチローの仕掛けたおとりで、アリアス (の進塁) は三塁で食い止められました」

一連のプレーを絶叫する中、イチローがあたかもキャッチするような素振りを見せ、そこからクッションボールの処理に突如移行したことで「見失った」と口にしてしまった。

「頭上を越える当たりでした。 (イチローは) きびすを返して、ファンスに跳ね返ったボールをキャッチする。 ジャイアンツは二、三塁としましたが、イチローは多くの人と一羽のカモを騙しましたね。 彼はピンチランナーのアリアスを騙そうとしたわけです。

彼はチャンスに賭けました。 AT&T パークのフェンスはその形状から、おかしな跳ね返り方をしますが、幸運にもボールはイチローの元に戻ってきました。 アリアスを食い止めるには十分でした。 彼は最初にスタートを切れませんでしたから」

走者アリアスは脱帽「あんなプレーは見たことがない」
レジェンドの圧倒的な判断力とベースボール IQ について、解説者がまくしたてる間、サードベース上で悔しそうに首を横に振るアリアスと、サングラス越しにしてやったりの表情を浮かるイチローの明暗を、テレビカメラは何度も交互に捉えていた。

マイアミ・ヘラルド紙によると、イチローは「もしも、あそこで振り返っていたら、得点になるのは分かっていました。 頭上を越えるのは分かっていたので、僕の焦点はいかにランナーに僕がキャッチできると思わせるか、でしたね」と語ったという。

一方 MLB 公式サイトでは、騙されたアリアスの「イチローにやられた。 間違いない。 あんなプレーは見たことがない」というコメントが紹介されている。 もし そのまま敗れていれば “戦犯” となるところだったメジャー10年目の30歳は、素直に敗北を認めていた。

マリナーズ時代の2007年 この AT&T パークで行われた MLB オールスターゲームでイチローは球宴史上唯一のランニングホームランを放ち、MVP に選出された。 くしくも 伝説のシーンは、この日のイチローが妙技を見せたライト方向への打球がフェンスで不規則な跳ね返り方をして生まれたものだった。 逆転負けは止められなかったが、主砲スタントンの休養で今季初めて守った本職のライトで、レジェンドはサンフランシスコに再び逸話を残した。
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※追加2_ 「ヤンキース0-2アスレチックス」(3日、ニューヨーク)

ヤンキースのイチロー外野手 (39) はアスレチックス戦に「5番・右翼」で出場し、4打数1安打だった。 5番での先発は大リーグ13年目で初。 六回無死一塁の守備では、右翼フェンス直撃の打球に対し、見事な “トリックプレー” を披露し打者走者を二塁で刺した。

変幻自在。 イチローがトリッキーなプレーでリーグ最多タイとなる今季4個目の補殺を記録した。 六回無死一塁。 ドナルドソンの打球は、自身の頭上を越えて右翼フェンスを直撃した当たり。 捕球不可能と判断ながら、いったん打球から目を切って捕球するふりをした。 一塁走者のスタートを遅らせるためだった。

「引っ掛かってくれれば、と。 (走者を) 一、二塁に止めたいけどね、ほんとは」。 結局、一塁走者はイチローの “わな” にはまらず三塁へ。 ベストな形にはならなかったものの、果敢に二塁を狙った打者走者は素早い送球でアウトにした。

「普通でいくと (打者走者の二進は) 無理。 でも僕は投げなきゃいけない」。 一塁走者と打者走者、2人の心理を読んだ高度な技だった。

さらに 六回2死二塁の場面では右前打を鋭い出足で処理し、本塁返球。 走者を三塁にクギづけにしたが、「あそこは行ってほしいよね。 行く場面でしょ」と見せ場を邪魔され、残念そうだった。

この日はメジャー13年目で初の5番に入り、四回に3戦連続安打となる左前打。 最近9試合で打率4割。 イチローのパフォーマンスが熱い。

以上

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