自分事

最近よく聞く言葉、「自分事」（じぶんごと）。「他人事」（たにんごと・ひとごと）の反対ということで、何か問題があった時に自分が当事者だという意識を持ってその解決に向かって行動をとり始めるという使い方になっています。

ここ数年使われるようになってきた言葉ですし、本来の「自分」というものの使い方からすると違和感を持つ人もいるようですが、悪い言葉ではないと思います。ただ、漠然とこの言葉を使うのはどうかなとは思います。それは、「私には関係なさそう」「もし何かがあっても代わりの誰かかやってくれるはず」といった空気に満ちている空間を憂慮し、「もっと自分事として捉えよう」と声高に主張するだけでは、本位がうまく伝わらないからです。

大切なことは、皆がそうならないとやがて全体の自由が利かなくなるということ。さらに、そもそもなぜ気が付かないのかということに大きな原因があるのではないかということ。そのうちに、何か問題が起きているということすら気が付かなくなることが予感できないこと。そんなことに対して、具体的なメッセージを発信することが必要なのです。

高校時代は、とかく自分に近い物に目が奪われます。しかし、だからこそ１段広がりを持った視界力（そんな言葉はないのかもしれませんが）を身に付けることが肝心です。結局それを叶えるのは、その人の、物事に対する愛着だと思うのです。