アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリング、コンサルティングを行っています。
アドラー心理学による勇気づけ一筋40年 「勇気の伝道師」   ヒューマン・ギルド岩井俊憲の公式ブログ



おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。 

アドラー心理学が知られるようになったことは、この心理学に33年間関わってきた私としてはうれしいことですが、アドラー心理学を中途半端に学んでいる人の中に怪我人が出ているようです。

ことわざにある「生兵法は大怪我の基」現象です。

ちなみに、『広辞苑』には「生兵法は大怪我の基」について次のように書かれています。

「少しばかりその道を心得た者は、これを頼って軽々しく事を行うから、かえって大失敗をする」

その例がインターネットに出ていました。

アドラー心理学にハマって離婚危機に!? 実践して大失敗しちゃった人たちの悲痛な叫び
(DATE:2016.06.11 20:45 BY:新刊JP)

ケースは、次の2つでした。

1.ベストセラーとなった『嫌われる勇気』でアドラー心理学と出会いさっそく実践した結果、夫婦生活が破たんする悲劇に至ったという専業主婦・永田亜津子さん(仮名・36歳)


2.「部下を無条件に信頼」1000万円以上の被害を被ったイベント会社勤務・村山さん

私の印象としては、1.は夫の操作法に使おうとして失敗したケース、2.は信頼と放任の勘違いにあると見ています。

この記事を書いた人は、下記のようにまとめています。

アドラー心理学は正しく理解するのが難しいといわれる。
それだけにあまり深く考えずに実践すれば、それだけのリスクも伴う。
アドラーの教えは、社会の建前に縛られることなく、自分の幸福を求める価値観を手にすることができる考え方といえるが、決して妄信的にならずに、相手の反応を見ながら十分に注意して実践するのがいいだろう。

(新刊JP編集部)

後半の文章にも勘違いがあります。

「自分の幸福を求める価値観を手にすることができる考え方」や「相手の反応を見ながら十分に注意して実践」にしても、アドラー心理学を深く理解している人の記述とは思えません。


私は2014年4月3日付けブログ アドラー心理学ブームについて(7) で次のように書いています。
一部タイトルを離れた記述がありますが、ご参考までに。

アドラー心理学ブームの中にあっても、アドラー心理学を学び、伝える上での 3つの留意点(使用上のご注意)について。

ポイントは、次の3つです。

1.建設的/非建設的の判断軸を持つこと

2.読んだことを鵜呑みにしないこと
  (1)原典にあたる  (2)寛容であること

3.畳の上の水練にならないように
  (1)仲間で学ぶこと  (2)良き師を持つこと

まず、アドラー心理学は、良い/悪い、正しい/間違っているの軸でなく、建設的(ユースフル)/非建設的(ユースレス)の判断軸を大事にしています。

第2に、誰かの説くアドラー心理学を鵜呑みにしないで、原典で時にチェックし、本当にそうなのか確認しつつも、ある部分は独善的に捉えるのではなく、寛容であってほしいと願っています。

第3に、理論と実践の両者を大事にするアドラー心理学を本を読んだだけでわかったつもりになっていただきたくないです。
アドラー心理学は、実践に移せてこそ真価が問われます。
独善は危険です。仲間と学び合うこと。よき師に巡り合えることが肝心です。
私は、ペルグリーノ博士という師と巡り合えて、アドラー心理学の本質的なところと、言行一致の大切さを学び続けています。

◆アドラー心理学を本格的に学ぶには、 アドラー心理学ベーシック・コース  と  愛と勇気づけの親子関係セミナー(SMILE) がまずお勧めです。

<お目休めコーナー>6月の花(17

人気ブログランキングへ
(クリックしてね)



コメント ( 6 ) | Trackback ( )