アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリング、コンサルティングを行っています。
アドラー心理学による勇気づけ一筋40年 「勇気の伝道師」   ヒューマン・ギルド岩井俊憲の公式ブログ



おはようございます。ヒューマン・ギルドの岩井俊憲です。

昨日は、電波の届かないところにいたため、150日ぶりにお休みさせていただきました。

さて、「夜回り先生」として有名な水谷 修さんにこんな話があります(産経新聞6月18日「人、瞬間(ひととき)」から)。


人生の意味を求めて大学の哲学科に進んだものの、理想と現実のギャップに悩み、キャンパスから足が遠のき、ふらふらと遊び回っている時期に、ある晩夜遊びから帰ると、机の上に封筒が置いてありました。
中をのぞくと分厚い札束で、母親が達筆な字が書かれていました。

「夢、捨てるな」

水谷さんは、そのお金を手に哲学を学ぼうとドイツに渡ります。
しかし、現地の大学入試試験に不合格。母親に顔向けできない気持ちを抱きながら故国に帰れず、2年が経過したある日、家から電報が入り一時帰国を決意しました。

久しぶりの日本では、空港から直接家に向かわず、遊び仲間と一晩過ごし、明け方の5時に帰宅。

そっと自分の部屋のふすまを開けた途端、布団から起き上がり、水谷さんを見て正座した男性がいました。
上智大学の学科長、渡辺秀先生でした。

「水谷君、お帰りなさい。君の学籍は残っている。大学に戻って一緒に勉強しよう」

水谷さんは、自分を待っている人がいることを知り、思わず涙がこぼれ、それを契機に復学し、猛勉強をしました。

今は亡き恩師は「教育はその人を信じて待つこと」という信念を抱く水谷さんの心の中に生き続けています。


私は、この話を性急さを求める最近の風潮への警告として読み取りました。
皆さんはいかがですか?


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