答えは現場にあり!技術屋日記

還暦過ぎの土木技術者のオジさんが、悪戦苦闘七転八倒で生きる日々の泣き笑いをつづるブログ。

山間(やまあい)の道をゆく

2012年02月14日 | 北川村

私の前をのろのろと軽トラがゆくのだ。

時速30km、いや、ときおり30kmを切ることもある。

老人の多いこの村でも、そんな人は少数派だ。だが、そんなに珍しいことでもない。

後ろについてしまった私は、しばしの間(前を行くオンちゃんが私に気づくまで)しょうがなくのろのろと車を走らせながら、あることを思い出していた。

20年にはならないだろう昔、いつもとろとろ運転することでちょっと有名なお年寄りがいた。

その人が側溝へ車を落し込んで、にっちもさっちも行かなくなっているのを2回救出してやったことがある。

その2回目のこと。イラついてしまった私(30代後半)は、したり顔して言い放ったのだ。

「オンちゃん、人に迷惑ぜ。もう車には乗らんようにしいや」

今から思えば、何と不遜な物言いだろう(言ったやつの顔が見てみたいもんだ)。

あのオンちゃんも、私の前を走るこのオンちゃんも、私(やアナタ)の未来である。

山あいのこの村では、車を手放すことなどよっぽどのことがなけりゃ出来やしない。この村に限らず、日本全国どこへ行っても、それが田舎暮らしというものだろう。

だからせめて、前をゆくのろのろ車にイラつくことはやめよう。

と思ったのだが、いかんせん、時速30km弱にいつまでもついていけるほど暇ではない。

(やさしく)クラクションを鳴らしながら、「ゆっくり走るのは止めないが、後ろの車には気づいてね」と独りごちるのだ。

(いや、けっして睨みつけたりはしておりません。ハイ)



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