漢字の音符

漢字の字形には発音を表す部分が含まれています。それが漢字音符です。漢字音符および漢字に関する本を取り上げます。

石沢誠司編 『音符順 精選漢字学習字典 ネット連動版』

2020年02月18日 | 書評

本ブログ「漢字の音符」に掲載している約5000字の中から選りすぐった漢字を一冊の本にまとめた『音符順 精選漢字学習字典 ネット連動版』が出版された。この本は常用漢字、JIS第一水準漢字のほか、漢検1級レベルの漢字を含め、計4340字が収録されている。具体的な内訳は以下の通りです。(同書16頁より) 漢字の音符というのは、漢字の字形のなかで発音を表す部分をいいます。たとえば、吸キュウ・扱キュウ・級キュウ・汲キュウ・笈キュウの音符は「及キュウ」で、これらの漢字の発音はみな「キュウ」になります。現在、ほとんどの漢字字典は部首ごとの配列になっていますから、及キュウの音符字は部首ごとにバラバラに配列されています。また、部首はその意味の把握が容易ですが、特定の部首に漢字が集中する傾向があります。一方、音符は数が多いですが、一つの音符からなる字数は、今回の字典では少ないもので2字から、多いもので20字程度です。従って音符順に配列した字典は、「音符⇒部首」となるので漢字を覚えるのに最適といえます。  本書は一つの音符を見出しとし、音符ごとに枠を設けて枠内に音符家族を配列しています。下の図は、本書18ページです。

  同じ発音の漢字は、①学習漢字、②常用漢字(学習漢字以外の)、③準1級漢字、④1級漢字、の順に並べています。これにより音符家族字を、それがどのランクの漢字であるかを判断しながら学習することができます。

 例えば大学受験生であれば、②の常用漢字は必須であり、③の準1級漢字にはできるだけ目を通しておく、④の1級漢字は興味のある字を見ておく程度でよいと思います。また、公務員試験や司法試験、各種資格試験等では、③の準1級漢字までは必須であり、④の1級漢字は受験する分野によって選択すればよいと思います。

ネットとの連動

 この本の特徴は、ブログ「漢字の音符」と連動していることです。本ではほとんどの漢字の説明が一行でなされていますが、パソコンやスマホで「漢字の音符」の該当音符を見ると、その音符の成り立ちから各音符家族字の繋がりまで把握することができます。つまり、この本はブログ「漢字の音符」を俯瞰する道案内の役割を果たしています。

索引の充実

 索引は、まえがき類の後ろに「音符字の画数索引」がついており、発音のわからない音符を画数でひくことができます。また巻末に「音符と主要漢字の索引」があり、音符字や主な音符家族字を音と訓でひくことができます。

中味拝見

はじめに・漢字音符とは何か・音符字索引・凡例 3~16p

本文  1~59p

音符と主要漢字の索引 274~303p

入手方法

 この本は石沢書店から発売されています。一般の書店では販売していないので、下記の同書店のHPから申し込む必要があります。

https://www4.hp-ez.com/hp/ishizawa/page25

(『音符順 精選漢字学習字典 ネット連動版』石沢誠司編 2020年刊 320P 石沢書店 1200円+税)

※東京方面の方は、千代田区神田神保町の東方書店に置かせていただいておりますので、店頭で手に取ってご覧ください。 東方書店へのアクセス

 

 

 

 

 

 

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