忍之閻魔帳

ゲームと映画が好きなジジィの雑記帳(不定期)。
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廉価版と値崩れはどこが違うのか

2005年03月21日 | 業界四方山話
コナミが突出しているのでコナミばかりが叩かれてはいるが、
ここ数年、いわゆる廉価版のリリースが活発になっている。
発売当初は6800円だったものが
半年もせずに2800円、下手すれば1800円になるのだから、
ショップ関連のサイトで叩かれるのも無理はなかろう。

が、天の邪鬼な私としては
ここで少しメーカーの肩を持ってみたい。
廉価版を明確にブランドとして位置づけたのはSCEである。
「Playstation The Best」と題して
売り上げの好調なタイトルを選んで低価格で再リリースし、
さらなる拡販を狙うというのは素晴らしい発想だったと思う。
「みんなのGOLF」や「ぼくのなつやすみ」
「ことばのパズル もじぴったん」など、廉価版の販売数が
通常版に迫る(もしくは超える)成績を残す物も出た。

しかし、数年前からあからさまに在庫処分と思われる、
セールス的に苦戦したタイトルがラインナップに上るようになってきた。
売れなければ早めに見切るという、
ショップが行ってきた販売方式をメーカーが行うようになってきたのだ。

コナミの廉価版のリリースは確かに早くなってきている。
それは私も感じてはいるが、その事を指摘(非難)して良いのは
正規の料金で新品を購入したユーザーと、
中古ソフトを一切扱っていないショップのみだと思う。
メーカーが廉価版のリリースを早めるのは、
市場の中古価格より下回る価格でなければ意味がないからではないか。
中古訴訟に破れたメーカーが、相場以下の価格で
新品を再投入するのは自衛手段としては妥当な戦略だ。
中古販売を止めてくれと頼んでも「合法」を盾に押し切るというなら、
廉価版発売も立派に「合法」である。何の問題もない。

ショップの人間からは
「正規料金で買ったお客様に申し訳ない」という声も出ているが、
それはどう考えても御為倒しであろう。
廉価版のリリースが早まることがお客様に申し訳ないなら、
発売から3ヶ月も待たずに半値に下がる商品についてはどうだというのか。
申し訳なくはないのか。
値崩れした商品も廉価版も、客からすれば同じである。
(廉価版を嫌うユーザーもいるにはいるが少数だ)
安い方が良いに越した事はない。
発売から3ヶ月で1800円で再リリースされる「コントラ」と
発売から3ヶ月で2000円台まで値崩れした「テイルズ・オブ・リバース」、
しかし叩かれるのは「コントラ」のみ。
新品の薄利を利益率の高い中古で補っているショップからすれば、
中古の利益すら奪いかねない価格設定での廉価版のリリースに
腹を立てる気持ちも分からないではないが、
ならば中古市場がメーカーの利益を損なっていることにも
目を向けるべきだろう。
(中古を止めろと言っているわけではない。念のため)
廉価版による金額調整ぐらい、
痛み分けとして受け入れても良いではないか。

正規の料金で購入したユーザーについては、
御愁傷様としか言い様がない。
私も同じ経験は何度もあるし、確かに悔しい。
iPodの5Gが5万したのもそんなに昔の話ではないし、
我が家のHDDレコーダーも、購入時の金額をかければ
今ならHDDの容量を倍にしてもお釣りが来る。
しかし、AV機器にしろDVDにしろゲームにしろ、
結局は買った時はその値段で構わないと思って購入したのだからと
自分に言い聞かせて諦めるしかないと思う。

いや、諦めきれないことがあるのは承知の上だ。
事実私も、、、う。
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124 コメント

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色々と思う処は有ります (koto)
2005-03-21 23:27:07
世知辛いご時世、私も「廉価版マンセー!(万歳)」に、

主旨変えした一人です。



多少なりとも心配なのは、

以前は、「買うか、買わないか?」での悩みが、

「(廉価版が出るかで)今、買うか、買わないか?」に変わってしまい、

「迷う時は、半年見!」と、

業界の活性化に歯止めをかけているが、

わかっていながら辞められない処ですね。



良くも悪くも、無くても死なないですから

(昔は、「無かったら、死ぬ!絶対に!」と思っていたのに…)。
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Unknown (009)
2005-03-22 01:15:53
廉価版はパケージのデザインを通常版と変えない方が売れると思うんだけどな。

いろいろ変更箇所はあると思うけど。
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アンビヴァレンツ (泥田坊)
2005-03-22 01:19:41
 難しい。ほんと難しいよ、このテーマは。新品を買おうとする度にいつも逡巡してしまうんじゃ、いつまでたってもゲーム不況は改善しません。



 最近は本当に今すぐ遊びたいゲームとXBOXのゲームしか新品で買おうって気にならないな。いや、XBOXは今買わないとやばいんだって!後期サターンみたいになりますよ。

返信する
Unknown (shin1)
2005-03-22 01:51:41
値段は安けりゃ安いだけ良いんですが

偶にバグ修正版だったり、完全版だったりするんで

紛らわしいからやめて欲しいような修正版は欲しいような微妙な心境になったりしませんか
返信する
閉塞感は市場熟成の証? (さいふぁ)
2005-03-22 03:01:05
映画と同じで、「興行」なんですよねぇ…。

ばくちは手が良いからといって勝てるわけじゃなし。

結局、売り出してみないと分からない。

リスクが大きいから、保険(初回価格)も高い。

それで成功すればさらに稼ぐため、失敗すれば少しでも取り戻すために次の一手がどうしても必要になってくる。



映画は明らかにスクリーン>>>>>>>>DVDだからまだ良いけど、ゲームは同じもの。

逆にバグフィックス版や付加価値がついてたりして始末に負えない。



高価な限定版はそれでも売れるご時世ですから、PCソフトのように2分化するのも時間の問題かもしれないですね。

パッケージ版:攻略ガイドとかもついていて今の初回販売ぐらいの価格

ダウンロード(もしくはメディアのみ)版:廉価版ぐらいの価格



SFCROMの高価格化に歯止めをかけたSCEのように、次の販売形態を取り入れたところが次世代機の覇者になるかも…?

それとも映画みたいに、閉塞感を感じながらも市場を広げていけるのかな??
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う~ん、ちょっと違うような…どうだろう? (大木)
2005-03-22 04:26:24
廉価版と値崩れは、かなり違うと思うのですが…。

>発売から3ヶ月で1800円で再リリースされる「コントラ」と

>発売から3ヶ月で2000円台まで値崩れした「テイルズ・オブ・リバース」、

>しかし叩かれるのは「コントラ」のみ。



そりゃ、そうでしょう…。

・廉価版→店の利益(値段が下がることによる利益金額の低下や、中古の売上及び利益率)と初動買いの人の損

・値崩れ→店の損益負担で安売り→店と初動買いの人の損



値崩れの場合は、メーカーはほとんど損してないと思うのですが…。



値崩れというのは、極論、市場で面白くないと判断された商品が値下がりすることです。

この場合損をするのは、仕入れをミスした店(及び問屋)と値崩れする前に初動買いした人です。

メーカーはなんら損をしていません。ソフトを一旦店に収めてしまえば、とりあえず利益は出るのだから。

また、値崩れするようなソフトのリピートをかけるような店はそうそう無いです。

値崩れしたソフトのリピートをかける場合は、問屋やメーカーが卸価格を下げている場合です。



なのに、この値崩れと、中古対策(および早急な利益の還元を求めて販売される)安易な廉価版を絡めて語るのは少し違うのではないでしょうか。

実際、面白いソフトであれば高い価格でも動くわけですし。PSのガンパレとかは未だにほぼ定価の値段でも動いてますよね。



中古によるソフトの回転がメーカーに被害をまったく与えないかというと、流石にそれは無く、被害はありまくります。

しかし、中古でも新品でもゲームの値段が崩れるのは、正直な話、そのゲームが面白くない、もしくは売れてないと判断されるからです。



・ゲームが面白くない(もしくは面白くても売れない)→市場でダブつく→値崩れ

これは普通の現象じゃないのですか?
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Unknown (こういん)
2005-03-22 05:34:43
うちの近くのビスコでは、アヌビスSEなどを除く付加価値のない普通の廉価版は存在しないことになってます。

影も形もありません。廉価版が出ている事を知らない人はそのまま中古を買っちゃうでしょうね。

値段設定は同ソフトの廉価版新品よりちょい高めです。

最近はどの店でも新品10%引き程度は当たり前ですが、新作が品薄と見るや

希望小売価格ギリギリ(それ以上?)の値段設定で中古販売もします。

他のチェーン店では、信用にかかわるのでやりたくても出来ずにいることを

さらりとやってのける、ある意味潔いアングラ臭のあるお店ですね。
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中古と廉価版とメーカー利益 (Unknown)
2005-03-22 08:51:56
中古がメーカーの利益を損なってるのはわかるが、廉価版を出しまくることにより「どうせ安くなるから・・・」と言う意識を植え付けてしまって高い値段で商品が売れない様にしてしまうことも自社の利益を損なう原因になってる気が・・・
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タイトル数が多すぎて (ひよこ)
2005-03-22 09:51:52
ゲームの商品寿命が短い現状はショップとして苦しいところですね。ゲームのタイトル数が多い昨今は1週間~2週間程度で新作として飾ることはほとんどなくなります。(よほどの人気作以外はどうやっても新作のほうが本数がでるので……)

廉価版としてでるともう一度新作棚に並べることができる。また名作コーナーが作りやすいてな効能もあります。

もちろん並べる棚に限界がある以上溢れた商品は処分価格へ→どうせ処分するなら利益があるうち損が少ないうちに→商品寿命が・・・悪循環ですね^^;
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Unknown (ふなむし)
2005-03-22 10:19:33
メーカーへの配慮をせずに中古を続けるショップ。

ショップへの配慮をせずに早期に廉価版を投入するメーカー。



どっちも合法。

どっちもどっち。





ショップ系BLOGでメーカーに暴言を吐いている人がいましたが、

あれと同じ事を常日頃メーカーは思っているんでしょうね。



せっかく高騰する開発費注ぎ込んでつくったものを利益の廻ってこない

中古で売買しやがって、×すぞ! って。





結局のところ「廉価版」と「値崩れ」は、ショップやメーカーにとっては違いますが、

ユーザーにとっては対した違いは無いでしょう。

むしろ新品が手に入る廉価版の方が嬉しい。

そもそもショップに金が行くより、メーカーに行った方が結果的にユーザーの利益。
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