12月某日の午後、近所の量販店の問い合わせ窓口に数人が並んでいた。
全員がPSPのロゴが入った紙袋を持っていた。
テーブルの上には、まだほとんど手つかずと分かるPSPが広げられていた。
店員は商品を入念にチェックし、
「確かに映りませんねぇ・・・」と疲れた表情で呟いた。
gooのBLOGランキングのベスト10をゲーム関連だけで埋め尽くそうかというほどに
盛り上がっている「PSP初期不良フェスティバル」だが、
個人的にはさほど驚くことでもないように思う。
というのも、今回の結果はある程度予想されていたことだからだ。
11月度のマンスリーでもまだ実機を伴う展示がされなかったことで、予想は確信に変わっていた。
PSPの歩留まりが異常に低いこともかなり前から漏れ伝わっており、
「これが改善、安定するにはまだまだ時間がかかる」とも言われていた。
交換しようにも交換品がない。
メーカーからの出荷は今後も極少。
初回出荷分を買った20万人は、本来工場で済ませているはずの最終チェックを
わざわざ3万円近く支払って引き受け、全国のショップはSCEのお客様窓口と化した。
SCEは「巷で言われているほど不良は出ていない」と火消しに躍起になっているようだが、
そんな暇があるのなら、現在までに把握出来ている不具合をまとめ、
謝罪コメントと共にマスコミに向けて正式に発表するべきだと思う。
もし、万が一、不良率が高いことも承知の上で出荷したのであれば、
SCEの倫理観は鳥インフルエンザ問題で揺れた京都の養鶏場や
会社ぐるみの「リコール隠し」で騒然となった三菱自動車と同レベルだ。
違うとすれば、命に関わる問題か、そうでないかぐらいだろう。
先行逃げ切りを目論む任天堂を前に意固地になったのかも知れないが、
「DSとPSPはターゲットが違う」と言うのなら、多少遅れても構わないはずではないのか。
SCEの、いや、SONYという大企業の信頼を失墜させてまで、
大作の並ぶ今年末にねじ込む必要が本当にあったのだろうか。
今回のPSP騒動で、私は”映画版”(←指摘感謝)「風の谷のナウシカ」を思い出した。
PSPは、トルメキアの皇女クシャナが復活を企てた伝説の兵器、巨神兵だったのだ。
「ナウシカ」を知っている人なら、オチは分かってくれると思う。
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実は、今回の記事は12日の段階で既に書きあげていたのだが、
我も我もと騒ぎ立てるのが本意ではないため、事実確認に時間をかけた。
ネットではなく、実際に見聞きした話を総合すると、
感触としては全体で1割近いか、少し超えているぐらいではないか。
どちらにしろ、商品として販売出来るレベルではないと思う。
SCEは今後も週10万台のペースで出荷するとのことだが、
同じ管理体制で生産・出荷されている以上、出せば出すほどクレームは増加し、
火消し作業は大変になるはずだ。
販売を一時休止して全回収後、仕切直し。
SCEが「漢」になるには、もうそれしか道はない。
これじゃあただの邪魔にしかなりませんね<PSP
「こんなセリフあったけ」と考えた者
手をあげよう
ノ
ただ語弊がないようにするならば、
最後の部分は「映画版」ナウシカですね。
漫画版だとオチも何も一切変わってしまいわけわからなくなりますから。
正直この初期不良騒動は全く驚きもしませんでしたが、
ソニー製品を好きで毎回発売日に買っているような人には、あまりにひどい話ではあると思います。
儲けがあるかどうかはさほど問題ではない。
「商品」として発売出来るレベルに達していないものを
市場にバラ撒いて知らん顔を決め込もうとしているやり口が問題なのだ。
>ホイル殿
おお、そう言えば似ている。
紛らわしいタイトルで申し訳ない。
>野菜殿
問題の箇所は修正させていただいた。
指摘感謝。
PSPについていい話を聞きませんよね
嘘かと思うような話や怪情報がとびかっているようですし。
ソ\ニーも態勢を整えてから発売すれば良かったのに。
仕方ないですよね株価対策のためにだしたものですし(推測)
こういう既存分野への新規参入で
出だしですべると最悪なことになると思うんですが・・・。
ただでさえソニーは業績が小康状態、出す商品も圧倒的なシェアは取れない状態なのにゲーム部門で巨額赤字を出してしまうと本当にやばいと思うんですが・・・。どうなるんでしょう?(まあ、GT4とみんゴルの利益を食いつぶしてトントンか?)
ソニーが初期不良であたふたしているうちに任天堂がプレイやんを発売してDSに同梱版を出してきたりしたら、UMBへのライタ機能が無いPSPはほんとに売れなくなる可能性も・・・。(UMBの映像作品はガンダムとFFの二作のみとか・・・)
携帯でありがちな、いっぺん製品回収して発売中止するのが一番いいんでしょうけど、そんなことしたらマスコミにたたかれて、ソフト各社の開発も滞ってあっという間に任天堂がシェアを築いてまったく売れなくなるだろうから、いかに初期不良に迅速に対応し、この数週間で工場の歩留まり率を大幅に上げるか、にかかっているでしょうね。
まあでも問題が表面化してもネームバリューでしばらくは売れるんでしょうけど。
ナウシカはいい例えですね。ただ、今回の場合復活ではなく、今も絶大な支持があるPSブランドを地に落とすものになりそうだけどね。
ps:そういえばクタラキ社長は「PSPは10年作っていく製品」とか言ってたけど今後どうなるんでしょうか?
初期故障は実演中です。ビックカメラ本店に遊べる3台の PSP、一番右のやつを見ればいい。明日見に行ったらまだ見れると思います。
「昔ほど(SONYという名前の)ブランドが通用しなくなってきた」
とかどこかで発言していた記憶があります。
今回のような新製品の発売において
想定できた(と思われる)問題を完全に排する前に発売に踏み切ってしまうのは、
ブランドの過信以外の何物でもない気がします。
忍さんにしては珍しく語調が強い記事だなぁと思いました。
あ、更新いつもお疲れ様です。
毎回楽しく拝見しています。