昨日の党首討論で共産党の志位委員長はポツダム宣言を取り上げた。日本が降伏するにあたって受託したことは確かであるが、勝者としての驕り満ちた文面である。いわば自分たちのプロパガンダ文書なのである。日本に「世界征服」の野望があったかごとき記述が、それを端的に物語っている。日本人は「堪えがたきを堪え、忍びがたきを忍び」という御聖断によって武装を解除したのである。安倍首相は間違った言い方を避けるがために「つまびらやかに読んではいない」と答弁していたが、戦後体制の根幹はポツダム宣言とヤルタ協定であり、その二つを打破しなければ、戦後レジームから脱却することにはならないのである。ポツダム宣言は、アメリカとイギリス、中華民国が日本に戦争終結の機会を与えるために、公に発せられた宣言であり、樺太や千島をソ連領に組み入れるのを認めたヤルタ協定と共に、戦後の秩序を形成してきた。日本の領土についても、本州、北海道、九州、四国の四島に限定され、それ以外の周辺小諸島については明確ではない。悲しいかな日本は、アメリカの軍事力の前に屈せざるを得なかったのである。敗戦から70年が経過しようとしている。かつて日本学生同盟の諸君がスローガンとして掲げた「ヤルタ・ポツダム(YP)体制打破」が現実味を帯びてきているのである。あくまでもポツダム宣言の受託は「堪えがたきを堪え、忍びがたきを忍び」であったのだから。
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