原子物理学者の武谷三男は原子力平和利用の3原則として「自主・公開・民主」を挙げていた。しかし、今の民主党政権は、それに反している。原子力平和利用というのは、国家レベルで自主的に推進されており、その意味では外国からの干渉を受けるべきではない。同盟国としての米国との連携を重視しながらも、最終的には国益が優先されるからだ。福島第一原発の事故処理にあたって、米国向けへのパフォーマンスとして、自衛隊のヘリコプターによる注水が行われたといわれるが、それではあまりにも情けない。公開というのは、もっとも重要なことだ。国民に協力してもらわなければ、国は対応に窮してしまうからだ。避難してもらうにしても、正しい情報が伝わっていなければ、理解してもらうのは難しい。3月11日の東日本大震災が起きた段階で、福島第一原発はとんでもない事態に陥ったわけだが、民主党政権は、それから2ヶ月以上も過ぎた今日まで、真実を語ることを拒み続けている。民主というのは、手続き的にも、国民の声を無視しないということだろう。国民の風当たりが強いのだから、菅直人首相はすぐにでも国民に信を問うべきだ。武谷が挙げていた三原則を守ろうとしない民主党政権には、お引取り願うしかないからだ。
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