気軽に茶道をしてます。

日々のお稽古とともに、できるだけ手作りのお菓子で
お茶を楽しんでいる様子や、四季折々の変化もお伝えします。

今月の四ヶ伝は『和巾』

2021-04-24 19:30:40 | お稽古
二十四節気では「穀雨(こくう)」
七十二候では『霜止出苗(しもやみてなえいずる)候』
霜降りがなくなり、苗代で稲の苗が生長する頃。
そういえば先日歩いた柳生街道、蛙が煩く鳴いている
と思ったら、もう電気柵に囲まれた田んぼに
水が入り苗代の準備が・・・
ゴールデンウィークには田植え
   


ところがゴールデンウィークはCOVID-19は変異種で
東京とお隣の大阪・京都・兵庫に緊急事態宣言が・・・
奈良も罹患者が3ケタと大変なことになっているのだが
奈良県知事は頑なに、まん延防止も発令されず

あいも変わらず自粛生活中だが
改めてもう一度気を引き締めなければなりません
だが季節はどんどん過ぎ
窓を開けてのお稽古、換気が楽になりました

今日は『和巾点』のお稽古
和巾点は私にとってはミステリアスなお点前で
茶道辞典では相伝課目の一つ
名物裂、拝領裂などで作った古帛紗(和巾)の上に
仕覆に入れた中次をのせて扱う点前となっています
が・・・この点前ができたきっかけは
11代玄々斎、
孝明天皇に「欅の中次」に納めたお茶(龍の影)を献上され
その後、光格天皇50年の道具の取り合わせで「欅の中次」を
用い拝領した緞子を用い、茶献上を記念した茶会を開かれた。

茶杓は女官が持っていた光格天皇作『幾千代』、
拝領物などを床に並べ御簾をかけた床荘りでした
その際に、
利休居士が茶器に古帛紗を敷いて行った点前を復興された

私達が普段お稽古する時は、
淡々斎好みの桑の献残中次に
名物裂の古帛紗、仕覆を用いる。

さてお稽古のしつらえ、軸は『一華開五葉』。
     

これは初祖「達磨大師」がインドから中国へ来られて、
二祖「慧可(えか)」に印可を与えられた時の偈から
  吾本来茲土(吾れ本、この土に来り)
  傳法救迷情(法を伝えて迷情を救う)
  一華開五葉(一華五葉に開き)
  結果自然成(結果自然に成る)

※"ひとつの花が五弁の花びらを開き、
      やがておのずから実をつける" という意。

三種のお菓子は、自製の『花筏
花菓蔵 の『春もよう』、水菓子は『八朔』
    

花は『白雪けし』『黒蠟梅』
   

和巾点のお点前は、和巾の扱いが新鮮
中次は和物ですが特別なものなので両手扱いで
茶入れとして清める
和巾にのせた中次は常に水指正面
茶筅は常に建水肩

後は、ほぼ濃茶平点前ですのでスラリーとお稽古終了。

点前は難しくありませんがミステリアスな和巾点
歴史の一端を覗けましたか

『清明』の候のお稽古

2021-04-10 12:17:07 | お稽古
卯月も早いもので十日も過ぎ、
二十四節気でいうと今は『清明
"万物が清らかで生き生きとした様子を表した
 『清浄明潔』という言葉を訳した季語"
花が咲き蝶が舞い、空が青く澄み渡り
爽やかな風が吹く頃・・・・なのに
最近の奈良は黄砂やPM2.5で霞んだ空が多いようだ
   4/8

さらに急に雨が降ったり、暑いくらいの天気だと思えば
冷たい風が吹いて厚めのコートがほしくなり寒暖差も大
その上、新型コロナ変異種の蔓延で第4波が奈良にも

『清明』、この言葉にはほど遠い今日この頃
それでも鶯は毎朝いい声で鳴いてくれて幸せ

お稽古では三月に五徳を外して出した釣り釜を片付け
四月には炉中の灰を清め
香を置き透木(すきぎ)を炉壇に置く
透木炉用の寸法は長さ三寸九分幅七分厚さ四分
ここでも利休居士の寸法美が・・・
用材は利休好が厚朴(ホウ)、宗旦好が桐、竺叟好が桜
圓能斎好は梅と好みが分かれる
   

用いる釜は、平たく羽のついた釜
炉中を覆いかぶせるので、火の熾りが悪くなる
透木を用いて空気の通りを良くする
確かに今までのように火の勢いがない、
気を付けなければ
お湯は沸いてくれませんね

炉の火を隠すことにより火を遠ざけて
風炉への繋ぎの月になる
   

軸は『柳緑花紅
   

花は常盤万作に源氏車椿
   

お菓子は『桜金団』
干菓子は、三月終わりに摘んだ土筆で作っておいた
   

『土筆の砂糖漬』
ほろ苦さが春に嬉しい
もう一つは吉野葛製桜菓子吉野懐古
材料は吉野葛に和三盆糖、葛の香りと淡白な風味が


炉としては最後の月、5月は初風炉です
炉の濃茶の『中終い』を忘れぬように
最後の炉を惜しみながら
今月は濃茶のお稽古頑張りましょう

新型コロナの感染拡大、
もう一度新型コロナ感染予防対策の徹底
マスク着用、特に換気!
窓を開け放っても良い季節です。