気軽に茶道をしてます。

日々のお稽古とともに、できるだけ手作りのお菓子で
お茶を楽しんでいる様子や、四季折々の変化もお伝えします。

葉月のお稽古、お菓子は?

2019-08-26 21:53:36 | 主菓子とお干菓子
葉月も23日「処暑」に入り、
ようやく朝晩涼しくなってきました。
奈良ではお盆そして地蔵盆も過ぎ、空には秋の装いの雲が・・・


72候では『綿柎開(わたのはなしべひらく)』頃
綿を包むガクが開き始める、すなわち
綿の実がはじけて白いふわふわが顔をのぞかせる
そんなすてきな候なのですね。


床の間のしつらえも、綿を使いたいのですが・・・
大きすぎて使いづらくて二種の木槿、萩とトクサを
トクサの茎の先端にツクシの頭部のような胞子葉群が。


盆過ぎからのお稽古の菓子は
撫子きんとん』を作っておりましたが、


候に倣い『綿の花しべきんとん』にしましょう。


いかがでしょうか。

和巾点のお稽古

2019-08-25 20:23:38 | お稽古

四ヶ伝のお稽古を去年より始められた方がお二人、
上のお点前をする事により、段々茶道の奥深さもわかってもらえ
大変嬉しく思っております。

『唐物』『盆点』『台天目』『茶通箱』と進み、
今月のお稽古が、四ヶ伝最後のお点前となった『和巾
『茶通箱』と『和巾』は、どちらも和物ですが・・・
『茶通箱』は二種の御茶をお出しするお点前で、
仕覆の肩衝と大津袋の棗、二種の茶入の入った箱の扱いと
濃茶二服点の流れが平点前とは違うだけ、
お道具、帛紗捌きは特別な事はないですよね。

 
それに比べて『和巾』は和物でありながら、
拝領物である和巾、茶入れが桑の中次(献残中次)
と言う事で お菓子三種、戸の開け閉めは真、音無し、
茶入れは両手扱いなど、唐物と同等な扱いとなります。

四ヶ伝の中では一番上のお点前とお聞きしたように・・・


令和元年『湿し灰』作り

2019-08-16 14:30:01 | お稽古
盆三日も最後の日を襲った台風10号、西日本は息を潜めて
通り過ぎるのを待つだけ、大事にならないことを祈るばかり。

去年湿し灰作りをパスしてしまったので、炉最後の四月には
大事に使っていた湿し灰が、ついに無くなり、今年こそは、
湿し灰を作らなければと・・・・
意気込んでいたのですが、土用の間は、予定がびっしり、
いい天気にも恵まれず、伸び伸びに。台風10号が来る前の
11日早朝あまりの晴天に思い切って、日除け万全の服装に
ゴム手袋、茣蓙を広げ、出来立て熱々のほうじ茶、10Lは
沸かしたのに足りない・・・


思った以上に灰の量が多かったので、大変!大変!
そこで助っ人登場、ほうじ茶を沸してくれて大助かり
それでも底まで混ぜるのが大変、混ぜながら火傷の記憶が甦り・・・
一つの樽でいっぺんにしたのが問題?
今度する時は二つの樽に分けて灰汁抜きをするか、
量を減らして、毎年半分づつ湿し灰作りをするか?
考えなくっては・・・・


灰汁を取り、暫し置き、上澄みを捨て、残った灰を茣蓙に広げ乾かす




粘土状の灰を手で揉みほぐします。この日は37度以上になり暑ーい!
根性!根性! 十分な水分とミネラルを・・・2Lは摂ったよう




そして粗目の篩、中目の篩に通していくうちに、いい感じの湿し灰に
  

最後にもう一度篩にかけながら貯蔵桶に入れていきます。一つでは
重たすぎ持ち運びが大変なので今年からは二つの桶に分けて、
適度な湿気を持った湿し灰が完成!!、時計はもう午後五時過ぎ、
夕日が・・・よかった日が沈む前に片付けもできました。


お終いと思ったら、まだ残っていました。
炭屋さんからポイントでもらった新しい灰ですが、
〝灰汁抜きはしてません"と書いてありましたので
別に灰汁抜きをしようと小さなな桶に沸騰したほうじ茶を入れれば
ブクブクと凄い灰汁が・・・
灰汁を取りこれも茣蓙に干したのですが、ベタベタ粘土状で
全然乾かず・・・手で揉みほぐしますが
なかなかサラサラなならず、これは諦めて茣蓙をかけて
明日までこのままで様子を見ることに

次の日朝、茣蓙を開けると、いい感じに乾いており、
少ない事もあり一時間程でお終いに。


これからは半分づつ、毎年することにしましょう。
本当に熱中症で倒れるかと思った令和元年湿し灰作りでした。
反省!

大和文華館「福徳円満を求めてー中国 元・明時代の華やかな工芸」展へ

2019-08-11 19:00:23 | 大和文華館
暦の上では「立秋」を過ぎたとはいえ、一番暑い盛りになりますね。
先月末に「大和文華館」に伺っていたのに、暑さで書く気が失せて、
会期末が18日に迫ってきて、慌てて書きだしているところです。
特別企画展『福徳円満を求めて―中国 元・明時代の華やかな工芸―


大和文華館では福徳な展示はお正月に企画されており、不思議に
思いながら伺うと、学芸部課長、瀧朝子さんの丁寧かつ巧みなお話
のあと、鮮やかな色彩と多種多様な文様に溢れた中国元・明時代の
陶磁器・漆器・染織など、特別出陳作品を含めた96件の中から、
ポイントを押えられた説明も加わり、技術の限りを尽した華やかさ
に魅了されました。

講義に内容は
福徳円満」とは福も徳も欠けることなく満ちていること。
仏教では他者に恵みを与える徳を行うこと、それにより得られる
功徳を意味し、最終的には心の平安と現実的な豊かさを願う
文化的背景をさらうと
中国の元時代(1271年-1368年)はモンゴル人による国で、
 元曲という戯曲が流行し、
 螺鈿漆器は薄貝技法(0.1mm)による細密な人物文が特徴となる
 元時代後期に景徳鎮窯で青花磁器(染付)が完成し、イスラム圏との交易
 コバルト輸入により、筆で描くことで青色が・・・青花磁器の輸出
明時代(1368年-1644年)漢民族による王朝、
 産業・経済の発達し、富裕層が広がり、個人の造園が盛んになる
 文化が庶民層まで享受され、西遊記や水滸伝が出版され挿絵が
 陶磁器は五彩や金襴手など華やかな工芸品に。

福徳を表す文様とは、音通と云われる中国語の発音が同じ動物で表す
例)・「爵禄封候」とは雀=爵、鹿=禄、蜂=封、猿猴(サル)=候
51.「清水裂(きよみずぎれ)」 明時代 大和文華館
清水裂

50.「青花花鳥獣文六角大壺」明時代 白鶴美術館
青花花鳥獣文六角大壺

・梅(早春)に鵲(カササギ=良い知らせを運ぶ)⇒早春に吉兆を運んでくる
・鹿・霊芝・竹・奇岩⇒長寿(仙人が良く出てくる)
・つがいの動物   ⇒夫婦円満

四部構成になり
Ⅰ.華やかな色彩に導かれ―五彩への展開
  元代後期に中央アジアからコバルトがもたれされ、景徳鎮窯で青花磁器
  (釉下彩)が完成され、同時期に銅を呈色材として還元炎焼成で小豆色に
  発色する釉裏紅の作品が生み出されたが、安定しておらず数は少ない。
  明時代に入り、透明釉の上に、五彩(釉上彩)が発達し、さらに金彩など
  色鮮やかな陶磁器が焼造される。
 1.「釉裏紅鳳凰文梅瓶」 景徳鎮窯 元後期 :小豆色が注目
釉裏紅鳳凰文梅瓶
 
 4.「青花蓮池文瓶」 景徳鎮窯 元時代 大阪市立美術館
 青花蓮池文瓶

 13.「金襴手瓢形瓶」 景徳鎮窯 明時代 白鶴美術館蔵
金襴手瓢形瓶

 25.「赤絵角鉢」 景徳鎮窯 明時代

Ⅱ.身近に置いて楽しむ-古染付・祥瑞
  明時代末の天啓年間(1621-1627)と崇禎年間(1628-1644)に民窯で
  焼造され、日本に輸出された焼物で、日本では古染付・祥瑞と呼ばれる。
  大らかな絵付けが多く、茶道具などに注文制作されたものもある。
 29.「青花富士山形平鉢」 景徳鎮窯 古染付 明時代末
青花富士山形平鉢

 31.「青花釉裏紅闘鶏文碗」 景徳鎮窯 古染付 明時代末期

 39.「瑠璃釉瓢形徳利」 景徳鎮窯 祥瑞 明時代末
 瑠璃釉瓢形徳利

Ⅲ.文様の広がりー多様な願いを託して
  長生き、裕福、子孫繁栄・・・様々な願いを託して文様に表す
  吉祥の意味の付け方として
  ・ものの性質や形から
  ・神仙にまつわる故事などから
  ・言葉の音通(発音が同じ)
  ・言葉を重ねて吉祥句を作る
 50.「青花花鳥獣文六角大壺」 景徳鎮窯 白鶴美術館 明時代 既述
 51.「清水裂(きよみずぎれ)」 明時代 大和文華館 既述
 63.「紅花緑葉福字文合子」 明時代
紅花緑葉福字文合子

Ⅳ.魅惑の人物像・物語の世界ー神話・戯曲
  神仙世界
  人々の理想の姿・暮らし
  ・明時代中期に興る造園ブームによる華麗な屋敷・庭園
  ・理想の文人像(琴棋書画、先人の姿)
  ・不老長生の景物に溢れた空間
  ・小説や戯曲の世界を文様に取り入れる
 78.「赤絵仙姑文壺」 磁洲釜系 元後期
 赤絵仙姑文壺

86.「五彩武人図有蓋壺」 景徳鎮窯 白鶴美術館 明時代
五彩武人図有蓋壺

88.「螺鈿楼閣人物図盒子」 白鶴美術館 元時代
螺鈿楼閣人物図盒子

91.「螺鈿楼閣人物図盒子」 大阪市立美術館 元時代 
螺鈿楼閣人物図盒子

95.「螺鈿山水人物図座屏」 明時代
 螺鈿山水人物図座屏

あと一週間ほどですが、福徳を頂きにお伺いください。

点茶盤で貴人清次を

2019-08-07 19:56:33 | お稽古

昨日は点茶盤でのお稽古日、貴人清次薄茶点前をしてみましょうと
立礼では、初めての挑戦です。
最初に貴人台を運び、次に薄器と次茶碗を持って
席に座り、薄器を水指正面右に置き
次茶碗を点茶盤中棚に仮置きし
貴人台を薄器と置き合わせ
次茶碗を点茶盤上建水を置く場所上座に置いてみました。

建水を定座に置き、蓋置を出し
いつも通りの立礼、
いつも通りの貴人清次の、お点前を進める事が・・・。

正座困難な方でも小習のお稽古が出来たらいいですよね、
点茶盤でのバリエ-ションが一つ増えたように思います。
 

軸は六瓢に芭蕉の句「静けさや岩にしみいる蝉の声
戸外では、クマ蝉の鳴き声がうるさいくらいですが、
芭蕉が立石寺を訪れたのは新暦の7月13日で、
可能性のあるセミはニイニイゼミとされます。

花入れは、有馬籠の「せせらぎ籠
木槿、ホトトギス草と洋種山牛蒡をいけてました。

ニイニイゼミとせせらぎの音を思い描かれれば、暑さも少しは・・・。

酷暑日で蒸し暑ーい日々が続きますが、お体を労り下さい。