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王様の耳はロバの耳

横浜在住の偏屈爺が世の出来事、時折の事件、日々の話、読書や映画等に感想をもらし心の憂さを晴らす場所です

伊藤さん 無言の帰国

2008-08-31 05:53:04 | 社会
伊藤さんの遺体、帰国 家族ら悲しみの対面(共同通信) - goo ニュース

昨日夕刻5時半TVのニュースを付けると岡崎市周辺の豪雨の被害を報道した後、場面が中部空港に切り替わった。
なんとアフガンで殺害された伊藤さんのご遺体が5時半ドバイからの直行便で無言の帰国となった場面を映し出した。ライブではないけど5-6分の遅れくらいの感じ。
エミレイツ航空の瀟洒な機体は雨模様の中、主翼端から霧(多分雨滴)を引きながら見事な着陸をした。
空港では伊藤さんのご両親、妹さん、弟さんのご家族が悲しみの対面をされるようだ。

ご両親のうち母上は最初に「アフガニスタン人の為に働いているのですから、ご迷惑でしょうがどうか助けてください」と発言されて以降表には出ない。恐らく傷心のあまり体調を崩されたのであろう。
父上が折節発言をされる。今回も対面前の発言で:
「きっと辛いものになるだろうが和也の帰国を迎えます」とか
「今まで息子のやってきたことを無駄にしないよう、最後までしっかりと送ってあげたい」或いは時間が前後するのであろうが
「和也は幸せだった。事業がストップすると(和也の)志が頓挫する」
とこの悲しみの中で良くもこれだけ毅然とされているもんだと感服します。
この息子にしてこのご両親。いやいやこのご両親にして和也さんなのでしょう。
本当に尊い犠牲になってしまいました。
改めて伊藤さんのご冥福をお祈りします。 合掌

伊藤さんは旱魃で荒れた大地にケシを栽培しアヘンにして換金するのが現地農民の生業の所に茶を植えたりサツマイモや米などの作付けや灌漑用水や井戸を穿って本格的な農業を指導する5年であったらしい。
これではケシ栽培に関心のある地方の無法者、軍閥、反政府組織等が敵視するのは考えられる事と思った。
こんな危険な中で無腰(一切の武装無く)の上、警護の人間さえ付けないで活動されたとの事であるから爺はその勇気に魂消ます。
考えようでは「日本国憲法第9条」の模範となる日本人に見えます。
でも無腰ですから想定外の無法者が出れば殺されてしまいますし、(これまでそうであった様に)危うい場合は現地からの撤退が必要です。
今回は最悪の場面が出てしまいました。
先にも書きましたがアフガンの日本大使館の「ペシャワール会」に対する保護の手は有ったのでしょうかね。せめて刻々の治安悪化の情報程度は連絡可能だったのでないでしょうか? 「生存との誤報」と合わせ官の民に対する冷たさを感じます。

不幸中の幸い、ペシャワール会は事業継続の意思を捨てていませんし伊藤さんのご両親も和也さんの活動を理解して下さったようですので現地に於ける活動が再開される日が来ると良いですね。
ペシャワール会に篤志家の寄付が増える事、出来れば伊藤さんの遺志を継いでペシャワール会に参加する若いボランティアーが出ると嬉しいのですが。
農業とか土木の知識が有ってエアコンが無く風呂水道さえない地に行く若者は一寸考えられません。
爺が若くてもとても無理。爺の息子達も小型のユンボくらい操りますが爺よりもダメでしょうね。
本当に尊い犠牲でした。    合掌


共同通信:
アフガニスタンで殺害された「ペシャワール会」の伊藤和也さん(31)の遺体を乗せた民間機が30日夕、愛知県の中部国際空港に到着した。静岡県掛川市の実家から父正之さん(60)ら家族が空港で出迎え、悲しみの対面。両親は記者会見し「遺体に『お帰り』と声を掛けてあげたい」と話した。遺体は同日夜、浜松医科大に移され静岡県警が司法解剖、誘拐・殺人事件捜査対策室を設置して捜査を進める。(引用終り)

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同感なのですっ (ねず吉)
2008-08-31 10:13:18
トラックバックをありがとうございます。
さっそく来てしまいました。
ボクのいいたのもそこんなんです。
「伊藤さんは旱魃で荒れた大地にケシを栽培しアヘンにして換金するのが現地農民の生業の所に茶を植えたりサツマイモや米などの作付けや灌漑用水や井戸を穿って本格的な農業を指導」
これこそ、日本の「心」そのものだと思うんです。人の道だと思うんです。
政治的ドグマによって、自衛隊を派遣するとかしないとか、そういうことが問題じゃない。
困っている人を助ける。人としての道を踏み外さない。鉄砲や爆弾や大砲が伝来しても、日本の武士は、刀を手放しませんでした。なぜかというと、銃や爆弾はただ殺生だけを目的とし、そこに心がないからといわれています。
殺生は武器がするのではない。人の心が斬る。だから刀は武士の魂といわれたし、大砲は「砲術」であって砲道とはみられなかった。
戦後の日本は、国民の生命の安全をなによりも優先し、そのことを正義とする国家となりました。
それはそれで正しいこととは思いますが、こうした伊藤さんの事件のようなことがあったとき、それだけではどうしても釈然としないものが、多くの日本人の心に響きます。正義ってなんだ?政府の対応は、これでいいの?
なぜなら、事前に退去を命じてました・・・というだけでは、あまりに「心」がないから。。。
そう思うのですが・・・
ブログ、リンクさせていただきました。
これからもちょくちょく来させていただきますね^^
返信する
もやもやと悩ましいのです (浜の偏屈爺)
2008-08-31 16:13:52
ねず吉さま 今日は貴重なコメント有り難う御座いました。伊藤さんの件について爺は「悩ましい思い出います」
ペシャワール会は「崇高というか宗教的境地と呼ぶか“現地で活動中は武装しない 或いは武装警備員による警護も拒否していたようです”そうなると治安が極度に悪化すると伊藤さんの様になる危険は大で今回はそれが起きてしまいました」

その点では現下の状況はペシャワール会のやり方は「生真面目すぎて弾力を欠いたかに見えます」
伊藤さんを責めるのではありませんがサバイバルバトルの点から見れば「早い撤退」が必要だったのでしょう。
ふと思うのですがアフガンは日本人が思う様な単一の国家でなく民族、地域、部族、宗教や血縁が複雑に絡みモザイク模様を呈しています。伊藤さんの行為はアフガンを構成する人の中では「正しい行為」と見ない向きもあるからややこしく悩ましくなります。
ともあれ志半ばで倒れました。
国民の自己責任意識が高度に進んだ国では「崇高な目的のため命を捧げて有り難う。ご苦労さまでした」そして次のボランティアーが立ち上がるのだろうと思います。
一方日本では「外務省は国外退去を繰り返した」「警察庁は犯人を追及」といっても何かしっくりきません。
アフガンの外務省が「官」として退去を勧告しても東部の危険地区に日本人が居るのなら「個人としての侠気とか男気或いは仲間意識」等で陰ながらでも「見守る動きが無かった」様なのは残念至極です。もっと雑に言えば「えらく水臭い」とか「冷たいでないか」と映ります。
でも非武装とか無抵抗とはこういう割り切れない思いを周囲に与えるのでしょうね。
ペシャワール会が現地に戻れる時期と人材の確保を祈るばかりです。

返信する
民衆の力を信じて (深巻 啓)
2008-09-01 22:16:39
トラックバックありがとうございました。

 この事件を聞いた時「国破れて山河あり」(杜甫「春望」)という一節を思い出しました。

 意味は少し違うかもしれませんが、アメリカとタリバンとの国の取り合いで国土が荒廃しても民衆が生まれ住む山河は存在し続けます。

 伊藤和也さんの遺志を受け継いで緑豊かな山河になればと思います。

 しかし政府筋からはインド洋の石油ルートをテロリストに襲われたらどうするんだ、との脅しのような発言も聞こえてきます。前途は険しいのかなとも思います。
返信する
民衆とか国民とか (浜の偏屈爺)
2008-09-02 11:04:37
深巻様 今日は お立ち寄りと貴重なコメント有り難う御座いました。
さてアフガン東部の情報を見聞きすると日本人が「国土とか国民」とか考えている概念と違うようですね。
民衆と言っても地縁血縁宗教民族等、日本人が考えるより重層的とか複雑な仕組みな気がします。
伊藤さんやペシャワール会の「崇高なまでにとか宗教的確信に似てる非武装の真情と現地の状況がミスマッチになってしまいましたね」
残念です。伊藤さんが襲われた後、地域の住民が1000人も山狩りに出てくれるなら伊藤さんの外出の折
数人でも「ボデーガード代わりに付いて行ってくれたら」と思うのですがね。その様な配慮も断っていたとか。残念です。
「純真とか誠実」と「暴力」の共生は困難なのが現実です
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