ドイツからオーストリア国内への入国はお互いEU加盟国なので、日本の県境と同じように高速道路をノンストップであっという間に通過してしまう。高速道路の両側はドイツ南部からオーストリア、スイスまで同じ景色で牧場とブドウ畑が並んでいる。スイスに入ると周囲に高い山が見えてくるが平地は北海道・美瑛のようななだらかな丘が続き、緑、緑の景色が心を落ち着かせてくれる。
そのオーストリアで休憩しバスは給油をした。油の税制が違うのか、ドイツよりもガソリン、軽油とも20セントほど安い。20セントと言ってもリッターで約30円安いのだからバスの満タン給油だとその差は大きい。通貨も同じユーロなので生活の知恵といったところ。(スイスの貨幣はフランでユーロも使えるがお釣りはフランだけ)
同じ国境でもオーストリアとスイス間は少し違う。国境の検問所がありバスはストップ。オーストリア側は事務所はあるが窓口は開いていないので、バスの運転手がスイスの事務所に入り手続きを行うだけの簡単なものだった。
このオーストリアとスイスの国境事務所の間に50㍍程の間隔がある。ここに写真のような車輪の付いていないキャンピングカーが住まいとして並んでいる。多分この間はどちらの国にも属さず、国の保護がない代わりに税金の負担もないのではないかと思う。ライフラインがどうなっているのかは分からなかったが、パラポラアンテナの付いているのが印象的だった。
スイスは九州と同じ面積だがそのうち60%をアルプスの山が占める。人口も740万人の小国。永世中立を宣言しているのでEUには加盟していない。しかし安全を確保するための軍隊はしっかりとしており20歳で兵役義務を負う徴兵制。15週間の基礎訓練後は42歳まで毎年合計で300日の訓練に参加しなければならない。万が一の時には24時間以内に40万人を集めることの出来る軍事力。日本の自衛隊は20万人しかいないので兵員数でははるかに劣るが危機感の違い?