散歩から探検へ~個人・住民・市民

副題を「政治を動かすもの」から「個人・住民・市民」へと変更、地域住民/世界市民として複眼的思考で政治的事象を捉える。

薬物使用環境下での意思決定~トヨタ役員の逮捕、何が衝撃か?

2015年06月21日 | 現代社会
報道によれば、トヨタ自動車・常務役員で米国籍のジュリー・ハンプ容疑者(55)が米国から麻薬を密輸した容疑で麻薬取締法違反(輸入)によって、警視庁組織犯罪対策5課に逮捕された。

6月11日、米国からハンプ容疑者宛に、麻薬成分の「オキシコドン」を含む錠剤57錠が入った国際宅急便を輸入した疑いだ。一方、彼女は「麻薬を輸入したとは思っていない」と容疑を否認しているとのことだ。

ハンプ容疑者は米ニューヨーク州生まれ。米・GM、米・飲料大手のペプシコーラを経て、2012年にトヨタ自動車の米国法人に入社した。今年4月、トヨタ初の女性役員になり、広報部門を担当していた。

ここでは「トヨタ、役員、女性、初」が合わさり、象徴的なキーワードになる。日本代表で、かつ、世界でも冠たるグローバル企業の「トヨタ」、世界的に女性登用が遅れている「日本」の中での「初の女性役員」だ。

この中で筆者は「グローバル企業の役員が麻薬を使用していたらしい」ことに注目する。更にGM、ペプシ時代も使用していたのか?との疑いも当然でてくる。それは、激しいストレス下にある大企業の役員にまで、麻薬が広がっていそうだとの意味を読み取れてしまうからだ。その意味で“象徴的事件”なのだ。

麻薬も含めて薬物使用者は通常、依存症として捉えられる。しかし、薬物とは云えないが、酒、タバコを考えるとき、飲酒者あるいは喫煙者は、その量等を自らコントロールして取得している。それと同様に考えれば、薬物も「コントロール使用者」がいるとの指摘がある。

ごく普通に仕事をしながら、その中で薬物を鎮痛用等に、医師の指導のもとに使用する人もいる。更にそれを離れて、他人に気づかれない様にすることも含めてコントロールしながら使用する人たちも、それなりの数がいるだろう。今回の様に犯罪容疑として調べないと、表に出てこないだけに、社会への浸透の具合は判り難い問題だ。

今回の件が氷山の一角かどうか判らないが、少なくともトップエリート層にも薬物の利用が進んでいる疑いを広く社会に認識させる事件という意味で極めて衝撃的な報道であったと、筆者は受け取る。

事件が解明させる前に解釈を広げるのは危険なのだが、ストレスに晒され、薬物使用のもとに下される意思決定とは、どの様な方向に向かうことになるのか。恐らく“強気の判断”に違いない。その意思決定に部下は従うことになる。当然、別な意味で部下もストレスに晒される。

これが、昨今の陸海空を含めた国境警備の場合は、どのような影響を受けるのか?対中国では、スクランブル発進も増えているかに報道されている。民間でもJRの電車、飛行場での管制誘導において重大事故に繋がりかねないトラブルも報道を賑わせている。

チャップリンが「モダンタイムス」で80年前に風刺したのは、「資本主義・機械文明」の世界であたかも、チャップリンが歯車に巻き込まれるシーンの如く、労働者が機械の一部になる様相だ。



これに対して、「グローバル資本主義・ネット文明」は、優雅な役員室の中で机の上のパソコンを相手にしながらその机の引き出しの中に薬物を忍ばせている姿で描かれるのだろうか。

      
           

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