散歩から探検へ~個人・住民・市民

副題を「政治を動かすもの」から「個人・住民・市民」へと変更、地域住民/世界市民として複眼的思考で政治的事象を捉える。

様々な「成熟時間の腐蝕」、現代的状況~成長から“成熟”への軌跡(13)

2014年08月26日 | 永井陽之助
日本は少子超高齢化社会へと進んでいく。以前の記事で示した下図(厚労省)の様に、こどもの数(15歳未満人口)は1981年から「33年連続」の減少、割合は1974年から「40年連続」の低下である。
 『減少を続ける日本の子ども人口140505』


また、下に婚姻数の統計を示す(厚労省)。件数は1970年代前半には100万組を超え、婚姻率も10.0以上であった。その後は共に低下傾向、1990年代以降はほぼ横ばいで推移、2009年以降は減少を続けている。

また、平均初婚年齢は、26.1歳(1993年)から年毎に少しずつ増加し、29.0歳(2011年)になっている。

先の記事において、1970年代の「子どもの危機」の様相を示したが、それと共に、出生率、婚姻率を含めてマクロな意味で、「成熟時間」の腐蝕を示すとの見方は特に間違ってはいないだろう。
 『成熟時間の腐蝕による育児放棄の世代間連鎖140825』

これまで述べてきた様に、現代社会の構造変化に対する永井陽之助の見方は、
存在証明を与えない「柔構造社会」(1967年)との表現に始まり、
時間の稀少化による「成熟時間の腐蝕」(1974年)で段落がつく。

その後、40年経過したが、新たな社会を展望するまでに至っていない。いや、上記の様相は更なる高度技術化社会において、深まりこそすれ、進歩と安定の歩みを示しているようには思えない。

エリック・エリクソンが示したライフサイクルの概念において、その各過程において、その過程特有の課題に取り組み、成熟を重ねていく道筋を、これまでの成果を取捨選択しながら新たに構築していくことを、目指す必要があるのではないだろうか。

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