採集生活

お菓子作り、ジャム作り、料理などについての記録

マルメロのパート・ド・フリュイのチョコがけ~チョコがけ2012

2012-03-27 | +チョコがけ

秋、 マルメロのコトニャータ(パート・ド・フリュイ ジャムを固く煮詰めた羊羹のようなもの)を作ったのでした。
バレンタイン頃にチョコがけをしようと冷蔵庫にしまっておきました。

まだ少し柔らかめなので、紙箱に入れておこう。


そして2月、冷蔵庫の箱を取り出してみると、冷蔵庫内で乾燥が進み、ガチガチのブリンブリンの、薄べったいシロモノに。
グミキャンディくらい固いです。

こ、これは・・・・。

こんなことになっていたとは。
(今年の冬はアレもコレも乾きすぎ、という問題が多かった気がする)
グミ的なよく噛むおやつとして食べられなくはないけれど・・・。

ひとまずビニールに入れ、薄めのシロップを少々注ぎ、乾物を戻す要領で柔らかくならないかと実験。 
しかし、一旦しっかり乾いてしまったペクチンは、少々のことでは元には戻りません。

水分だけでダメなら、熱よ!

再度煮直してみることにしました。
コレでダメだったらどうしよう・・・・?
でも、粉末のペクチン顆粒は水でふやかしたあと煮ればちゃんとトロリと柔らかくなる訳だし、きっと大丈夫なはず!

■■固すぎるパート・ド・フリュイの処理
■材料
マルメロのパート・ド・フリュイ 3枚
ピールのシロップ 適量
水 適量
■手順
(1)固いパート・ド・フリュイを粗く刻み、シロップと共にフードプロセッサーにかけ、ペースト状にする。ザラザラとした不均一なペーストになる。
(2)土鍋に入れ、水も適量足して、電子レンジで加熱する。焦げそうならば適宜、少量の水を足す。時々かき混ぜながら、全体が均一になるまで加熱する。
(3)熱いうちに、ラップを敷いたバットなどの型に流し込む。
(バットよりもきっちり角のある角型や缶などがよい)
(4)冷めると固くなるので、型から外して乾かす。
 

マルメロコトニャータ

フードプロセッサーで混ぜると、固いところと柔らかいところが入り交じった、ザラザラした不均一なペーストになります。

マルメロコトニャータ

電子レンジでよく混ぜながら加熱していくと、再び滑らかなペーストに!
よかった!


今度は乾燥しにくいように、3枚分だったパート・ド・フリュイを、一つのバット満タンに流し込みました。
お餅みたいな重さです。


さて、これをどうしたものか?


折角柔らかく煮直したのに、これをこのまま放置したら、またもかったいシロモノが出来てしまいます。
さっさと何かにしないと。


・・・・・・やっぱ、チョコがけ?

父からリクエストを貰っていたのでした。
今年のピールは乾燥気味で固めだったので、梅ジャム等を煮詰めたものを芯にした、口溶けのいいタイプのを作ってみて、と。
マルメロのこのペーストは、梅ジャムに近いし、丁度よいはず。


マルメロコトニャータ

バット満タンのマルメロの塊を、端から薄くスライスし、それを長手方向に直角に(つまりバットの深さ方向に)切り分けてみました。

切り分けたあと、この状態で1日干してみたのですが、雨だったので全く乾く様子はありません。

マルメロコトニャータ

でもそのままチョコがけしてしまいます。

テンパリング一度目は、どうも失敗していたようなのでやり直し(後からテスト片をよく見たら出来ていたっぽかった)。
2回目でもう出来たことにして、二本歯のチョコフォークでコーティング開始。

ピールと違って全てがほぼ同じ形状なので、コツをつかみやすいです。

マルメロコトニャータ

いずれ、角切りにしたガナッシュのチョコがけに挑戦したいと思っていたので、今回の直方体のチョコがけは、いい練習になった気がします。

テンパリングはイマイチで、ちょっとスジが出ています。
練習を重ねるうちに、いずれは・・・・。

 

マルメロコトニャータ

芯の量と見比べて、エイヤと750gのチョコを溶かしました。
丁度全量コーティングし終わり、残りはゴムべらをなすりつけて、極薄チョコプレートを作成。

チョコもマルメロも、全部綺麗に使い終わってすごく嬉しい!

マルメロコトニャータ

今回使ったのはこちら。
WEISSヴェイス社(フランス) アカリグア(70%)

「ヴェイス社はカカオ豆をじっくりと時間をかけて焙煎する方法で独自の製法を作り上げた。きめ細かくなめらかな仕上がりが特徴。アカリグアは、甘さと苦味の調和のとれたヴェイス社ならではの逸品。心地よい苦味が口の中に広がり、様々なお菓子作りに使える。」


 きめ細かくなめらかな仕上がり、とありますが、溶かしたチョコレートを混ぜていると、かなりザラザラ感があるものでした。
(食べてみるとザラザラはしないのですが)
溶かした状態も、終始重たい感じです。
冷却温度(25度)から作業温度(32度)に上げると、サラッと軽くなり明らかにつややかになるチョコレートもあるのですが、これは重ためでした。
私の温度調節技術のせいかもしれませんが・・・
(これ以上冷やすとボウルにびっしり固まってしまいそうで、27度くらいまでしか下げなかった気がする)

コーティングしてみると、見た目ドロリと重たいチョコだからといってコテコテになる訳ではなく、それなりの薄さにすることは出来ます。

味は、とてもビターで、エスプレッソコーヒーのような強さ(カフェイン?タンニン?)があります。
とても美味しいチョコレートではあるのですが、私にはやや刺激が強いです(鼻血が出そう!)。
同じ70%でも、先日買ったイタリアのドモーリ社アリバナシオナルとは大違い。
あちらは、70%とは思えないくらいとても軽く、ツルツルした滑らかさがありました。

テンパリングしてみると、味だけでなく、作業性の違いに気づきます。
ガトーショコラにしたときには全く分からなかった部分でした。また、色々買って実験してみないと。 


-------------

さて、今回のチョコがけ、今後の課題がいろいろ。 

(1)カットのサイズ
父のリクエストは、チョコとセンター(マルメロ部分)が同時に口の中で溶けてなくなる、というものでした。
中味の柔らかさ(口溶けの速さ)はピールよりは断然よくなったとは思いますが、今回の問題点は大きさ。
やや大きすぎた(ぶあつすぎた)気がしています。

たとえ口溶けがよいものでも、マルメロ部分の量が多いと、余韻はすっかりマルメロ味になってしまいます。
ガナッシュだったらこのサイズでもよかったかもしれないけれど、マルメロの場合はもう少し小さめのサイズに切るべきだったかも。
 ①このサイズのまま厚さを半分くらいにするか?(コーティング作業が2倍に・・・ううう・・・)
 ②厚さ半分で、面積2倍の薄べったい正方形という手もあるか?
 ③厚さ半分で長さ2倍(弱)にして、ピールのように細長くするか?

スライスしている最中から大きさ(厚さ)については迷いっぱなしだったのですが、あまり小さいとチョコがけしなくてはいけない数が増えて大変そうだなーという意識があったためか、つい厚めに切ってしまう結果となったのでした。

よく考えたら、ほんの数個でもいいから、細長いもの、薄べったい正方形のもの、など実験用にカットしてみればよかった。
それを味見して、来年に備えればよかったです。
がっくし。

(2)マルメロコトニャータの保存
今回、乾かしすぎてしまったため、再び粉砕して煮直す、という手間がかかりました。
チョコがけをしたい時に、最適の固さを保っておくためにはどうしたらいいのだろうか。
 ①マルメロを煮た際に、ゆるゆるのジャム状の状態で、瓶詰めしておく。
   チョコがけのしばらく前に、煮詰め直し、干す。
 ②伸し餅のような塊の状態で、冷凍?
 ③今回のように固く干してしまい、冷凍し、使うときに煮直す?

常温でおいておけて、匂い移りもなさそうな①がいいかな・・・。
 

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8 コメント

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Unknown (川越)
2012-03-27 21:55:46
>Fujikaさま
記事とは全く関係のないことで申し訳ないのですが、以前頂いたジャムの空き瓶はお返しいた方がいいでしょうか?かなり需要がありそうなので、そこそこの数があったので相棒が聞いてくれと言ってます。いまパソコンが壊れて手元にないもので、メールできずにコメント欄で失礼させて頂きます。ちなみに、頂いたメールを読む事はできます。
返信する
はじめまして (えりんろ)
2012-03-30 16:59:33
はじめまして。バクラバが大好きで、何とか日本で大量に入手する方法は・・・?とPCいじっていたところ、偶然こちらのサイトに当たりました。記事に書いてあったレバノンのお菓子屋2件、早速注文もしました。
ローマ遺跡が好きで、アラビア諸国にはよく出かけます、その際、ドバイやアブダビ、ドーハなどで手当たり次第にバクラバを腕が抜けるほど沢山買い込み、一年かけて消費してはまた出かけたついでに買い込み・・・という生活を長らく続けていましたが、そろそろアラビアへ出かけるのもネタ切れで、さてどうしましょう?と思っていたところなので、情報がとてもうれしいです。有難う御座いました。
バクラバ、私にはどれもこれも同じ味に感じるのですが、皆無条件に美味しいです!空港で売っている有名菓子店のはもちろん、怪しいスークのおじさん一人でやっている駄菓子屋っぽい店のもどれも大好きです。まぁ、贅沢言えば、よくある菱形したパインナッツのは面白くなく、ピスタチオの「鳥の巣」が一番好きなのですが。
でもやはり一番美味しいバクラバはシリア産だと思います。シリアの鳥の巣の美味しい事!名称を再現できない有名なあのお店、早く国が平和になって、また日本への輸出が可能になる事をろくろっ首のように首を長くして待っている毎日です。
いきなりお邪魔して長文失礼しました。
返信する
空き瓶 (●川越さま~Fujika)
2012-04-06 10:09:26
ご連絡ありがとうございます。
空き瓶、ご近所だったら勿論頂くのですが、わざわざ送って頂くのも勿体ないですね・・・。
いずれまたお会いする機会とか、ないかしらん?
この前みたいに、車で近くに行くことがあるとよいのですが。
予備もいろいろありますので、おうちで場所ふさぎでしたら処分してしまって下さいませ。
返信する
はじめましてようこそ! (●えりんろさま~Fujika)
2012-04-06 10:34:29
はじめまして!コメントありがとうございます。
アラブ圏にしょっちゅう出かけてバクラバを買い込んで来られるなんて、すごく羨ましいです!
冷凍すると、かなり日持ちしますよね~。

ネットや箱入りのものしか買ったことがないのですが、現地のお菓子屋さんでできたてを買うと、また美味しいでしょうね。
私は、ナッツ分の比率が高いものが好みです。
やはりシリアのものは格別のような気がしています。

まだ買ったことはないのですが、次のお店をみつけました。
BestArabic.com(どこ産か不明)
http://www.bestarabic.com/shop/arabic-oriental-sweets/cat_16.html
アマゾンのビースイーツ(日本産)
http://www.amazon.co.jp/dp/B004IH5UWY/ref=pe_58372_30220652_pe_vfe_dt1

早く平和になって、おちついてお菓子を作ったり食べたり(輸出したり)出来るようになるといいですね・・。

最近は、自分でアラブ菓子を作るのにも挑戦しているところです。カテゴリの「■アラブ菓子・中近東食材」のところ、是非見て下さい。
鳥の巣、結構それらしいものが出来ました!
返信する
マルメロジャム (KOH)
2012-04-12 08:46:10
私もいつかマルメロでジャムを作ろうと考えています。
マルメロのかおりちゃんとスミちゃんの苗を手に入れたので、何年かしたらきっと…。
海外からマルメロの種子を輸入する計画も立てています。
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「露茜」如何でしょう? (●KOHさま~Fujika)
2012-04-12 10:54:08
カリンの実は(使い勝手がイマイチなせいか)あちこちでよく見かけますが、マルメロは、あまり見かけません。マルメロの育てやすさはどうなのでしょう?早く大きくなって、沢山収穫出来るといいですね!

KOHさんは柑橘やイチジク、マルメロ、フェイジョアなど色々な果樹を育てていらっしゃいますが(「柑橘キャバクラ畑」には思わず笑ってしまいました)、アンズもやってらっしゃいますか?
「ニコニコット」「サニーコット」という新品種があるそうです。
あと、「露茜」という、果肉が赤くなる梅の品種があるそうです。
赤い梅酒や、赤い梅ジャムが出来るようです。
「露茜」育ててみたいなあ・・・・。
My果樹園、羨ましいです・・・。

返信する
露茜とか (KOH)
2012-04-13 02:41:47
マルメロはカリンと同じように育てられるそうです。
袋かけをするとより良質の実が収穫できるそうですが。

露茜はスモモの血が入った雑種です。赤くて当然。ウメにスモモを混ぜた方が使い勝手がいいかも。
稔性もないので育種の親にはならないみたいですね。
大実のウメには、アンズの血が入っています。
うちにもアンズかウメかわからない木がありましたが、高速道路が通るため、今年、伐採しました。
梅酒や梅干として食べていましたよ。
返信する
育種も・・ (●KOHさま~Fujika)
2012-04-13 22:35:02
マルメロ、栽培は比較的簡単ということでしょうか。その割にはとても高価ですよね・・・。
高速道路のSAの植木としてカリンが植わっているのを見たことがあります。
どうせならマルメロを・・。

伐採のこと、ブログで読んでおりました。仕方がないことではありますが、ものすごく勿体ないですね・・。

接ぎ木だけでなく、育種もされる(予定)のですね!?
すごいです・・。
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