後期ゴシック彫刻・市民運動・演劇教育

小学校大学教師体験から演劇教育の実践と理論、憲法九条を活かす市民運動の現在、後期ゴシック彫刻の魅力について語る。

〔658〕『鶴見俊輔ハンセン病論集』(青土社)が刊行されます。(矢部顕さんのお便り)

2024年02月16日 | 図書案内

●福田三津夫様

『鶴見俊輔ハンセン病論集』が刊行されます。
戦後を代表する哲学者・思想家であった鶴見俊輔さんの知られざる一面が本になります。
鶴見さんとハンセン病との関わりは、1950年代からお亡くなりになるまでの非常に長い
年月でした。終生にわたり、ハンセン病の詩人やそれに連なる人々と親密な関わりを続けられました。
そのことを知っている人は、鶴見さんのフアンの方でもほとんどいないでしょう。
戦後最大の哲学者・思想家であった鶴見俊輔さんの遺した著作は膨大な数になります。
が、ハンセン病との関わりに関する本は、いままで刊行されていませんでした。
わたくしは、1965年からフレンズ国際労働キャンプ(FIWC)関西委員会というサークル
に参加してきました。このサークルは、鶴見さんの思想の影響を大きく受け続けてきました。
それもあって、FIWCは1963年からハンセン病問題に取り組んできています。ハンセン病社会復帰セミナーセンター「交流(むすび)の家」の建設、そして、その後の運営(運営はNPO法人むすびの家)に対しても、鶴見さんの大きな協力がありました。
それもあって、この本には、FIWC関西と交流(むすび)の家にかかわる著述がたくさんあります。

編者・木村哲也さんの、解説、注釈などのコメントが、おそろしく詳しいです。
新刊紹介としてぜひお勧めします。

                           矢部 

■新刊紹介

内にある声と遠い声
     鶴見俊輔ハンセン病論集
                                                      鶴見俊輔著 木村哲也編
                                            青土社 3200円 2024年2月20日発行

稀代の哲学者の知られざる一面――
戦後を代表する哲学者・鶴見俊輔。隔離政策下にあった1950年代に療養所を訪れ、終生にわたり、ハンセン病の詩人やそれに連なる人びとと親密な関わりを続けた。隔たりの自覚を手放すことなく、ともに生きることの意味を考え続けた哲学者の姿が、初公開の講演録をはじめとする貴重なテクストから浮かび上がる。        (表紙の帯より)

 上記の本が刊行されます!  フレンズ国際労働キャンプ関西委員会に関わる章を下記に記します。

1章 ●『「むすびの家」物語――ワークキャンプに賭けた青春群像』(鶴見俊輔・木村聖哉著、岩波書店、1997年)の鶴見俊輔執筆のものを採録。

Ⅵ章は4つの講演記録のうち3つは、フレンズ国際労働キャンプ(FIWC)関西委員会主催の講演会の講演録です。
●「らいにおける差別と偏見」
1968年6月24日、大阪府厚生会館文化ホールにて開催された「交流(むすび)の家開所記念行事・「らい」を聴く夕べ」(主催・フレンズ国際労働キャンプ関西委員会)における講演。
●「もう一つの根拠地から」
1977年6月23日、東京・九段会館で開催された交流(むすび)の家建設10周年記念講演。(主催・フレンズ国際労働キャンプ関西委員会)
●「内にある声と遠い声」
1996年11月30日、らい予防法廃止記念フォーラム「排除から共生への架け橋」(大阪・御堂会館)での講演。(主催・フレンズ国際労働キャンプ関西委員会)

Ⅳ章 ●「山荘に生きる帝政ロシア――亡命貴族三代記」は、交流(むすび)の家建設のきっかけとなったトロチェフさんとお祖母さんとお母さんの三代記。(1963年『太陽』)

Ⅴ章、鶴見俊輔は、長島愛生園の機関誌「愛生」、同盲人会機関誌「点字愛生」の評論の選者を1955年から1972年まで務めていました。評論の選者として見出した書き手はたくさんいるが、その中でも抜きんでていたのが島田等だった。

フレンズ国際労働キャンプ(FIWC)関西委員会ならびにFIWCが建設した交流(むすび)の家にふれた記述は他の章にもいくつもあります。

     矢部 顕(NPO法人むすびの家・理事、フレンズ国際労働キャンプ関西委員会に1965年から参加)


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