後期ゴシック彫刻・市民運動・演劇教育

小学校大学教師体験から演劇教育の実践と理論、憲法九条を活かす市民運動の現在、後期ゴシック彫刻の魅力について語る。

〔633〕ついにドイツから届いた! 後期ゴシック彫刻の巨匠、ハンス・ムルチャーとミヒェル・エーアハルトの図録。

2023年11月19日 | 図書案内
 福田緑の5冊目の写真集『結・祈りの彫刻 リーメンシュナイダーからシュトース』(福田緑・福田三津夫、丸善プラネット株式会社、2022年7月発行)は、後期ゴシック彫刻の作家として15人の名前を挙げ、生涯の仕事や業績を紹介しています。私たちは図書出版のために、彼らが実際に活躍した街や作品のある教会や美術館・博物館を訪ね、写真に収めることをしなければなりませんでした。
 そうした長期にわたる「後期ゴシック彫刻を歩く」旅には、基礎資料として作家ごとの図録(カタログ)が手元になければなりません。リーメンシュナイダー以外は日本語文献はほぼゼロといって間違いではありません。であれば当然そこで必要になるのがドイツ語文献なのです。しかしながら、入手が可能なのは美術館・博物館ですが、そう易々と書籍売り場でそれらを目にすることはありません。前掲書にはかなり苦労して手に入れた図録を写真付きで紹介しておきました。

 昨年のドイツ旅行で、ついにファイト・シュトースの図録を手にすることができました。アイゼナッハの友人のエルケにいただいたのです。(ブログで紹介しましたが)
 そうなると、後期ゴシック彫刻の巨匠のなかで未だ図録がないのがハンス・ムルチャーとミヒェル・エーアハルトでした。そこで、今年のドイツ旅行で、バイエルン国立博物館のヴェニガー博士から直接2人の図録を見せてもらいました。小さな自転車で3冊の大冊をわざわざ持ってきてくれました。2冊とも私が長年ネットでリサーチしてきたものでした。そしてそれを手に取り、内容を確認して、なんとしても購入しようと心に決めたのでした。
 しかしながら、日本からドイツのアマゾンでの購入はできませんでした。
 そこでシュトゥットガルトの友人のシルヴィアがアマゾンで2冊を購入し、それを日本に転送してもらうことにしたのです。
  一昨日、雨の中大きな荷物が届きました。
 なんと2冊ともウルム博物館で開催した展覧会に作成された図録だったようなのです。しかもその制作には現在フランクフルトの博物館・リービークハウスの学芸委員のシュテファン・ロラーさんが大きく関わっていたのです。彼は当時ウルム博物館勤務の学芸員でした。

 図録を紹介しましょう。『ミヒェル・エーアハルトとイェルク・ジュルリーン(父)』は大きすぎてスキャナーの画面をはみ出し、下部と横が写せませんでした。

 

*『ミヒェル・エーアハルトとイェルク・ジュルリーン(父)-ウルムの後期ゴシック彫刻』  388頁、32.5×23.5㎝
2002年9月8日~11月7日、ウルム博物館開催



*『ハンス・ムルチャー-ウルムの後期ゴシック彫刻家』445頁、28.5×21.5㎝
  1997年9月7日~11月16日、ウルム博物館開催
  ウルム博物館とシュトゥットガルト州立博物館からの出品

 早速ページを繰って、付箋を貼りまくりました。2025年の秋には渡独する予定です。この図録のなかからその訪問作品を選択するのです。それは至福の心躍る時間でした。

最新の画像もっと見る