いーなごや極楽日記

極楽(名古屋市名東区)に住みながら、当分悟りの開けそうにない一家の毎日を綴ります。
専門である病理学の啓蒙活動も。

Gatewayの再挑戦は成功するか

2008年03月24日 | 比べてみよう
 Gatewayは昔からWindowsを使っていたユーザーにとっては馴染みのあるメーカーで、2001年まで"Gateway2000"という名前で営業していました。少なくとも日本においてはBTO大手のDellやCompaq(現在はHPに統合)と並ぶブランドと認知されていたはずです。名古屋でも大須に直営店ができた当時に行ってみたのですが、同店のクレジットカードの勧誘がしつこくて、断ると露骨に嫌な顔を見せる店員がいるなど、感じの悪い店でした。

 直営店の営業能力には感心しませんでしたが、牧場の空いた建物でパソコンを組み立てて売ったのが会社のはじめとするエピソードをうまく利用して、ホルスタインみたいな白黒模様の箱で配送するなど、プロモーションは巧みでファンもいたはずです。その後2001年に突然日本から撤退し、ドライで無責任な経営姿勢や、有名企業にしては思いの他脆弱な財務体質が露呈し、すっかり忘れ去られた感がありました。

 現在のGateway Japanは2004年に日本市場に再参入した会社で、同業のE-machinesを統合し、更に台湾のAcerに買収された多国籍企業です。かつてライバルのDellに名を成さしめた雪辱はなるでしょうか?

 私は単なるパソコンユーザー(しかも今使っているのはDell)であって、企業の経営分析にはたいして興味がありません。大須での嫌な思い出もありますので、特にGatewayを持ち上げる筋合いもないわけですが、それでも話題にしたかったのは、この3月下旬から投入された同社の新製品に注目したからです。このFXシリーズはIntelの新しいクアッドコアCPUの出荷に合わせたタイムリーな製品企画で新鮮さがありますし、安い!

 代理店であるツクモのサイトで見ると、最新のQ9450と3GBメモリ、強力なオーバークロック仕様のGeForce8800GT搭載、VistaプリインストールのFX7028jが12万8千円。ハイスペックタイプとしてはやや電源が弱い気もしますが、競合するDell XPS420より割安感があります。DellはXPSを大事に売って利益を出そうとしているのか、乱売気味のInspiron(毎週違ったスタイルの値引きセールがあって、いつ買えばいいのかわからない)に比べると値引きが渋くなっています。もっとも、よくわからない多機能で異常に高い家電各社のパソコンに比べれば安いんですが。

 XPS420やFX7028jクラスの性能を家庭で要求するユーザーはビデオ編集や3D画像などの重い処理を目的とするため、部品やソフトウェアの進歩に応じて頻繁なアップグレードを繰り返しながら使い続けることが多いと思います。そんな使い方には部品の素性が明らかな(市場に出回っている部品を集めた)ショップブランドPCが好まれ、使い方のわかりにくいオリジナルパーツが多く改造しにくいメーカーPCは敬遠されていました。ただ、生産台数が多いほどコストダウンは容易なので、値段の点でDellやAcer/Gatewayが付け込む余地もあるわけです。

 DellがXPSで稼いでいるのも中小ショップブランド以外にライバルがなかったせいと考えられ、これからはAcer/Gatewayの競合でおいしい商売はできなくなるかも知れません。かつてのGateway2000のような気まぐれな商売は今度こそ御免ですが、ユーザーの要望を吸い上げやすい店頭販売に注力しているだけあって、今回はいいポイントを突いてきたと思わせます。この調子で製品を投入できれば、Dellが苦手とする個人ユーザーを取り込むこともできるのではないでしょうか。
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