極楽息子(小)の通う幼児教室「こども能力開発教室トムソーヤ」の自然学級に一家で参加してきました。行き先は世界遺産の合掌造りで有名な岐阜県白川村にある「トヨタ白川郷自然学校」です。本人は行き先など理解しているはずもありませんが、朝から意欲十分ですね。
トヨタ白川郷自然学校の建物は、合掌造りをモチーフにした木造の大屋根からできています。合掌造りが4階、5階の高層なのに対してこちらは背の高い大空間が中心で、頑丈な木組みが強調されています。これだけの大屋根を通常の木材で支えるのは難しいため、大径の集成材をメタルで結合したトラス構造をとっており、近代的です。
この施設は当初稲本正さんが校長だったのを見てもわかるようにオークヴィレッジとの関連が深く、建物の設計にも密接に関わっていたはずです。確か、稲本さんは国産材の利用を強固に主張していたはずですが、強度の高い構造用の木材をこれだけ集めるのはかなりコストが高いため、これは輸入材ではないかと思います。大空間木造建築のノウハウが豊富にあるダグラスファーなどでしょうか。もし地元の木材(木曽ヒノキの産地ですね)を利用しているのなら大っぴらに宣伝しているはずですし、日本の市場は木材の節を極端に嫌うので、大径の構造材でこれだけ節まみれのは却って手に入りにくいはずです。
その後のトヨタが稲本さんと意見を異にしたのは、記載が全くないながら何となくわかります。現在のトヨタ白川郷自然学校はオークヴィレッジと関係がなさそうで、フロントにオークヴィレッジの本が少し並べてある以外には痕跡もありません。私は品質のばらばらな国産材を無理に使うことは消費者にメリットがなく、「環境にいい」とも思いませんので、このトヨタの現実転向は妥当なものと考えます。そもそも、「国産材以外はみんな駄目」という教条主義からすれば、鉄骨造りのトヨタホームをどう説明するのですか。目的が合理的でない教条エコ運動は迷惑なだけです。
長ったらしいレクチャーを受けてから、まずは着替えて雪遊びです。少し寒いかな?この宿泊施設はチェックインが午後4時なので、それまでは温泉の脱衣場で着替えるようになっており部屋が使えず不便です。ここはもう少し何とかならないでしょうか。子供の着替えにはパパとママが一緒に作業できないと不便ですし、だからと言ってこの時期に午後4時まで待っていると暗くなってしまいますよ。
最初のプログラムはかまくら作りです。雪山を作って穴を掘る方法が正統ですが、ブロック作りの道具が手に入ったため、イグルー方式を採用。雪を固めてブロックを作り、壁を積み上げていきます。
一家総出の作業ですが、これが大変。次々に降り積もる粉雪はなかなか固まってくれなくて、基本になるブロックがうまく作成できません。建材が弱いし、地盤も同じく新雪でふわふわのため、積んでも積んでも割れたり崩れたりする惨状です。
寒い中の重労働が続きます。向こうのグループは古典的なかまくら方式ですね。
建築技術がないため壁だけで我慢します。少しずつ壁が内側に向いているのですが、これはイグルーの曲面を作っていると言うよりは、真直ぐ積めずに傾いてきたと言うべきでしょう。
広さはこんなものですね。風除けにはなるでしょう。どうしても開口部が弱くて崩れやすいので、イグルー方式でも全周に積んでしまって、後から入り口を開けた方が失敗しにくいらしいです。
こんなかまくらでも満足してくれたのかな?
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http://www.toyota.eco-inst.jp/whatsnew/backnumber.html#0704to06
トヨタはエコ活動に理解があるところを見せて企業イメージの改善に繋げたいことから稲本校長の起用となったのでしょうが、やっぱり自動車メーカーですから、安くて便利な自動車がたくさん売れないと困るわけです。
稲本さんの方はそんな産業を背負っていないし、科学者としてのキャリアも早々と捨ててしまったため、(私に言わせれば教条主義的で非合理的な)過激なぐらいのエコ思想を振り撒いて世間から注目されることが利益になるわけです。トヨタとの関係は最初から同床異夢というところでしょう。