いーなごや極楽日記

極楽(名古屋市名東区)に住みながら、当分悟りの開けそうにない一家の毎日を綴ります。
専門である病理学の啓蒙活動も。

ダビング10は破棄を

2007年11月16日 | たまには意見表明
 今度は権利者団体がJEITAに公開質問状だそうです。焦ってますね。そりゃそうでしょう!「消費者代表」として録画や編集のことなんかほとんど知らない素人を委員会に取り込むことに成功して、「消費者代表ともダビング10で折り合った」と言い張って、JEITAを悪者にできるのは今だけだからです。日常的に録画を楽しんでいるヘビーユーザー層は、最初からあんな人選はないと思っていましたし、じきに一般の視聴者も騙されたことに気付くからです。

 多くの消費者が権利意識に目覚める前に、とにかくJEITAを「消費者の敵」と誹謗しておきたいものですから、質問状も荒唐無稽ですが、それ以上に権利者団体のコメントが笑えます。日本映画製作者連盟の華頂さんは、タイムシフトが目的の録画であっても補償金は必須、という主張です。もはや自分が何を言っているのか理解していないようですね。テレビで映画をそのまま見るのはいいが、録画して後で見るのは損害だから補償しろ、とは難解な理論です。多分、誰にもわからないでしょう。

 消費者としては、今日買った赤福餅を今日食べようが明日食べようが(自己責任なら)勝手なはず。購入時に応分の代金は支払っており、自分の判断で古くなってから食べることに文句を付けるのは、家庭内の私事に対する不当な干渉です。映画だって商品である以上、同じ原則が適用されるべきでしょう。無料テレビ放送とは言え、視聴者が最終的にコストを負担しているのです。今後、権利者団体のロビー活動で法律そのものが改正される可能性もありますが、視聴者に納得されない制度では、いずれマーケットの縮小とコンテンツビジネスの衰退を招くだけです。

 権利者団体はダビング10に不満のようですから、主張されるように先日の合意を破棄されるのがいいと思います。メーカーは2008年の初めからダビング10対応機を売りたかったようですが、既に編集のできない不便が指摘されていますし、そもそも今まで販売したレコーダーがほとんど救済されないのは消費者不在の姿勢と言えましょう。

 ダビング10のような半端なものではデジタル機器の販売に弾みがつかず、国策であるはずの地上デジタル移行が進みません。コピーフリーやEPNまで緩和されて、消費者がアナログと同等の便利さを手に入れるまでは販売に火が着く見込みはないのですから、こんな「絵に描いた餅」をすっ飛ばして本格的なコピーガード緩和に進むべきです。

 多くの視聴者がテレビ離れして、機器メーカーもコンテンツホルダーも壊滅的な打撃を受けてから考え直すのか、今回の不一致を機会に消費者と本当に折り合うのか、わかり切った問題だと思います。

 アナログでコピーができるのなら、デジタルでもコピーを。アナログで編集ができるのなら、デジタルでもコピーを。それができないのなら、補償金も何もありません。ダビング10では露骨なコピーガードがあるのに、スキルのない一般視聴者から補償金をせびろうと言うのですから、本当の消費者の敵が権利者団体であることは明白です。
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