先日の下間(Tp)深澤(P)田野(B)トリオの
2ndステージより:
深「え~、少々お酒も入りまして、“酒気帯び”でいい感じで
お届けしたいと思います。'Makin' Whoopie' ですが・・・
これってちょっとヤラシイ“下ネタ系”なんですよね?
大丈夫でしょうか?」
だって、演奏なんだし、歌詞はないじゃないですか。
曲だけでわかる!?マサカ・・・
深「アレ?今日絶対やろうと思った曲があったのに。
譜面を探す間、下間さん、しゃべってつないでください」
(いきなりMCを丸投げして譜面探しに没頭。驚く下間さん)
下間「え~~っと、歌詞と言えば。
好きで長年演奏していた曲の歌詞の内容がわかると、それまで
『こんな曲だろう』とイメージしてやっていたものと違った場合に、
演奏に迷いが出ることもありまして・・・あ!譜面がみつかりました!」
う~~ん、そうですねえ、そういうことはあるかも。
歌う前振りとして、歌詞を面白おかしく説明すると、
演奏家に驚かれることがよくあります。
ただ、歌手の感覚としては、いわゆる『歌詞を歌う』というのは、
必ずしも歌詞の内容に感情移入することではないとは
思っていますが。
ひとつには、その詩全体が表現する世界の雰囲気と、
曲想がよく合っている、と感じるものが、愛唱歌=歌いやすく、
伝えやすい歌・・・になります。私の場合
もうひとつの大事なポイントは、ひとつひとつの言葉を
クリアに、印象的に聴いてもらうのが、歌手の役割だということ。
日本の歌の場合だとわかりやすいかな?『悲しい』という言葉を
とても悲しそうに言うのが、一番悲しそうに聞こえるかというと、
そうとはかぎりませんよね?「悲しい」という言葉を
歌手が発したときに、聴いている人が「悲しいという気持ちが
グッと、またはジワリと、感じられる」のであれば、
その歌い方、言い方は成功なわけです。
それはね、きっとどんな楽器も一緒。
「こんな音が出したい。この曲を、こんな風に演奏したい、
こんな風に感じてもらいたい」を伝えようと夢中になるのが
現場のミュージシャンなのです。