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ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

①韓国文学②韓国漫画③韓国のメディア観察④韓国語いろいろ⑤韓国映画⑥韓国の歴史・社会⑦韓国・朝鮮関係の本⑧韓国旅行の記録

韓国内の映画 NAVER映画の人気順位 と 週末の興行成績 [8月24日(金)~8月26日(日)]

2018-08-28 23:48:57 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▸23日(木)、早稲田松竹に行って18年ぶりに「ペパーミント・キャンディー」を観ました。個人的な新発見もあり、またいろんなことを考えさせられました。それについては、→1つ前の記事で書きましたが、長くなってしまったので後半はこの記事の後で書きます。
 この「ペパーミント・キャンディー」は、韓国での評価が日本よりずっと高いようです。とくにイ・チャンドン監督(や主人公のヨンホ)と同じ世代。つまり今60代くらいの人たちです。やはりリアルタイムで光州事件とその前後の激動の時代を生きてきた人たちは、この作品を観ていろいろ「身につまされる」場面などもあったのではないでしょうか。つまり、心の奥深くに感じさせる何かがあったということ。それに比して、2本立てのもう1つの作品「タクシー運転手 ~約束は海を越えて~」は、観客が「正義の側」にそのまま感情移入できる、「わかりやすい映画」になっています。時代が下るとともに娯楽性が増してくるのは自然な流れなのでしょうが、図式的な見方だと歴史の正しい理解から遠ざかると思います。光州事件にしても、なりゆきで「加害者」になったり、その時は<正義>と信じてとった行動が後に断罪されたり、といった事例は「親日行為」その他でも多々あると思います。(・・・ということはホントは韓国の人たちに言いたい。)

▸25日(土)は文京区民センターでドキュメンタリー「在日 歴史編」「 同 人物編」を観てきました。上映時間は各2時間あまり。間にトークシェア等が入って、午後1時半から7時過ぎまで。私ヌルボ、「歴史編」の方は以前観ましたが細部はもちろん記憶になく、今回「人物編」と合わせて観ることができて大収穫でした。(具体的に書くと長くなりそうなので全部スルーします。)

▸(「盗作問題」も含めて)話題の低予算映画「カメラを止めるな!」の上映が23日から韓国でも始まりました。後述のように観た人たちの評価はなかなか高いです。来月初めには上田監督が訪韓して舞台挨拶することになったとか。※参照→<Kstyle>の記事
    
「朝鮮日報」8月24日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。)

나도 저런 첫사랑이 있었지


 《週末の劇場街》で紹介

  「君の結婚式」



   僕にもそんな初恋があったなあ



 「ホイットニー」
   彼女の歌に結局グッと ★★★☆


 「目撃者」

   展開はいいが最後に傷 ★★★



 「私を振ったスパイ」

   基本は〇 活劇コメディ ★★★

 各作品とも、→先週または以下の記事の中で紹介しています。

         ★★★ NAVERの人気順位(8月28日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
          ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。

①(1) カウンターズ(韓国)  9.52(165)
②(2) ダンガル きっと、つよくなる  9.51(1,619)
③(-) カメラを止めるな!(日本)  9.39(154)
④(-) 大人図鑑(韓国)  9.39(59)
⑤(3) ハー・ストーリー(韓国)  9.34(2,127)
⑥(5) インクレディブル・ファミリー  9.27(9,688)
⑦(-) 1987(韓国)  9.25(31,308)
⑧(6) 劇場版 ハロー カボット:白亜紀時代(韓国)  9.24(1,969)
⑨(7) ブレス しあわせの呼吸[ブリーズ]  9.24(240)
⑩(4) 名探偵コナン ゼロの執行人(日本)  9.22(2,460)

 ③と④の2作品が新登場です。
 ③「カメラを止めるな!」、日本での一大旋風が韓国にも上陸。4人中3人は10点満点をつけています。韓国題は「카메라를 멈추면 안 돼!」です。
 ④「大人図鑑」は韓国のドラマ。14歳のギョンオン(イ・ジェイン)は父の葬式で見ず知らずの叔父ジェミン(オム・テグ)に会います。中途半端な詐欺師のジェミンはギョンオンに残された保険金をすべて失くしてしまい、結局2人は資金を調達するために近所の薬剤師を相手に父娘を装って詐欺を仕掛けようとするのですが・・・。原題は「어른도감」です。

     【記者・評論家による順位】

①(1) 顔たち、ところどころ  8.86(7)
②(2) 万引き家族  8.13(8)
③(-) 1987(韓国)  8.08(12)
④(4) ソソン里[韶成里](韓国)  8.00(2)
⑤(5) 君の名前で僕を呼んで  7.80(10)
⑥(6) ミッション:インポッシブル/フォールアウト  7.56(9)
⑦(-) ゴッホ~最期の手紙~  7.50(8)
⑧(7) 聖なる秩序  7.40(5)
⑨(8) インクレディブル・ファミリー  7.33(9)
⑩(9) ザ・スクエア 思いやりの聖域  7.25(12)

 今回の新登場はありません。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績8月24日(金)~8月26日(日) ★★★

         「君の結婚式」以下4位までが韓国映画

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(14)・・君の結婚式(韓国) ・・・・・・・・・・・8/22 ・・・・・・・・・・694,217 ・・・・・・・・901,202 ・・・・・・・・7,858・・・・・・・・962
2(1)・・目撃者(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・8/15 ・・・・・・・・・・432,987・・・・・・・2,197,283 ・・・・・・・19,073・・・・・・・・845
3(2)・・工作(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・8/08 ・・・・・・・・・・317,432・・・・・・・4,660,990 ・・・・・・・40,293・・・・・・・・797
4(3)・・神と共に-因と縁(韓国) ・・・・・・8/01 ・・・・・・・・・・290,075・・・・・・11,879,684 ・・・・・・・99,507・・・・・・・・735
5(4)・・マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー・・8/08・・・・・193,263・・・・・・・1,957,277 ・・・・・・・16,867・・・・・・・・568
6(19)・・私を振ったスパイ・・・・・・・・・・・8/22 ・・・・・・・・・・105,046 ・・・・・・・・164,015 ・・・・・・・・1,471・・・・・・・・262
7(6)・・モンスター・ホテル・・・・・・・・・・・8/08 ・・・・・・・・・・・70,538・・・・・・・1,002,936 ・・・・・・・・7,567・・・・・・・・407
       クルーズ船の恋は危険がいっぱい?!
8(7)・・ミッション:インポッシブル ・・・7/25 ・・・・・・・・・・・49,392・・・・・・・6,528,760 ・・・・・・・55,423・・・・・・・・263
9(5)・・MEG ザ・モンスター ・・・・・・・・8/15 ・・・・・・・・・・・39,417 ・・・・・・・・515,548 ・・・・・・・・4,421・・・・・・・・309
       /フォールアウト
10(新)・・マイル22 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・8/23 ・・・・・・・・・・・38,675 ・・・・・・・・51,350 ・・・・・・・・・・457 ・・・・・・・・203
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 「神と共に-因と縁」の観客動員数は今のところ歴代韓国映画の12位。ベスト10入りは1230万人を超えないと・・・って、これは届きそう。1~4位の韓国映画、性格の異なるものばかりで、複数観る(観た)人は多そう。私ヌルボも日本公開が待ち遠しいです。
今回の新登場は1・5・8位の3作品です。
 1位「君の結婚式」は、韓国のラブロマンス。高3の夏、転校生スンヒ(パク・ボヨン)に一目惚れしたウヨン(キム・ヨングァン)。スンヒをちょろちょろ追っかけ回し、やっと最終的に公式カップルとして生まれ変わろうとしたその時、「元気でね」との電話1本を残したままスンヒは姿を消してしまい、ウヨンの初恋はそのまま幕を下ろすかのようでした。その1年後、ウヨンはスンヒの足跡を追って粘り強い努力で同じ大学に合格します。ところが、彼の行く手を遮ったのは、他でもない彼女のボーイフレンドでした・・・。原題は「너의 결혼식」です。
 6位「私を振ったスパイ」(仮)は、アメリカのスパイ&コメディ。オードリー(ミラ・クニス)の誕生日にメールでの別れの知らせもなく、くだらないミッションを残して消えた元カレのドリュー。オードリーはそのドリューがCIAのスパイだったことを突き止めます。彼が殺害された後、オードリーと親友のモーガン(ケイト・マッキノン)は個人情報の入っているフラッシュドライブをウィーンにもっていかなければいけません。そんななりゆきで国際的な犯罪に関わるスパイになってしまった彼女たちがヨーロッパ全域を駆け巡る中、正体不明の英国エージェントが接近し、最精鋭の殺し屋からも追われることに。そこで親友同士2人のおしゃべりとアクションが炸裂します・・・。韓国題は「나를 차버린 스파이」。日本公開は未定のようです。
 10位「マイル22」は、アメリカのアクション&スリラー。世界を揺るがす危険な物質が盗まれ、その行方を知る男リー・ノアー(イコ・ウワイス)が重要参考人としてインドネシアのアメリカ大使館に保護されます。リーの抹殺をもくろむ武装勢力が多数送り込まれる中、ジェームズ・シルバ(マーク・ウォールバーグ)率いるCIAの機密特殊部隊は、リーをインドネシア国外に脱出させる任務に就くきます。22マイル(34.5㎞)とは、アメリカ大使館から空港まで距離。はたして、リーを無事脱出させることができるのか? ジェームズとともにアリス・カー(ローレン・コーハン)やサム・ショウ(ロンダ・ラウジー←初代UFC世界女子バンタム級王者・北京五輪女子柔道銅メダリスト)といった女性隊員たちも活躍します。韓国題は「마일22」。日本公開は2019年1月です。

【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・累積収入・・・・上映館数
1(新)・・フィクシーズ:トップシークレット・・8/23・・・・・・11,886・・・・・・・・・14,309・・・・・・・・・・108・・・・・・・・・268
2(34)・・ホイットニー ・・・・・・・・・・・・・・・・・8/23 ・・・・・・・・・・・6,862・・・・・・・・・・8,880・・・・・・・・・・・78・・・・・・・・・・79
3(2)・・万引き家族(日本)・・・・・・・・・・・・・・・7/26 ・・・・・・・・・・・4,989・・・・・・・・154,862・・・・・・・・・1,287 ・・・・・・・・・45
4(4)・・神は死ななかった:暗闇の中の光・・7/19・・・・・・・・・・2,274・・・・・・・・・81,518・・・・・・・・・・638・・・・・・・・・・25
5(23)・・カメラを止めるな!(日本)・・・・・・8/23 ・・・・・・・・・・・2,249・・・・・・・・・・4,975・・・・・・・・・・・42・・・・・・・・・・58

 1・2・5位の3作品が新登場です。
 1位「フィクシーズ:トップシークレット」(仮)はロシアのアニメ。フィクシーは電子製品の中に住んでいる1㎝のミニヒーロー。そのフィクシーの正体を知っている人は10歳の少年トム・トーマスと天才ユジニアス教授だけです。しかし、いたずらフィクシーのファイアーがユジニアス教授が発明した特殊ブレスレットを身に着けて都市全体を混乱に陥れてしまい、その拍子にフィクシーの正体がばれそうになってしまいます・・・。韓国題は「픽시」。日本公開はなさそうですね。
 2位「ホイットニー」は、2012年48歳で突然亡くなったホイットニー・ヒューストンのドキュメンタリー。彼女の母親や元夫、友人たちや、映画「ボディーガード」で共演したケヴィン・コスナー等々多くの人たちを登場させ、薬物問題や家族問題にも迫りつつ、彼女の人生と素顔を明らかにしていった作品で、秘蔵音源や未公開映像なども含まれているとのことです。韓国題は「휘트니」。日本公開は年内のようです。
 5位「カメラを止めるな!」については上述しました。
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[韓国映画]早稲田松竹で観た「ペパーミント・キャンディー」 ①18年ぶりに知った新事実

2018-08-28 11:35:50 | 韓国映画(&その他の映画)
 8月23日(木)早稲田松竹で久しぶりに「ペパーミント・キャンディー」を観てきました。たぶん2000年の初公開の時に観て以来だから18年ぶりです。
 その間、全然観る機会がなく、またしばらく前からDVDの通販もレンタルも在庫なしのようだし・・・。(販売元のアップリンクさん、なんとかしてほしい! 「風の丘を越えて 西便制〈ソピョンジェ〉」も。)

    
【「ペパーミント・キャンディー」[韓国版]のポスター(左)の数字は韓国初公開日2000年1月1日。最下段の「0」は??】

 [9月3日の追記]シネマコリア@cinemakoreaさんのツイートによると、その日の午前0時に公開されたからとのことです。カムサハムニダ!
 それにしても早稲田松竹、こんなに混んでいるとは思いませんでした。2年3ヵ月前に行った時とはずいぶん違います。最終日の前日ということもあるのでしょうが、その前から回によっては満席で立ち見まで出たとのこと。私ヌルボが入った回は幸い座れましたが、なるほど153席の7~8割は埋まっていました。一般1300円で「タクシー運転手 ~約束は海を越えて~」との2本立てを観られるのですから、十分うなずける客の入りではあります。
 <1980年5月、映画が描くふたつの光州事件>と銘打っての2本立てで、早稲田松竹のサイトにも詳しい紹介記事があります。(→コチラ。)

 私ヌルボ、今年観た「タクシー運転手 ~約束は海を越えて~」については→コチラの記事の冒頭で少し書いたので、今回はとくに「ペパーミント・キャンディー」について、それもタイトルに書いたように「18年ぶりに知った新事実」について重点的に書くことにします。つまり、その間にいろいろ仕入れた知識等がなければ2度目に観ても気づかなかったようなことです。

 冒頭の場面は1999年春の<野遊会>の章。(ここから時間軸を逆にたどり、20年前までさかのぼっていくというのがこの作品の構成のユニークなところです。) 10数人の男女が川辺で青空の下でテントを張り、シートを敷いて飲んだり食べたり歌ったりしています。韓国人はこういう野遊会がホントに好きですね。
 その少し後でわかることですが、集まった人たちは、主人公のキム・ヨンホ(ソル・ギョング)も含めて、かつての「カリボン峰友会」の仲間たち。20年ぶりに同じ場所に集まったのです。
 私ヌルボ、まず最初に「そうだったのか!」と思ったのがこの「カリボン」でした。ソウルの加里峰(가리봉.カリボン)洞のことです。
 ところが、野遊会の場所の向こうに鉄道橋が見え、その先にトンネルがあるというこの場所。対岸の山の眺めといい、とても都市近郊とは思えません。<居ながらシネマ>の記事(→コチラ)等によると、撮影地は内陸部の忠清北道・堤川(ジェチョン)市で、それも市街地から遠く離れた忠北線の三灘(サムタン)駅近くの河原です。※現地にはこの映画の撮影地という記念碑があります。→関係記事(1)、→(2)
 ということは、映画の中ではこの場所は一体どこという設定になっているのでしょうね? ソウル市内でないとしても、ソウルから遠くないどこかということかな?

 「ソウルの加里峰のことか?」という推測が正しかったことは、上映時間の半ばを過ぎた1984年秋の<祈り>の章の冒頭の映像でわかりました。
  
    
 正面に見える食堂の前の空き地で、ホンジャ(左はキム・ヨジン)が自転車の練習をしているところにヨンホが通りかかる場面です。右は同じ章の後の方。夜ヨンホが店の前で自転車を乗り回しています。コチラの画像だとはっきりと「공단식당(コンダンシクタン)」という字が読み取れます。つまり「工団食堂」です。<工団>という熟語は日本ではふつう用いられませんが<工業団地>のこと。あの「開城工団」の「工団」ですが、ここでは「九老工団」のことです。といえば、韓国映画にくわしい方なら「九老アリラン」(1989)を思い起こすかも。その九老地区にある食堂なのです。※ただし、撮影地は群山市のセット。→コチラの<DAUM>のQ&A記事によると、約1000坪のさら地に黄土や石を敷いた上に油性塗料と色素を混ぜた水をかけて黒っぽい地麺にしたとか、この食堂の他、美容室やランドリー等を作り、食堂の前に練炭を積んだり、公衆電話や周辺の壁や電柱の張り紙・ポスターといった小物まで気を使って80年初頭を再現したそうです。

 <祈り>の次の章は<面会>。1980年5月です。ということは、あの<光州事件>が起こった時で、この章の内容もそれに関わるものです。
 しかし、ここまで1時間43分、「なんでこれが<光州事件>の映画なんだ?」と疑問を抱きつつ観ていた人は多いのではないでしょうか? <光州事件>の映画ということを知らずに観たら、最後までこの章が光州事件の時の出来事ということもわからないかも・・・。
 この章の内容については委細はあえて省略します。

 そして最後の章が<遠足>。1979年秋です。季節は違いますが、最初の章の20年前で、同じ場所です。
 本作品のほとんどすべての内容紹介が「この章は、当時のヨンホが20歳の純粋な青年だったことを最終章と対比的に描いている」といったことを記しています。それは間違いではありません。が、それだけではないのです。
 最初は20人余の若い男女が歌いながら川岸を歩いていく場面です。その歌はあのキム・ミンギ作曲の「朝露(アチミスル)」。ヤン・ヒウンの歌で広く知られ、民主化運動の象徴ともいうべき歌です。※→関連過去記事
 仲間たちから離れて野花を摘んでいるヨンホに話しかけた女性がユン・スニム(ムン・ソリ)です。カメラのこと等を話すヨンホに好感を抱いた彼女が渡したのがハッカ飴(ペパーミント・キャンディー)でした。「ハッカ飴がお好きなんですか?」とヨンホが問うと、返ってきた答えは「私の工場では1日に千個のハッカ飴を包むんです」
 つまり、彼女も工業団地で働いていた労働者だったのです。(<面会>の章で彼女は「ソウルのどこから来たんですか?」との問いに「永登浦区加里峰洞ですけど」と答えています。)
 この会話で、2人は同じ職場ではないことがわかります。では、この加里峰峰友会という会は一体どういう会なのか? 答えは九老工団の(各工場を越えた)夜学と思われます。日本のウィキペディアの「ペパーミント・キャンディー」の項目には書かれていませんが、→韓国のウィキペディアにはあり、他の多くの韓国サイトにも同様の記述があります。
 つまり、ヨンホたちはそれだけ意識が高く、向上心も旺盛な労働者だったということ。組合活動や(同年11月14日に暗殺された)朴正熙政権に対する民主化闘争に関心を持っていた(関わっていた?)ことが推測されます。また、当時は→コチラの過去記事に書いたように、当時多くの大学生たちが自分の履歴を隠して九老工団の労働現場に身を投じ、労働者の組織化や待遇改善闘争に乗り出しました。<ヴ・ナロード>の韓国版といったところでしょうか。<祈祷>の章で、先輩の警察官がヨンホに「おまえ、この近くの工場で働いていたんだってな」という場面があるので、もしかしたらヨンホもそんな学生のひとりだったのかな?とも思いましたが、この点は思い過ごしだったようです。
 (話は戻って)この遠足で、仲間たちが川辺で車座になって歌った歌は「ナ オットッケ」(나 어떡해.僕はどうしよう)。1977年の大学歌謡祭でサンドペプルスというソウル大学のバンドが歌って大賞を受賞し、広く知られた歌です。この歌が最初の<野遊会>の章でヨンホが叫ぶように歌った歌です。これは歌詞の内容がまさにヨンホの心情に重なっていたということでしょう。

 ・・・ということで、ここまでのとりあえずの結論は、「ペパーミント・キャンディー」は<光州事件の映画>であるとともに、<九老工団関係の映画>でもあるということです。

 知っていること、調べたことをいろいろ書き連ねていったら例によってどんどん長くなり、1回では収まりがつかなくなってしまいました。あとは続きに回します。

 →<早稲田松竹で観た「ペパーミント・キャンディー」 ②映画で振り返る九老・加里峰・大林洞の40年の歴史>
 →<早稲田松竹で観た「ペパーミント・キャンディー」 ③申京淑の自伝的小説「離れ部屋」を読んで気づいた3つの共通項>
コメント (4)
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朝鮮民主主義人民共和国と大韓民国の呼称 ④韓国で、「北韓」という呼び方を避ける人が出てきた

2018-08-25 23:49:26 | 韓国・朝鮮関係の知識教養(歴史・地理・社会等)
 → 朝鮮民主主義人民共和国と大韓民国の呼称 ①「北朝鮮」と「韓国」以外にあるの?
 → 朝鮮民主主義人民共和国と大韓民国の呼称 ②ホントに厄介な「北」の呼び方
 → 朝鮮民主主義人民共和国と大韓民国の呼称 ③韓国では、「北韓」の語が定着するまで何と言っていた?

 6月2日以来約100日ぶりの続き記事です。
 今回は、朝鮮民主主義人民共和国と大韓民国のそれぞれが、自国と相手国のことを何と呼ぶかについてです。実はこの最終回が本論です。(今までは長~い前書きだった!?)
 ちょっと長くなりそうなので、先にこのシリーズを始めたキッカケについて書いておきます。
 それは、ドキュメンタリー映画「ワンダーランド北朝鮮」を観たこと。より正確には、その韓国題が북녘의 내 형제 자매들(北の方の私の兄弟・姉妹たち)」いうことを知ったから。
 そして、関連して思い出したのが3年前に読んだ「リ・ジョンエのソウル滞留記」。総連系の在日朝鮮人リ・ジョンエさんの実体験を描いた漫画です。

    
 ソウルの街頭行動で統一旗を振る彼女(左画像)は、「북한(プッカン.「北側(북쪽.プクチョク)」)」という言葉を使わず、いつも「北側(북쪽.プクチョク)」と言っていることに気づきました。右画像は彼女が金剛山ツアーで北朝鮮に行った時の現地事務所。「「北側」の方たちは皆私が総連同胞ということを知ると、弾圧を受けている状況をわがことのように心配し憤ってくれました。」

 先回りして結論まで書いてしまうと、韓国の進歩系の人、親北朝鮮の人の中には、このように韓国で一般的に用いられている「北韓」という呼称を避けている人が相当数いるようだ、ということです。
 大韓民国では自国のことはもちろん「한국(ハングク.韓国)」と呼び、北朝鮮のことは先に書いたように「북한(プッカン.北韓)」と呼びます。
 ※google翻訳やexcite翻訳では、<북한>→<北朝鮮>、<北朝鮮>→<북한>と変換されるので、場合によっては要注意。
 ※韓国では、南と北を併称する場合に、「남한(ナマン.南韓)」「북한(プッカン.北韓)」という言い方をすることもあります。
 ※国号というものではありませんが、「以北(이북.イブク)」という言葉もあります。光復後南北に分断された休戦ライン北側の地域のことで、以北五道といえば黄海道・平安南道・平安北道・咸鏡南道・咸鏡北道を指し、韓国では今もそれぞれ知事が任命されています。また北朝鮮出身者による食堂に→「以北ソンマンドゥ」といった店名がつけられたりもしています。

 一方、朝鮮民主主義人民共和国では自国を「조선(チョソン.朝鮮)」といいます。また→先の先の記事
で書いたように、「共和国」という言葉が用いられることもあります。
 ※最近読んだ脱北者関係の本(韓国語)で、「北朝鮮の人は「조국」という言葉を「祖国」ではなく「朝鮮国」の略語「朝国」という意味で使っている」という脱北者の言葉を読んだ記憶があります。1ヵ月以上前から書名等再確認中です。
 そして、北朝鮮では韓国のことを「남조선(ナムチョソン.南朝鮮)」と呼んでいます。しかし、南と北を併称する場合に、「北朝鮮」「南朝鮮」という言い方をしない点は韓国と異なります。
 ※つまり、「北朝鮮」という言葉は韓国でも北朝鮮でも使われないということです。

 ちなみに、この「南朝鮮」という言葉を使ったらどうなるか? 少し古い事例ですが、1997年に金大中系の野党・新政治国民会議所属の李錫玄(イ・ソッキョン)議員が米国訪問中に「韓國(南朝鮮) 國會議員 李錫玄」と記された名刺を使用したことで与党・新韓国党の追及を受けた<名刺波紋>がありました。李錫玄議員は、国際化時代に合わせて7大言語で名刺を作って外国で使用したものの1つで、中国人のためのものと説明し、新韓国党の主張は「幼稚で滑稽なこじつけ」と反論しましたが、結局新政治国民会議を離党することになりました。(その後金大中の大統領選当選後に復党。現在は与党・共に民主党所属。)
 今は状況はかなり変わってきましたが、それでも韓国では「南朝鮮」という言葉は依然として公公然と使える言葉ではありません。

 ところが、近年韓国で北朝鮮の呼称についてまた変化が見られます。反共軍事政権当時ふつうに用いられていた「北傀」に代わって「北韓」が定着したのは約20年前の金大中政権頃からでした。
 しかし、その後この「北韓」に対しても批判的な主張が出てきました。南北の統一を志向する<進歩系>の立場からのものです。
 その代表として、円光大のイ・ジェボン教授が2005年に書いた南北の呼称についての記事(→コチラ)の要点を紹介します。(※イ・ジェボン教授は、親北・反米的な主張を重ねている、いわゆる「親北」(従北?)人物です。)

・歴史的には「朝鮮」は「古朝鮮」に始まり、「韓国」は三韓(馬韓、辰韓、弁韓)に由来する。つまり「朝鮮」はウリナラ(われわれの国)の最古の名前であり、「韓国」はその次に古い名前だが、それら長い伝統と深い意味を持つ国号が南北の対立のためにその崇高さと美しさが損なわれている
南北の和解・協力の前提として、相手方の国名を正しく呼ぶべきだ。
 ではどう呼ぶか? 以下、6つのペアについて考えてみよう。
  ①大韓民国 - 朝鮮民主主義人民共和国
    ・・・・正式名称だが、長すぎる。
  ②韓国 - 朝鮮
    ・・・・ともに自国でそのように呼んでいるという点で、相手方を尊重し、平和統一をめざしている点で評価できる。ただ、共通の文字がないので、お互いが他人という印象を与え、本来的に1つの国という観点からは不適当である。 ※南のメディアで北を「朝鮮」と表記しているのは[全国言論労働組合連盟]で発行する週刊誌「メディア・オヌル」が唯一の例外とみられる。
  ③韓国 - 北韓
  ④朝鮮 - 南朝鮮 
   ・・・・③④とも強く拒否する。ともに相手の存在を認めない、不公平で非対称的なペアだ。偏見や歪みを煽り、吸収統一を志向する冷戦的で暴力的な呼称である。南で「南朝鮮」という言葉を、また北で「北韓」という言葉を極度に嫌う理由がここにある。
  ⑤南韓 - 北韓
  ⑥北朝鮮 - 南朝鮮
   ・・・・この⑤と⑥が望ましい。均衡のとれた呼称で、共通の文字である「韓」や「朝鮮」を介して互いに、同じ血筋であることを明示する一方、分断の痛みを露呈することで、統一への願いを持つように導くからである。しかし韓国では⑤は使えるが、⑥を使うとパルゲンイ(アカ)と罵倒されたり、容共利敵行為で処罰されそうだ。
・今、「南朝鮮」という言葉の使用にそれほど抵抗感があるなら、相手が極度に嫌う「北韓」という呼称も使わないようにすべきだ。
・あえて「北韓」という呼称にこ固執するなら、私たち自身を「韓国」とせず「南韓」と呼ぼう。
・どうしても南側を「韓国」と呼ぶなら、北を「朝鮮」と呼ぼう。


 ・・・ということですが、ここで私ヌルボがイ・ジェボン教授に問いたいのは、北の政府あるいは国民がこの意見に同意してくれると思うのか?ということ。あるいは、その前に「相手方を尊重し」、「対等の立場での統一をめざす」という観点が北朝鮮の政府に受け入れられると思うのか?ということ。
 あるいはさらに、北朝鮮の人々は(イ・ジェボン教授のように)熱い民族意識を持って統一を願っていると思うのか?ということ。
 私ヌルボの見るところでは、答えはすべて「否」です。最近の南北間の他の案件でも同様ですが、全体的に韓国の政府や多くの国民の側からの「片思い的民族感情」ばかりが先行しているように思えます。(「<住民>はいるが<市民>はいない」北朝鮮で、そんな民衆レベルの民族意識の高揚は起こりえず、また北朝鮮政府も民衆が独自の<意思>を持つことを恐れるのでは?)

 いずれにしても、韓国の<進歩系>=統一志向の人たちにとっては北朝鮮の呼称は難しいところです。単に「北韓」はふつう(「南韓」ではなく)「韓国」とペアだし、すると「韓国主導の一方的な吸収統一」につながりそうだし・・・。
 ということで、「北韓」を使わないとなると、どうするか?
 結局は単に「北側(북쪽.プクチョク)」とか「北の方(북녘.プンニョク)」という言い方をするしかありません。
 と、ここで冒頭のあたりで書いた「ワンダーランド北朝鮮」の韓国題につながるというわけです。

 ウィキペディアの→<朝鮮民主主義人民共和国>の項目を見ると、<朝鮮民主主義人民共和国>の「韓国における呼称」についての説明文中に次のように記されています。

 韓国では朝鮮の南北について「南韓・北韓」という呼び方が一般的であり、自国のことを「南朝鮮」と呼ぶ者は、ごく一部の民族民主(NL)系人士に限られる。また、政治色を無くした「南側・北側」が特に南北交流の場で使われることもある

 実はこの説明文中「特に南北交流の場で」の部分は最近までありませんでした。したがって多少は改善されましたが、韓国の一般国民の間での使用状況をみると、この「政治色を無くした」という部分は誤りです。上述のように、「南側・北側」という言葉を使う場合は、その人は(韓国主導ではない)統一を志向しているという「政治的立場」を示しています。つまりは<進歩系>の人ということです。(<親北左翼>と言った方がわかりやすいですが、そう書くとなんか批判的なキモチが前面に出てしまうので・・・。って、もう出てる?)
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韓国内の映画 NAVER映画の人気順位 と 週末の興行成績 [8月17日(金)~8月19日(日)]

2018-08-21 20:31:26 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▸先週、映画鑑賞の回数をちょっと減らすか、みたいなことを書きました。で、昨日は田端に「ガールズ&パンツァー 劇場版」と同「最終章 第1話」を観に行くかなという気持ちをグッと抑えました(笑)
 と言いつつも、実は16~17日に近場で3本観てしまいました。その中で期待をはるかに超えた拾い物的感動作が「ラ・チャナ」。ラ・チャナはロマの一族タヒーナのフラメンコ・ダンサーなのですが、なんといってもそのステップの速さにビックリ! それもその場で音楽に合わせちゃうし、気持ちがこもってる。リストのピアノ曲「ラ・カンパネラ」にまでイスに座ったまま足を踏み鳴らすとは、唖然・・・。→コチラの動画では、ドラムとのかけ合いが見られます。いやー、観てよかった。

▸韓国文化院では「超能力者」(8月30日)と「サニー 永遠の仲間たち」(9月5日)の上映予定あり。詳しくは→公式サイトで。

▸今韓国で公開中の「工作」は、事業家(広告業者)に偽装して北朝鮮に入った韓国・安企部の工作員が主人公で、実在のモデルがいるのですが、たまたま金讃三「戦争になれば飢えは終わる」という本を読むと、これは中央日報の記者である著者が貿易商、あるいは行商人に偽装して北朝鮮に入国し、現地取材をした実話。他の北朝鮮関係の本を読んでも、映画以上にドラマチックな実話は多々あることを痛感します。

※先週は「朝鮮日報」の「封切映画 ぴったり10字評」と「週末の劇場街」は掲載されませんでした。

         ★★★ NAVERの人気順位(8月21日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
          ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。

①(-) カウンターズ(韓国)  9.57(115)
②(1) ダンガル きっと、つよくなる  9.53(1,608)
③(3) ハー・ストーリー(韓国)  9.35(2,101)
④(4) 名探偵コナン ゼロの執行人(日本)  9.29(2,264)
⑤(5) インクレディブル・ファミリー  9.27(9,580)
⑥(6) 劇場版 ハロー カボット:白亜紀時代(韓国)  9.24(1,875)
⑦(7) ブレス しあわせの呼吸[ブリーズ]  9.24(226)
⑧(8) 万引き家族(日本)  9.22(2,130)
⑨(9) ミッション:インポッシブル/フォールアウト  9.15(19,489)
⑩(10) マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー  9.09(5,469)

 ①「カウンターズ」だけが今回の新登場です。韓国のイ・イラ監督が日本での嫌韓デモを扱ったドキュメンタリーです。元ヤクザの高橋は、過激的な嫌韓デモをやめて、嫌韓主義者たちをやっつけるために「男組」を編成します。実力で嫌韓デモ隊の連中に対抗する彼らの行動で現地は大きな騒ぎになりますが、むしろ街には予想しなかった平和が訪れる、とうことですが・・・。こういう内容なのですでに日本でも情報が流されています。→<レコード・チャイナ>の記事にまあ目を通してみてください。私ヌルボは事実関係をよく知らないのでコメントは避けます。原題は「카운터스」です。
 [追記] その後本作は→コチラの記事によれば「主人公の性犯罪が明らかになったため上映打ち切りへ」ということになりました。

とか、→コチラのブログ記事とか。

     【記者・評論家による順位】

①(1) 顔たち、ところどころ  8.86(7)
②(2) 万引き家族  8.13(8)
③(3) ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ  8.00(7)
④(-) ソソン里[韶成里](韓国)  8.00(2)
⑤(4) 君の名前で僕を呼んで  7.80(10)
⑥(5) ミッション:インポッシブル/フォールアウト  7.56(9)
⑦(7) 聖なる秩序  7.40(5)
⑧(8) インクレディブル・ファミリー  7.33(9)
⑨(9) ザ・スクエア 思いやりの聖域  7.25(12)
⑩(10) 聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア  7.14(7)

 ④「ソソン里[韶成里]」だけが今回の新登場です。ソソン里は慶尚北道星州郡内の小さな村です。そこにあるロッテ系列のゴルフ場に昨年(2017年)4月、村人たちが初めて見る物体が入ってきてから、それまで平穏だった日々が一変しました。在韓米軍がTHAAD[サード]すなわち高高度防衛ミサイルの核心装備であるレーダーや発射台等を運び込んだのです。前年9月に韓国政府がこの地をTHAAD配備用地と決めて以降、国内での議論とともに、中国からの圧力等も大きく報じられてきました。このドキュメンタリーは、この問題を現地の住民の視点に重点を置いて、個々の日常生活や朝鮮戦争の傷痕等に沿って、平和を願う彼らの意志を淡々と描き出します・・・。原題は「소성리」です。およそ見当がつくように、この作品は<進歩系>の視点に立ったものです。ネチズンの平均評点は4.10という低さで、6割は(10点満点で)1点をつけ、「扇動映画をやめろ!」等々のコメントを書き込んでいます。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績8月17日(金)~8月19日(日) ★★★

         新登場1位の「目撃者」以下3位まで韓国映画が独占

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(新)・・目撃者(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・8/15 ・・・・・・・・・・810,599・・・・・・・1,365,453 ・・・・・・・11,934 ・・・・・・1,021
2(2)・・工作(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・8/08 ・・・・・・・・・・781,372・・・・・・・4,040,477 ・・・・・・・34,933 ・・・・・・1,050
3(1)・・神と共に-因と縁(韓国) ・・・・・・8/01 ・・・・・・・・・・639,974・・・・・・11,318,454 ・・・・・・・94,804 ・・・・・・1,000
4(3)・・マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー・・8/08・・・・・298,757・・・・・・・1,582,452 ・・・・・・・13,645・・・・・・・・683
5(新)・・MEG ザ・モンスター ・・・・・・・8/15 ・・・・・・・・・・200,355 ・・・・・・・・413,428 ・・・・・・・・3,583・・・・・・・・598
6(4)・・モンスター・ホテル・・・・・・・・・・・8/08 ・・・・・・・・・・143,446 ・・・・・・・・903,990 ・・・・・・・・6,680・・・・・・・・558
       クルーズ船の恋は危険がいっぱい?!
7(5)・・ミッション:インポッシブル・・・7/25・・・・・・・・・・・102,755・・・・・・・6,433,657 ・・・・・・・54,588・・・・・・・・355
       /フォールアウト
8(新)・・映画ドラえもん のび太の宝島(日本)・・8/15・・・59,272 ・・・・・・・・138,639 ・・・・・・・・1,054 ・・・・・・・・428
9(6)・・名探偵コナン:ゼロの執行人(日本)・・7/25・・・・・・28,054 ・・・・・・・・377,264 ・・・・・・・・2,866 ・・・・・・・・190
10(7)・・劇場版 ハロー カボット ・・・・・7/25・・・・・・・・・・・・26,693 ・・・・・・・・854,240 ・・・・・・・・6,406 ・・・・・・・・189
       :白亜紀時代(韓国)
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 「神と共に-因と縁」は1100万人を超えましたが、歴代韓国映画ではまだ15位。前作の「神と共に-罪と罰」は1441万人いでしたが、今後これに届くかどうか?
今回の新登場は1・5・8位の3作品です。
 1位「目撃者」は、韓国のスリラー。「助けて!」 誰もが眠っている夜明け頃、悲鳴を聞いてマンションのベランダに出たサンフン(イ・ソンミン)は殺人事件を目撃します。警察に知らせようとした瞬間、自分のいるマンションの階数を指で数える犯人テホ(クァク・シヤン)と目が合います。その瞬間、サンフンはテホの次のターゲットになります。殺人を見たのに見ぬふりをしなければなららいサンフンと、1人の目撃者でも見つけたい刑事チェヨプ(キム・サンホ)、危険に陥ったサンフンの妻スジン(チン・ギョン)、自分の犯行を見た目撃者を最後まで追いかける犯人テホが繰り広げる予測不可能の展開で、結末ははたしてどうようなことに? 原題は「목격자」です。
 5位「MEG ザ・モンスター」は、サメが登場するアメリカのパニック映画。というと、往年の映画ファンは「ジョーズ」(1975)を思い浮かべるのでは? 以後2016年の「ロスト・バケーション」まで、10作品くらい作られてるみたい。それぞれに元祖「ジョーズ」との差別化は図りつつも、サメがコチラに向かって口をパカッと開いて、というポスターはほとんど踏襲されているようです。(本作品も。) 新味はというと、サメの図体が馬鹿でかいこと。メガドロンという25mを超える巨大サメで、200万年前に存在してその後絶滅したはずのコイツが未知の深海で発見されて・・・ということで物語が展開していきます。韓国題は「메가로돈」。日本公開は9月7日です。
 8位「映画ドラえもん のび太の宝島」は、韓国でもおなじみ。日本では今年の春休み向けの公開でしたが、韓国では夏休みを期して、って少し遅めか? 韓国題は「극장판 도라에몽: 진구의 보물섬」です。

【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・累積収入・・・・上映館数
1(1)・・万引き家族(日本)・・・・・・・・・・・・・・・7/26・・・・・・・・・・・・8,503・・・・・・・・144,126・・・・・・・・1,206・・・・・・・・・・54
2(2)・・ノーカントリー・・・・・・・・・・・・2008/2/21 ・・・・・・・・・・・3,434・・・・・・・・・86,650・・・・・・・・・・638・・・・・・・・・・27
3(6)・・神は死ななかった:暗闇の中の光・・7/19・・・・・・・・・・1,995・・・・・・・・・77,946・・・・・・・・・・612・・・・・・・・・・41
4(10)・・テルマ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8/15 ・・・・・・・・・・・1,871・・・・・・・・・・3,508・・・・・・・・・・・34・・・・・・・・・・37
5(新)・・北北西に進路を取れ・・・・・・1960/10/01 ・・・・・・・・・・・1,294・・・・・・・・・・5,638・・・・・・・・・・・21・・・・・・・・・・19

 4・5位の2作品が新登場です。
 4位「テルマ」は、ノルウェー・フランス・デンマーク・スウェーデン合作のホラー。「ダンサー・イン・ザ・ダーク」等で知られるラース・フォン・トリアーの甥のヨアキム・トリアー監督作品です。ノルウェーの田舎町で育った少女テルマ(エイリ・ハーボー)は、オスロの大学に進学して一人暮らしを始めます。信仰心が深く抑圧的な両親のもとで育ち、幼い頃の記憶がない彼女ですが、大学の同級生(女子)アンニャ(カヤ・ウィルキンス)と初めての恋におちます。奔放なアンニャとつきあうようになってから、テルマは不可解な発作に襲われるようになり、また周囲で不気味な出来事が続きます。そんな中、アンニャが忽然と姿を消してしまいます。実はこれらの背後には、自分の知らないテルマの過去が関わっていました・・・。韓国題は「델마」。日本公開は10月20日です。
 5位「北北西に進路を取れ」は、もちろんヒッチコック監督によるサスペンス。半世紀以上経った韓国でも再上映されています。韓国題は「북북서로 진로를 돌려라」です。
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<ガーデンまつり×ヨコハマ・モシッソヨ! 2018>で韓国の国楽を聴いてきました

2018-08-19 12:47:31 | 韓国の音楽
 8月17日(金)、午後7時頃横浜市立図書館を出てみなとみらいに向かいました。前々日、たまたま見たポスターで「大盆踊り」が17・18日開催されることを知り、どんなものか散歩がてらに見てくるかと思ったわけです。

    
 行ってみると、なかなかの人出。そんなに広い会場ではないのですが、屋台には長い行列ができていました。桜木町駅から現地まで、いろんな外国語が耳に入ってきたのは場所柄だからでしょうか。中国語、タイ語、韓国語、英語、他にもあったかもしれません。
 盆踊りですが、着いた時にやっていたのは「東京五輪音頭-2020-」。ふーむ、懐かしいのー・・・と半世紀以上前の思い出にふけっていてはキリがありません。(まだ前書きなのに。) 踊っている人たちが一段と盛り上がっていたのは「ダンシング・ヒーロー」。なるほどねー。(参考動画→昨年の神田明神の盆踊り。)
 荻野目洋子の歌がヒットしたのは30年以上前か。あの頃は・・・。(おっと。)
 このみなとみらいの盆踊り大会は第11回目とか。私ヌルボ、すぐ近くに住んでいるのに知らなかった・・・。大体この時期は郷里の徳島に帰っていることが多いということはありますが。
 あ、今年帰っていたら例の阿波踊りの総踊りが見られたかな?

    
 横浜市民なのに今まで知らなかった夏のイベントがもうひとつ。・・・って、ここから本題。
 <納涼ガーデンまつり×ヨコハマ・モシッソヨ!>がそれで、これも町内の掲示板を見て知りました。場所は関内駅から近い大通り公園で15(水)~17(金)開催。「モシッソヨ(멋이 있어요.粋だね)」とあるからには、何か韓国関係の出し物でもあるのかなとチラシの出演団体の表をみると、京畿道立国楽団、男性アイドルグループのApeaceM.A.P6そして地元横浜に本部を置くテコンドー道場・炫武館(げんぶかん)
 この<納涼ガーデンまつり>は10回目か。一方、日韓文化交流イベントの<ヨコハマ・モシッソヨ!>が始まったのが2012年で、2014年からコラボが続いているようです。
 自分の都合と興味・関心等を勘案して、初日の最初の方だけ行ってみました。

    
 ステージのオープニングの30分ほど前の午後5時20分頃に行ったらもう人がいっぱい! <福富町リトルコリア>の韓国料理店の屋台等が並んでいて、テーブルはほとんど満席状態。東の関内方面からは西の端のステージは全然見えません。そういえば会場は午後4時オープンだったか。その仮設ステージの前も、すでに観客がぎっしり。
 横浜の韓国総領事さん等のオープニング挨拶のあと、最初のプログラムは京畿道立国楽団の演奏です。
     
 キム・ウンホさんの大笒[대금.テグム](大きめの横笛)、パク・ナモンさんのチャング(장구)(太鼓)、シム・ヒョギョンさんの歌で、京畿民謡の「太平歌」(태평가.テピョンガ)「チャジン ペンノレ」(자진 뱃노래)が演奏されました。
 (※お名前や曲目は、後で直接伺って書いていただきました。)
 屋外での演奏なので音が拡散する感じで、音楽を聴く条件としては良くなく、演奏者もやりにくかったのではと思います。まして今回来られたのは3人だけだし・・・。やはりちゃんとしたホールでじっくり鑑賞したいものです。

    
 シム・ヒョギョンさんのチマチョゴリ姿がいい雰囲気ですね。「チャジン ペンノレ」の<ペンノレ(뱃노래)>は<舟唄>。<チャジン(자진)>はヌルボが知らない数多くの韓国語の1つで、<テンポが速い>ということのようです。「♪オイヤディヤ、オイヤディヤ」と繰り返される合いの手が印象的でした。

 次の演目は、地元横浜のかっぽれ粋遊会のかっぽれ踊り。いやー、テコンドーといいかっぽれといい、実にいろんな分野で本格的に、あるいは趣味として取り組んでいる皆さんがいらっしゃるものです。
 かっぽれについては私ヌルボ、ちょうど7月にグリーンフラワーズの芝居「かっぽれ!夏」を観た時に合いの手の入れを教わり、その後忘れかけていたのを再び思い出しました。
 ・・・と、見たのはここまで。次のテコンドーが見られなかったのが残念です。
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韓国内の映画 NAVER映画の人気順位 と 週末の興行成績 [8月10日(金)~8月12日(日)]

2018-08-14 22:27:50 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▸5月=11本、6月=8本、7月=10本。6~7月にはとくに興味をそそられる映画が集中したこともあって、年間100本観た昨年を上回るペースになってしまいました。これでは支出がかさむばかりだし、VRが現実を侵食してきてるかも(?)という思いもあります。私ヌルボも「レディ・プレイヤー1」の世界に入りかけてる?(笑) (あ、「エンダーのゲーム」(映画じゃなく小説の方)あたりからかな? あの発想は。)
 その間そんな「興味をそそられる映画」を観に東京まで何度も足を運びましたが、その中のかなり多くが近所のシネマ・ジャック&ベティで今後上映予定とは・・・。ホン・サンス監督の4作品も入ってます。観てない映画でこれは行かずばなるまいて(←死語か?)というのが「ザ・ビッグハウス」「私はあなたのニグロではない」等々。あ、これも近所の横浜シネマリンでは8月18日から<ベルイマン生誕100年映画祭>ですと!? うー、2回恵比寿まで行ったのにー。まあ、未見のものを観ることにするか。(・・・などといってるとまたリアルの世界から遠ざかりそう。)

▸韓国では、たぶん今日観客動員1千万人に到達する「神と共に-因と縁」に続きファン・ジョンミン主演の「工作」が好調にスタートしました。下記のように、過去の北朝鮮に対する諜報活動に直接関わった実在の人物・事件を素材とした映画で、個人的には興味深い内容です。
 日本で話題の例の「カメラを止めるな!」は韓国で8月23日公開。では今のところほとんど話題になってませんが、富川国際ファンタスティックで観た人たちは「こんなに笑ったのは久しぶり」等々大変好意的なコメントを書いています。
 一方、現在日本で公開中or近日公開の韓国映画でオススメの作品・期待の作品というと、うーむ、なかなか出てこないゾ。「1987、ある闘いの真実」は9月8日公開か。あ、8月19日から早稲田松竹で「タクシー運転手 ~約束は海を越えて~」「ペパーミント・キャンディー」の2本立てがある! これはぜったいオススメ! 一般料金1300円だし。あと新宿シネマートで上映中の「沈黙、愛」はちょっと気になる、かな。
    
「朝鮮日報」8月10日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。)

촘촘하게 빚은 첩보 심리극
안기부 공작원 박석영(오른쪽)과 북한 간부 리명운은 서로를 믿지 못하면서도 조금씩 다가선다.

 《週末の劇場街》で紹介

  「工作」



   緻密に作られた諜報心理劇

 [写真説明] 安企部工作員のパク・ソギョン(右)と北朝鮮の幹部リ・ミョンウンはたがいに信じられなくても少しずつ近づいていく。

 「マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー」
   気分転換にアバの音楽 ! ★★★


 「陸と海の間」

   目も耳も爽やかになる ★★★



 「名探偵コナン ゼロの執行人」

   基本はやるコナンの話 ★★☆

 「陸と海の間」(仮)はアイルランドの大西洋に面した観光地ラヒンチにサーフィンをするために集まった人たちを撮ったドキュメンタリーです。(日本未公開。) 他の作品は先週または以下の記事の中で紹介しています。

         ★★★ NAVERの人気順位(8月14日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
          ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。

①(1) ダンガル きっと、つよくなる  9.54(1,598)
②(2) アイラ  9.53(1,214)
③(4) ハー・ストーリー(韓国)  9.36(2,034)
④(-) 名探偵コナン ゼロの執行人(日本)  9.31(1,688)
⑤(5) インクレディブル・ファミリー  9.27(9,206)
⑥(7) 劇場版 ハロー カボット:白亜紀時代(韓国)  9.24(1,594)
⑦(8) ブレス しあわせの呼吸[ブリーズ]  9.24(211)
⑧(6) 万引き家族(日本)  9.23(1,766)
⑨(9) ミッション:インポッシブル/フォールアウト  9.15(18,235)
⑩(-) マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー  9.12(3,423)

 ④「名探偵コナン ゼロの執行人」だけが今回の新登場です。毎年4月公開でシリーズ22作目。韓国でも全作公開されていますが、今作はその中でもトップクラスの高い評価を得ています。韓国題は「명탐정 코난 : 제로의 집행인」です。

     【記者・評論家による順位】

①(1) 顔たち、ところどころ  8.86(7)
②(2) 万引き家族  8.13(8)
③(3) ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ  8.00(7)
④(4) 君の名前で僕を呼んで  7.80(10)
⑤(5) ミッション:インポッシブル/フォールアウト  7.56(9)
⑥(6) 犬ヶ島  7.50(10)
⑦(7) 聖なる秩序  7.40(5)
⑧(8) インクレディブル・ファミリー  7.33(9)
⑨(9) ザ・スクエア 思いやりの聖域  7.25(12)
⑩(10) 聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア  7.14(7)

 順位・評点とも前週と同じです。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績8月10日(金)~8月12日(日) ★★★

         「神と共に-因と縁」、早くも観客動員1千万人目前

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・累積収入・・・・上映館数
1(1)・・神と共に-因と縁(韓国) ・・・・・・8/01 ・・・・・・・・1,570,941・・・・・・・9,631,145 ・・・・・・・80,478 ・・・・・・1,380
2(22)・・工作(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・・8/08 ・・・・・・・・1,424,800・・・・・・・2,066,387 ・・・・・・・17,850 ・・・・・・1,317
3(6)・・マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー・・8/08・・・・518,872 ・・・・・・・・861,699 ・・・・・・・・7,434 ・・・・・・・・724
4(新)・・モンスター・ホテル・・・・・・・・・・8/08 ・・・・・・・・・345,987 ・・・・・・・・511,248 ・・・・・・・・3,786 ・・・・・・・・715
       クルーズ船の恋は危険がいっぱい?!
5(2)・・ミッション:インポッシブル・・・7/25・・・・・・・・・・243,591・・・・・・・6,152,524 ・・・・・・・52,096 ・・・・・・・・521
       /フォールアウト
6(新)・・名探偵コナン:ゼロの執行人(日本)・・7/25 ・・・146,306・・・・・・・・242,161 ・・・・・・・・2,142 ・・・・・・・・510
7(3)・・劇場版 ハロー カボット ・・・・・・7/25・・・・・・・・・・・62,179 ・・・・・・・・785,353 ・・・・・・・・5,882 ・・・・・・・・277
       :白亜紀時代(韓国)
8(4)・・インクレディブル・ファミリー・・7/18 ・・・・・・・・・23,115・・・・・・・2,998,036 ・・・・・・・24,278 ・・・・・・・・105
9(7)・・万引き家族(日本) ・・・・・・・・・・・・7/26 ・・・・・・・・・・13,185 ・・・・・・・・123,889 ・・・・・・・・1,040・・・・・・・・・・61
10(5)・・神秘アパート・・・・・・・・・・・・・・・7/25 ・・・・・・・・・・11,368 ・・・・・・・・667,872 ・・・・・・・・4,925・・・・・・・・・・98
       金色トッケビと秘密の洞窟(韓国)
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 「神と共に-因と縁」は一両日中に1千万人を超えます。その先どこまで伸びるか注目。昨日突破という驚異の数字を記録しました。明日8日には700万を超え、週末には1000万人に達する見込み。その8日にはファン・ジョンミン主演の「工作」が公開されますが、はたして・・・。
今回の新登場は2・4・6位の3作品です。
 2位「工作」は、北朝鮮の核開発という状況下での諜報活動という、まさに今日的な問題を取り上げたドラマ。国軍情報司令部の少佐出身のパク・ソギョン(ファン・ジョンミン)は、KCIAの後身の国家安全企画部[安企部]にスカウトされ、<黒金星>というコードネームで北朝鮮の核の実態を探るため北朝鮮の高位層の内部に潜入するように指令を受けます。安企部海外室長チェ・ハクソン(チョ・ジヌン)と大統領の他には家族でさえも彼の実体を知らないまま、彼<黒金星>は対北朝鮮事業家(広告業者)に偽装して、北京駐在北朝鮮の高位幹部リ・ミョンウン(イ・ソンミン)に接近します。そして数年にわたる工作の末、彼を通じて北朝鮮権力層の信頼を得て北朝鮮内の広告撮影独占権を獲得し、北朝鮮を何度も訪問するようになります。ところが1997年。韓国の大統領選挙の直前に<黒金星>は南北首脳部間の秘密の取り引きを内容を知り、これまで 祖国のために信念をもって工作を遂行してきた彼はどうしようもない葛藤に陥ります・・・。この作品は相当部分事実に基づいています。<흑금성 사건(黒金星事件)>で検索するといろんな記事がヒットします。本作の主人公パク・ソギョンのモデルはパク・チェソという人物。上記の1997年大統領選云々とは、進歩系・金大中候補に対する保守系・李会昌候補に有利になるよう上から「ある工作」を指示されて・・・という<銃風事件>のことです。この映画に対するネチズンの評価は10点が44%で1点が27%。例によって進歩系と保守系で明確に分かれているようです。(主人公を「北」寄りとみて・・・。) 原題は「공작」です。
 4位「モンスター・ホテル クルーズ船の恋は危険がいっぱい?!」は、2012年・15年に続くアメリカのほのぼのモンスターシリーズの第3作。モンスター・ホテルの支配人として働き詰めの父ドラキュラを見かねて、娘のメイヴィスはモンスター御用達の豪華客船クルーズの家族旅行を提案します。全然乗り気でないドラキュラでしたが、最愛の妻を亡くして以来、運命の女性との出会いはないと思っていた彼は船長のエリカにまさかの一目ぼれをしてしまいます。ところがメイヴィスは・・・。韓国題は「몬스터 호텔3」。日本公開は10月19日です。
 6位「名探偵コナン:ゼロの執行人」については上述しました。

【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・累積収入・・・・上映館数
1(1)・・万引き家族(日本)・・・・・・・・・・・・・・・7/26・・・・・・・・・・・13,185・・・・・・・・123,889・・・・・・・・1,040・・・・・・・・・・61
2(12)・・ノーカントリー・・・・・・・・・・・2008/2/21 ・・・・・・・・・・・5,741・・・・・・・・・77,457・・・・・・・・・・555・・・・・・・・・・27
3(2)・・ザ・スクエア 思いやりの聖域・・・・・8/02 ・・・・・・・・・・・2,134・・・・・・・・・11,360・・・・・・・・・・・94・・・・・・・・・・33
4(3)・・ミラノ、愛に生きる ・・・・・・・・2011/1/20・・・・・・・・・・・・1,561・・・・・・・・・50,544・・・・・・・・・・399・・・・・・・・・・23
5(46)・・ゴースト/ニューヨークの幻・・1990/11/24・・・・・・・・・1,349・・・・・・・・・15,668・・・・・・・・・・・65・・・・・・・・・・・1

 2・5位の2作品が新登場です。といっても、どちらも旧作です。
 2位「ノーカントリー」は、2007年のコーエン兄弟によるアメリカのハードボイルド・スリラーの再上映。韓国題は「노인을 위한 나라는 없다(老人のための国はない)」と、原題「NO COUNTRY FOR OLD MEN」をそのまま訳しています。
 5位「ゴースト/ニューヨークの幻」は、1990年に大ヒットしたアメリカのラブ・ストーリーの再上映。韓国題は「사랑과 영혼(愛と霊魂)」で、コチラは原題「GHOST」から離れてます。
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「白丁(ペクチョン)」という言葉に抵抗感がない韓国・北朝鮮に驚く ②北朝鮮が30年以上公的に使ってきた「人間白丁」という罵倒語

2018-08-13 20:09:05 | 韓国の時事関係(政治・経済・社会等)
 →1つ前の記事の続きです。

 北朝鮮が国際外交の場面で用いている非難の言辞の激しさはあいかわらずです。
 トランプ大統領に対して、(オットー・ワームビア青年の死に関して)「老いぼれの精神異常者とそのろくでなし仲間が捏造した虚偽情報で最高指導者の神聖なる尊厳を傷つけた」とか、「老いぼれならず者のトランプが三寸の舌で『弁舌』を振るいながらまたもやたわごとを並べ立てて米国の内部と国際社会を騒然とさせている」等々。
 これに対してトランプもほぼ同じようなレベルでやりあっていたから、まるで子供同士の口喧嘩のようなみっともなさでした。
 北朝鮮による罵倒語の中で、私ヌルボが本気でこれは許せないと思ったのは、脱北者たちをかなり以前から「인간쓰레기(インガンスレギ.人間ゴミ)と呼んでいること。一体誰がそんな「人間ゴミ」を生み出しているというのか? 実に無責任極まりない言葉です。
 
 そんな北朝鮮の、それも公的に流される口汚い罵倒語も毎度毎度のことなので、ちょっと鈍感になってきたかな?という私ヌルボでしたが、一昨年(2016年)の4月、北朝鮮の公式サイト<우리 민족끼리(ウリミンジョッキリ.わが民族同士)>の4月30日の記事(→コチラ)の見出しを見た時には驚きました。

  인간백정의 무리에게는 참혹한 징벌만이 명처방이다
  (人間白丁の群れには残酷な懲罰だけが名処方だ)


 今も問題が再燃している中国・寧波の北朝鮮レストラン従業員の脱北を「韓国による拉致である」として非難する記事ですが、それにしても<人間白丁(インガンペクチョン)>とはなんと強烈な言葉か!
 同じく同年10月5日にも인간백정, 살인마들을 고발하는 농민사망사건(人間白丁、殺人魔たちを告発する農民死亡事故)」という見出しで2015年11月のデモに参加し、警察の放水銃に倒れて重体に陥って16年9月に死亡したペク・ナムギさんについての記事がありました。

 調べてみると、<人間白丁>とは(最初ヌルボが誤解したような)「人間である白丁」という意味ではなく、「人間を家畜のように殺す白丁」といった意味なのだそうです。
 そして、とくに最近の北朝鮮特有の言葉ではなく、かつては朴正熙や全斗煥に対しても使われました。またアララ!と思ったのは北朝鮮に限らず韓国の側でも用いられているということです。
 たとえば保守系の言論人・趙甲濟(チョ・カプチェ)氏も2011年12月金正日国防委員会委員長の死去後인간백정을 애도하는 북한주민의 속내(人間白丁を哀悼する北韓住民の胸の内)」と題した記事(→コチラ)と、金正日を<人間白丁>とした記事を公表しています。
 最近では、今年5月脱北者団体が風船にビラを付けて北朝鮮に飛ばそうとして市民団体と警察に制止されたということがありましたが(→コチラ参照) そのビラには「형님을 살해한 악마, 인간백정 김정은(兄を殺害した悪魔、人間白丁金正恩)」などと記されていたとのことです。
 それ以外にも、韓国の記事を探すとスターリン、ヒトラー、毛沢東、そして金日成等が<人間白丁>のレッテルを貼られている例が見つかりました。

 ヨクソル(욕설.辱説)すなわち悪口(罵倒語・侮蔑語)の多様で豊富なことは韓国人の誇るところ(笑)で、本ブログでも映画「息もできない」に出てくるスラング(ほとんど侮蔑語)についての記事(→コチラ)を書いたことがありました。
 また、韓国語関係のいろんな本にも記されています。たとえば辛淑玉「愛と憎しみの韓国語」(文春新書)もその1つで、彼女自身が子供の頃から聞いていた(使っていた??)悪口をたくさん載せています。その中で、少しためらいがちに紹介していた「過激な」悪口が1つ前の記事で書いた「ミッチンノム」でした。「狂ったヤツ」という意味で、ごくふつうに軽く使われている言葉ですが、辛淑玉さんは「障碍者差別につながる」ということでためらいがあったのではないでしょうか? そして「白丁」のような身分や職業関係の差別語も載っていないのは意識的に避けたのかどうか?
 ※日本でもかつてはそんな障碍者や身分・職業に関する悪口がいろいろありました。筒井康隆「悪口雑言罵詈讒謗」(「欠陥大百科」(1970)所収)にドカッと書かれています。
 もしかしたら、「人間白丁」という罵倒語もそんな<文化的伝統>のあらわれなのかもしれません。しかし、国際常識を考えると、自身の品格を貶めているという点で相当のマイナス効果になっていると思うのですがねー・・・。また、国際社会ももっと厳しく批判すべきではないでしょうか?

 この「人間白丁」については、私ヌルボがこれまでしばしば参考としてきた<辻本武 tsujimoto blog>に関連記事がいくつもありました。その中で、今年5月の→コチラの記事で、辻本さんは「季刊 三千里 №25」(1981年2月)所載の作家・金石範さんの「差別、雑感」と題した小文の一部を紹介しておられます。
 「季刊 三千里」は何冊か持っていますがこの号はなく、図書館にもないので、恥ずかしながら孫引きになってしまいますが、そのまま載せることにします。

 朝鮮での「被差別民」を意味する「白丁(ペックチョン)」ということばの用法について、一言いっておきたい。在日朝鮮人組織の朝鮮語の機関紙『朝鮮新報』などで、いまでも朴正熙や全斗煥らをさしていう場合、「人間白丁」などと大きな見出しで堂々とでてくる。
 白丁は高麗時代に隋から入ってきた言葉で「百姓(ペックソン)」―人民を指していたようだが、しかし長い歴史の過程で「百姓」のどの階層を指し、そしてどのような賤称の響きを持つに至っているか、年輩の朝鮮人なら知っているだろう。
 それは「エタ」「ヒニン」と同じような響きを持って人の胸を突き刺す。白丁は死語ではない。その人たちの存在とともに、言葉は生きている。私は先に「チョーセン!」が朝鮮人以外に蔑称として向けられている事実について触れたが、「白丁」を人殺しや人でなしなどの代名詞として、印刷物などで公公然と使用するのはやめるべきだと思う。
 たとえば「人間白丁全斗煥」となった場合、「白丁」という言葉が放つその否定的な毒はどちらに強く突き刺さるか。それは全斗煥よりも「白丁」に属する者たちに強く向かっていく。「白丁」に属する者が、その形容をどのような思いで聞くか。「白丁」がそのような形容詞として使われることがないように切に望みたい。自ら被抑圧解放の立場においている者の場合はなおさらだろう。


 この金石範さんの文に続けて、辻本さんは次のように記しています。

 「白丁」という言葉は、それから35年も経った今でも韓国で使われています。テレビドラマや映画にこの言葉が出てきます。しかし韓国では問題にはなりません。日本で「」と言えば大問題になりますが、ここが韓国との違いですね。

 そして韓国のこのような現状をどう理解するか? 辻本さんが示す3様の解釈をヌルボなりに箇条書きにまとめると・・・
  ①差別が日常化しているので問題とは気付いていない。
  ②差別というものがなくなったから逆に差別語が自由に使われている。
  ③朝鮮戦争で国土が焦土化して白丁自体が消滅したため、この語は単に比喩的表現として残っているだけ。

 ・・・となります。
 この中のどれが正しいかについては、「(上記のような)いろんな説明があるようです。本格的には議論されていないようですね」と書くにとどめています。私ヌルボもよくわかりません。①~③のすべての要素が混在しているようにも思えます。

 この辻本さんの記事に寄せられたA.OTAさんという方のコメントには次のように書かれています。

 ただでさえ結束力の弱い地域共同体はその後の日本支配と朝鮮戦争のさらなる破壊によって現在は影も形もありません。そういう歴史の中では「白丁」という地域社会の中でのアンタッチャブルが人の心に実体として残される理由はありませんよね。韓国に住み始めて四半世紀を過ぎましたが「白丁」という言葉を人々の辱説、悪罵の中で聞いたことも一度もありません。

 ・・・と、ほぼ③に該当する見解のようです。
 しかし、人(世代等)や地域によってこのような問題についての体験にはかなり差があるのではないでしょうか?(日本の場合とくに痛感。) 上記のように少なくとも書き言葉としては「白丁」は今も用いられてます。
 なお、<ナムウィキ>の「백정」の項目(→コチラ)をみると、韓国プロ野球で、サムソンライオンズの投手として活躍しているペク・チョンヒョン(백정현)投手のニックネームの1つに「最後の1文字を落として・・・」というものがあるとか、ネット内では主に漢方医や薬剤師などが、メスを持って手術する医師に対して使うことがあるといった記述があります。(どれほど一般的なものか、よくわかりませんが・・・。)

 結局私ヌルボ、いろいろ調べて新たにわかったこともありますが実体はつかめず、自分でも隔靴掻痒といった感じの記事になってしまいました。
 ただ、上掲の金石範さんの文章が37年経った今も通用するということが非常に残念です。今一度、とくに<当事者>の人たちはぜひ読んでほしいものです。
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「白丁(ペクチョン)」という言葉に抵抗感がない韓国・北朝鮮に驚く ①店名にも用いるとは・・・。差別がなくなったあらわれ??

2018-08-11 18:42:13 | 韓国の時事関係(政治・経済・社会等)
 2016年11月、ソウルの明洞を歩いていて、「白丁」という店名が書かれた案内板を見て驚きました。白丁(ペクチョン.백정)とは、朝鮮時代の身分制度で最下位に位置付けられていた被差別民です。
 日本の歴史用語では(あえて書きますが)「」に相当する言葉です。被差別民に対する差別が完全になくなったとは言えない日本と違って、韓国では朝鮮戦争等で白丁の集落は解体し、白丁たちは各地に分散して実体がなくなったとのことで、現在韓国の多くの人々は「白丁差別は過去のことで、今はなくなった」と言うそうです。
 こうした店名があること自体そのあらわれなのでしょうか?

 朝鮮時代の身分を大別すると、まず支配階級の両班(ヤンバン)。高校の世界史の教科書にもあるので知っている人も相当数いると思います。その下に中人(行政実務担当者等)、そして一般の農民等は常人で、さらにその下がです。
 に含まれる人々には官、妓生、僧、芸人等々がいて、一番下が白丁でした。
 近現代の韓国の白丁の歴史をテーマにした小説・鄭棟柱「神の杖」(解放研究所.1997)については→コチラの記事で書きました。この記事に関連することもいろいろ書いたので、目を通してみてください。
 白丁の生業は屠畜・食肉商・皮革業・骨細工・柳細工(編笠、行李など)でしたが、代表的なものが屠畜で、「神の杖」とは牛をさばく時に用いる牛刀のことをいい、それは白丁自身の誇りを示す道具でもありました。
  ※백정はexcite翻訳では<白丁>と翻訳されるが、 google翻訳では<肉屋><ブッチャー><白丁>の順に3候補が提示される。


 冒頭の「白丁」の案内板を見ると上に「姜虎东」と書かれています。日本式漢字だと「姜虎東강호동(カン・ホドン)」で、韓国の人気TVタレント・MCです。その彼が展開する焼肉チェーン店なのですね。
 検索すると、店のメニューの画像(右)がありました。カン・ホドンが牛刀を持っています。
 つまり、白丁に対する差別が本当になくなったか否かは別として、「食肉を扱う専門家」というのが現代韓国の白丁のイメージということなのでしょうか。
 ※この店については→コチラや→コチラの記事参照。ただしどの記事にも被差別民・白丁のことは書かれていません。韓国の記事も同様です。私ヌルボのようにムムッと立ち止まって写真を撮るような人間はまずいないということでしょうね。

 まあ、ほとんどの人が「今は白丁差別はない」と言っているからそんなものかも。・・・と言っても疑問は残ります。
 私ヌルボ、上記の小説「神の杖」を読んだのが約20年前。その直後ある韓国人の方にその本の感想を語り、白丁について質問したところ、「差別は今もあります」というはっきりとした答えが返ってきました。それは姓氏に関係する差別の話だったのですが、今ひとつ具体的な内容については聞けませんでした。それが「天方地丑馬骨皮」のこととわかったのはその何年か後でした。
 この「天方地丑馬骨皮」については<シンシアリーのブログ>の→コチラの記事に詳しく書かれています。
 また、韓国の各地を廻って取材したルポ・上原善広「韓国の路地を旅する」(ミリオン出版.2014)を読むと、食肉業者に対する差別等、差別はいまだに残っているようです。
 私ヌルボの理解では、時代の変遷とともに差別のネタ(いわばソフト)は徐々に消えていっても、差別を生み出す社会的そして心理的仕組み(いわばハード)は今も厳然とある、ということ。新しいネタが出てくると、また新しい差別が登場する・・・。それは韓国だけの問題ではありません。

 私ヌルボ、まだ実際に観てませんが、韓国tvNで7月7日から「ミスター・サンシャイン」というドラマがスタートしました。ハングルではなぜか미스터 션샤인(ミスト・ションシャイン)です。
 ドラマの主人公2人と、物語の基本設定は次の通りです。
 ユジン(イ・ビョンホン)は、9歳の時少年の時朝鮮からアメリカに来ました。彼はの息子で、両親が主人の両班の横暴で殺された時、命からがら逃げ、辛未洋擾(1871年朝鮮軍とアメリカ軍との交戦事件)に際して(たぶん)江華島あたりに来ていたアメリカ軍に拾われて軍艦に乗りアメリカに降り立ったのです。その後彼はアメリカ軍兵士となって朝鮮に戻り、士大夫の令嬢エシン(キム・エシン)と出会うことになります。
 一方、もう1人の主役がドンメ(ユ・ヨンソク)です。彼は白丁の息子で、過酷な差別から逃れるように日本に渡り、国家主義団体の黒龍会に入ってその漢城支部長となり、日本の手先となって朝鮮に戻るのですが・・・。
 ニュースによると、このドラマに対しては「親日美化」「歴史歪曲」等の抗議の声が上がり、上記の実在の団体・黒龍会の名を「戊申会」という架空のものに変えたりした上で謝罪文を公表したとのことです。(参照→「中央日報」) ※黒龍会は1901年設立なので年代も合わない。
 このドラマでは、白丁とか(下人)とかの出自がたくましく生きる原動力のようなものとして描かれているようですが、日本では同じような事例はあるのでしょうか?

 図書館にあった上原善広「路地 被差別をめぐる文学」(皓星社)は、岩野泡鳴「の娘」(1919)からオールロマンス事件(→ウィキペディア)の発端となった杉山清一「特殊」までの小説7作品と、「問題と文学」についての松本清張・開高健等5人の座談会を収録した興味深い本ですが、編者の上原善広さんは解説の末尾で次のように記しています。

 やはり路地をテーマにした文学なりエンタメ作品がもっと出てくるまでは、路地は解放されたといえないだろう。逆に路地を舞台にした小説がもっと出てくるようになり、それが映画のテーマになり、テレビ番組になれば、路地の解放は進んだと見ていいだろう。

 上述の「ミスター・サンシャイン」の主人公は、白丁や下人出身であることが大きな意味を持っています。しかし、それをテーマと言うには疑問のあるところです。(上原さんはどう考えるのかな?)

 ここまで読んで、もしかして「韓国人は差別語に対して無神経だな」と思った人もいるかもしれません。たしかに、無頓着だなと思ったことはよくあります。「미친놈(狂った奴)」などはごくふつうに使うし、映画「シークレット・ミッション」(原題:隠密に偉大に)で北朝鮮の工作員ドングに与えられた指示は「町のパボ(馬鹿)に偽装しろ」というものでした。
 そのように、日本と韓国では差別語に対するモノサシにかなり大きな落差があると思っています。ただ、そのことが差別意識の有無のレベルとは必ずしも一致していないようです。簡単に言えば、放送禁止用語等をいくら増やしてもそれが差別意識の解消に直結するものではないということです。(放送禁止用語の規定も、差別をなくすことよりも、視聴者や各種団体の抗議に対するTV局側の事前予防措置といった感じ。)

 韓国では、今済州島のイエメン人難民申請者の処遇が問題になっています。その背景に、イスラム教やムスリムに対する偏見・差別意識があるのでは、という声もあります。差別を許さないはず(?)の文在寅政権がそんな難民排除の意見に迎合(妥協?)しているとか?
 日本では韓国のようなひどい差別はなく、「世界一差別の少ない国」と思っている人もいるようです。比較的にはそう言えるかもしれませんが・・・。
 しかし今、「白丁」&「朝鮮人」で検索すると、最初の方で「在日朝鮮人の反日は白丁の出身を隠すため」とか「白丁(ペクチョン)に支配された国家、日本」とか「在日韓国人のご先祖様がヤバすぎる件!!」等々といった記事がずらっと出てきます。まったく根も葉もない・・・でもない点が厄介ですが、在日朝鮮人に対する差別の上に白丁に対する差別を上塗りしている感があり、非常に問題があります。その他もろもろ、ネット社会はあいかわらず差別と偏見に満ち溢れています。

 白丁という言葉については、もう1つ大変驚いたことがありました。それについては次の記事で。

[追記] 19世紀末~20世紀初の頃の白丁出身の医師を主人公にした「済衆院(チェジュンウォン)」というTVドラマが2010年SBSで放映され、その後日本でも放映されました。ライバルの医師は両班出身、そしてヒロインは通訳官の娘ということは中人、という設定になっています。主人公のモデルとなったのは朴瑞陽(パク・ソヤン.1885-1940)という実在の人物。→コチラの山下英愛さんの記事参照。短編ドラマ「白丁の娘」の紹介とともに非常に詳しく書かれています。

 → 「白丁(ペクチョン)」という言葉に抵抗感がない韓国・北朝鮮に驚く ②北朝鮮が30年以上公的に使ってきた「人間白丁」という罵倒語
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朴槿恵の「槿」は韓国の国花。何と読む? ※よく似た花があって紛らわしい

2018-08-09 19:41:48 | 植物の韓国語
 「日本の国花はサクラ。それもヤマザクラ」とずーっと以前から思い込んでいました。ところが、この記事を書く前にちょっと確認してみたら、アレレ! 「桜または菊」なんですと。また「公式に定められた国花はありません」とも。そうだったのか~。

 さて、韓国の国花についてですが、日本ではどれほど知られているでしょうか? 漢字で書くと<木槿>または<槿>。これで<ムクゲ>と読みます。(漢検だと、1級レベル・・・ってホンマ?)

 このムクゲですが、見てそれとわかる人は何%くらいいるのでしょうか? 全然見当がつきません。私ヌルボの場合、高校時代(?)の国語の授業で芭蕉の「道のべの木槿は馬に食はれけり」という俳句で名前だけは知っていましたが、ちゃんと判別できるようになったのは恥ずかしながら1年前です。

 「ちゃんと判別」するのがちょっとむずかしいのは、同時期(6~9月頃)に咲く花でムクゲによく似た花がいくつかあるから。
 ここでクイズ。次の①~③の中でムクゲはどれ?

      

 正解はです。
 はフヨウ、はタチアオイです。
 韓国語だと、ムクゲは무궁화(ムグンファ.無窮花)、フヨウは부용(プヨン.芙蓉)。そしてタチアオイは漢字語ではなく<접시>(チョプシ)=皿+<꽃>(コッ)=花で접시꽃(チョプシコッ)と言います。なるほど、円い皿のように見える、かな?
 この3つの花とも白色など色が数種類あるのもややこしいところ。
 たとえば、右の2つもムクゲです。

 花の見分け方のポイントは・・・
  ムクゲ・・・メシベの先端がまっすぐ伸びている。
  フヨウ・・・メシベの先端が曲がっていて、どれも上を向いている。
  タチアオイ
・・・花の中心部分が淡い緑色。
   ※花の時期は、タチアオイが一番早く5月下旬~7月上旬。ムクゲがその約1ヵ月遅れ、フヨウはさらにその後です。
 ・・・ということなのですが、それよりもずっとわかりやすいのは少し離れたところから全体を見てみること。

      

 まずムクゲから。この木の特徴は、たくさんの枝が空に向かってまっすぐに伸びていることです。右の写真のように3~4mもの高さになる木もあります。

      

 次はフヨウ
 多く枝分かれしていて、大きめの葉がたくさんこんもりと横に広がっています

 
      

 タチアオイは、実は木ではなくて草なので、1本まっすぐ上に伸びている太い茎も下の方まで緑色です。葉はその茎の下の方にあるくらいで、上の方はほとんどなく、花は茎のすぐ横についています。
 ※ここまでの写真のほとんどはわが家の近所で撮ったものですが、右のタチアオイが群れ咲いている写真は都内の小さな公園で今年6月半ばに撮影しました。

 なお、ムクゲフヨウは葉の形も一目でわかるほどの違いがあります。(「街の木公園の木」(大日本図書)より)
    

 
 国花ということで、韓国ではこのムクゲがいろんなところで用いられています。右は韓国の国章と、最高の勲章である無窮花大勲章。国章は「ムクゲの花を基にデザインされている」とのことですが、どこが?という感じ。ムクゲでこんな黄色のものはないんじゃないかなー? 勲章の方は全然ムクゲとは関係なさそうです。本記事の見出しにも書いたように、朴槿恵前大統領の名前もムクゲを念頭に置いてつけられたものと思われます。なお、歴代大統領はこの無窮花大勲章を受章することになっています。全斗煥・盧泰愚元大統領も朴槿恵前大統領も投獄されるようなことになりましたが、この勲章は没収されないことになっているそうです。
 また国歌「愛国歌」の歌詞中にも「무궁화 삼천리 화려강산(無窮花 三千里 華麗江山)」とムクゲが出てきます。
 そして次の写真は2016年3月ソウル市銅雀区の顕忠院(国立墓地)で撮ったものです。
      

 広い墓地の彼方まで整然と並んだ墓の一つひとつにピンクまたは白のムクゲが供えられています。韓国の国鳥(非公式)のカチガラス(チョウセンカササギ)がここかしこに見受けられました。が、考えるまでもなくこの時期にムクゲが咲いているわけがない、と思って見ると、やはり全部造花でした。ま、しかたないところでしょうが・・・。

 ところで、ここで気になるのは北朝鮮の国花は何か?ということ。調べてみると、和名ではオオヤマレンゲ。韓国語では함박꽃나무(ハンバッコンナム)、そして北朝鮮では목란(モンラン.木蘭)といいます。その画像(右)を見ると、これまたなんとも紛らわしい!(笑)
 そういえば、平壌にある宴会場の名前が木蘭館でしたね。私ヌルボが1991年夏に行った時普天堡(ポチョンボ)電子楽団の演奏を聴いたり、水キムチとか板チョコ等を食べた所です。(実は長い間、私ヌルボは木蘭と牡丹(모란.モラン)を混同してました。ハハハ。)
 
 ところでその2。タチアオイと言えば、韓国人の多くが連想する(韓国の)有名人がいます。って、これで誰のことかわかるアナタはなかなかの韓国通。その人物のことについてはまたいずれ書くことがあるかも・・・。

【忘憂里公園墓地のムクゲ(2017年9月8日)】
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韓国内の映画 NAVER映画の人気順位 と 週末の興行成績 [8月3日(金)~8月5日(日)]

2018-08-07 23:49:46 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▸8月4日(土)~5日(日)名古屋に行ってきました。駅ホームで定番のきしめんを食べ、これは初めての矢場とんのみそかつ丼を食べて・・・というのは第1目的ではありません。今まで知らなかった名古屋臨海高速鉄道あおなみ線の電車に乗って終点の金城ふ頭駅至近のリニア・鉄道館に行ったのは第2目的。これで韓国・義王、大宮、京都と合わせて4ヵ所の鉄道博物館をきっかり8ヵ月間で全部回ったことになります!(この件はいずれ別記事で。)
 そして第1目的はというと、<花開くコリア・アニメーション2018+アジア>、略して<花コリ>。2008年から始まった催しですが、私ヌルボ、東京会場での開催日は決まって他に予定が入っていて行けず。ところが一昨年、2012年に観て印象に残っていた長編アニメ「そばの花、運のいい日、そして春春」をぜひ観たくて、名古屋会場まで出向きました。(→その時の記事。)
 今回はそんな長編アニメがなかったのは少し残念でしたが、「脱北した20代の女性2人が韓国に定着していく姿を描いた」という内容の「花咲く手紙 (꽃피는 편지)」と題した作品があり、そのカン・ヒジン監督のトークがあるとのことで、これはぜひ行かなければ、という気になりました。実際にその作品を観て、またいろんな話が聞けてよかったです。具体的に書くと長くなりそうなので1つだけ書くと、脱北者女性が「北朝鮮にもいい点がある」という例で語ったのは「いじめがない」ということ。これは韓国では脱北者に対する差別があるということ。やっぱりなー。

▸名古屋でよかったのは、4日の夜交流会に参加したこと。カン・ヒジン監督の隣りにちゃっかり座って話もしましたが、脱北者のこと等もっと話を聞きたかった・・・といってもヌルボ1人で独占するわけにもいかないですからねー。
 その席の自己紹介で私ヌルボが名乗ると、このブログにコメントを寄せたりしていた方(複数)からお声をかけていただいたのは驚くとともに、とてもウレシイことでした。これまでも幾度かこういうことがありました。映画以外にもメディア関係や翻訳者の方とか・・・。こうした方たちと直接話をすると、当方としても励みとなる一方、軽く書いたような記事にも責任がついて回るということを痛感します。
 交流会の場では、トークの司会や通訳等々を担当して活躍していた大学生の皆さんと話せたこともよかったですね。(なんせ日頃40代以下の人と話す機会がほとんどないもので、けほけほ。) とてもしっかりした人たちで頼もしく思いました。
 ※<花コリ>名古屋会場のようす等は→コチラのツイッターで。

▸韓国では先週スタートの「神と共に-因と縁」の勢いが「ハンパない」レベルです。(内容等は後述。) 原作のチュ・ホミンのウェブトゥーンが6月4日から日本語で(無料で)読めるようになっているのですね。→コチラがリストで、→コチラが第1話。最初の「あの世編(저승편)」だけで全68話で、現在は12話。毎週月曜更新か。いつまでかかるのかな? 私ヌルボが韓国のウェブトゥーンで完読したのは2012年。それだけおもしろく読めたということです。
    
「朝鮮日報」8月3日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。)

뻔하고 유치해도 보게 된다
주지훈(위)과 마동석이 영화가 감정 과잉에 빠지지 않도록 웃음으로 조절한다.

 《週末の劇場街》で紹介

  「神と共に-因と縁」




   幼稚で高が知れていても観ることになる

 [写真説明] チュ・ジフン(上)とマ・ドンソクが感情過剰に陥らないように笑いで調節する。

 「ジュピターズ・ムーン」
   斬新な素材 単調な結末 ★★☆


 「ザ・スクエア 思いやりの聖域」

   知識人の偽善を皮肉る ★★★☆



 「神秘アパート:金色トッケビと秘密の洞窟」

   子供が好きな恐怖漫画 ★★★

 各作品とも、先週または以下の記事の中で紹介しています。

         ★★★ NAVERの人気順位(8月7日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
          ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。

①(2) ダンガル きっと、つよくなる  9.55(1,583)
②(1) アイラ  9.55(1,183)
③(4) ワンダー 君は太陽  9.42(2,220)
④(3) ハー・ストーリー(韓国)  9.40(2,150)
⑤(6) インクレディブル・ファミリー  9.27(8,533)
⑥(7) 万引き家族(日本)  9.25(1,297)
⑦(-) 劇場版 ハロー カボット:白亜紀時代(韓国)  9.25(1,130)
⑧(8) ブレス しあわせの呼吸[ブリーズ]  9.24(211)
⑨(9) ミッション:インポッシブル/フォールアウト  9.15(15,945)
⑩(-) ノーマンズランド(韓国)  9.00(12)

 ⑦と⑩の2作品が新登場です。なお、⑧「ブレス しあわせの呼吸」は、先週まで英題の「ブリーズ(Breathe)」を仮題としてきましたが、日本での公開が9月7日に決まり、邦題もこのようになったので改めておきます。なお韓国題は「달링(ダーリン)」です。
 ⑦「劇場版 ハロー カボット:白亜紀時代」については後述します。
 ⑩「ノーマンズランド」は、1つのストーリーを4人の監督が4つのジャンルで描いた韓国のオムニバス映画。4つのジャンルはブラックコメディ、ミステリー、ホラー、ミュージカルです。ある日、映画会社ににわかに漂う新人デビューのフンイキ。キム社長とパク監督、オPDは祝杯をあげます。しかし、新入り作家のテヒが迎え入れられたことで映画会社を取り巻く秘密が明らかにされていきます・・・。原題は「노맨스랜드」です。

     【記者・評論家による順位】

①(1) 顔たち、ところどころ  8.86(7)
②(2) 万引き家族  8.13(8)
③(3) ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ  8.00(7)
④(-) 君の名前で僕を呼んで  7.80(10)
⑤(7) ミッション:インポッシブル/フォールアウト  7.56(9)
⑥(4) 犬ヶ島  7.50(10)
⑦(9) 聖なる秩序  7.40(5)
⑧(10) インクレディブル・ファミリー  7.33(9)
⑨(-) ザ・スクエア 思いやりの聖域  7.25(12)
⑩(-) 聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア  7.14(7)

 ⑨「ザ・スクエア 思いやりの聖域」が新登場です。日本ではすでに4月の公開されています。韓国題は「더 스퀘어」です。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績8月3日(金)~8月5日(日) ★★★

         「神と共に-因と縁」、前作に続き爆発的なすべり出し

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・累積収入・・・・上映館数
1(89)・・神と共に-因と縁(韓国) ・・・・・8/01 ・・・・・・・・3,847,623・・・・・・・6,194,070 ・・・・・・・51,861・・・・・・・2,235
2(1)・・ミッション:インポッシブル・・・7/25・・・・・・・・・・850,915・・・・・・・5,495,241 ・・・・・・・46,550 ・・・・・・・・916
       /フォールアウト
3(11)・・劇場版 ハロー カボット ・・・・・7/25・・・・・・・・・・327,966 ・・・・・・・・621,800 ・・・・・・・・4,685 ・・・・・・・・745
       :白亜紀時代(韓国)
4(2)・・インクレディブル・ファミリー・・7/18 ・・・・・・・・199,167・・・・・・・2,889,491 ・・・・・・・23,473 ・・・・・・・・601
5(4)・・神秘アパート・・・・・・・・・・・・・・・・7/25 ・・・・・・・・・・99,805 ・・・・・・・・621,967 ・・・・・・・・4,600 ・・・・・・・・469
       金色トッケビと秘密の洞窟(韓国)
6(12)・・マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー・・8/08・・・・63,442 ・・・・・・・・・75,218・・・・・・・・・・673・・・・・・・・・264
7(7)・・万引き家族(日本) ・・・・・・・・・・・・7/26 ・・・・・・・・・・24,149 ・・・・・・・・・92,297・・・・・・・・・・778・・・・・・・・・・69
8(3)・・人狼(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・7/25 ・・・・・・・・・・17,185 ・・・・・・・・891,355 ・・・・・・・・6,953・・・・・・・・・207
9(39)・・ザ・スクエア 思いやりの聖域・・8/02・・・・・・・・・・・4,141 ・・・・・・・・・・6,477・・・・・・・・・・・55・・・・・・・・・・42
10(5)・・アントマン&ワスプ・・・・・・・・・7/04 ・・・・・・・・・・・3,845・・・・・・・5,444,874 ・・・・・・・47,441・・・・・・・・・・34
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 先週は「ミッション:インポッシブル/フォールアウト」が初登場でいきなり300万人を超えましたが、今回の「神と共に-因と縁」はその2倍の600万人突破という驚異の数字を記録しました。明日8日には700万を超え、週末には1000万人に達する見込み。その8日にはファン・ジョンミン主演の「工作」が公開されますが、はたして・・・。
今回の新登場は1・3・6・9位の4作品です。
 1位「神と共に-因と縁」は、去年の冬1400万人を超える観客を集めた「神と共に-罪と罰」の続編。千年の間に48人の死者を転生させたあの世の3差使(使い=死神)。さらに1人生まれ変わらせれば、彼らは新しい人生を得ることができます。しかし、カンニム(ハ・ジョンウ)は怨鬼だったスホン(キム・ドンウク)を自分たちの最後の貴人と定める理解できない選択をします。あの世の法では、怨鬼は消滅される存在ですが、閻魔大王(イ・ジョンジェ)はあの世の3差使に新しい条件を掲げてカンニムの提案を受諾します。閻魔の条件は、屋敷神(マ・ドンソク)が居座っているため、あの世の差使たちが行く先々で失敗するホ・チュンサム老人をスホンの裁判が終わるまでにあの世に連れて来ること。ホ・チュンサムを連れてくるためこの世に降り立ったヘ・ウォンメク(チュ・ジフン)とトクチュン(キム・ヒャンギ)でしたが、屋敷神の強大な力の前になすすべもなくやられるばかり。しかし偶然、彼が千年前にヘ・ウォンメクとトクチュンをあの世に連れて行った差使だったという事実を知ることになります。自分でも覚えていない過去に対する好奇心でヘ・ウォンメクとトクチュンは屋敷神との取引を始めるのですが・・・。原題は「신과함께-인과 연」です。
 3位「劇場版 ハロー カボット:白亜紀時代」は、韓国のアニメ。恐竜パークのVR映像の中で、本当の恐竜が現れた!? 理由を調べるために白亜紀の時代にスリップしたチャタンは、そこで新しい友だちと出会います。それは恐竜カボットでした。ところが、膨大なエネルギーを持ったうんち岩をめぐって騒動が広がり、チャタンとカボットたちは驚くべき冒険に突入します・・・。原題は「극장판 헬로카봇 : 백악기 시대」です。
 6位「マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー」は、アメリカのドラマ。「マンマ・ミーア!」(2008)の10年ぶりの続編です。今作はギリシャのカロカイリ島を舞台に、前作に登場した母(メリル・ストリープ)と娘(アマンダ・サイフリッド)、母と3人の元恋人との物語の前日談と後日談等が描かれます。日本公開は8月24日で、すでに公式サイトその他で諸情報が流されています。あ、この前予告編観たな。韓国題は「맘마미아!2」です。
 9位「ザ・スクエア 思いやりの聖域」は、上述の通り日本では4月に公開されています。

【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・累積収入・・・・上映館数
1(1)・・万引き家族(日本)・・・・・・・・・・・・・・・7/26 ・・・・・・・・・・24,149・・・・・・・・・92,297・・・・・・・・・・778・・・・・・・・・・69
2(16)・・ザ・スクエア 思いやりの聖域・・・・8/02 ・・・・・・・・・・・4,141・・・・・・・・・・6,477・・・・・・・・・・・55・・・・・・・・・・42
3(4)・・ミラノ、愛に生きる ・・・・・・・・2011/1/20・・・・・・・・・・・・2,959・・・・・・・・・46,773・・・・・・・・・・369・・・・・・・・・・27
4(2)・・神は死ななかった・・・・・・・・・・・・・・7/19・・・・・・・・・・・・2,627・・・・・・・・・71,006・・・・・・・・・・560・・・・・・・・・・25
       暗闇の中の光
5(新)・・ジュピターズ・ムーン・・・・・・・・・・8/02・・・・・・・・・・・・1,709・・・・・・・・・・3,044・・・・・・・・・・・24・・・・・・・・・・39

 2・5位の2作品が新登場です。
 2位「ザ・スクエア 思いやりの聖域」については上述しました。
 5位「ジュピターズ・ムーン」は、日本では1月に公開されています。韓国題は「주피터스 문」です。
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